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SENPAI　4

そしてどうやら、これが好きな子への告白タイムみたいになっているらしい（笑）
今年も、その合宿がやってきた。
なにがどうなのか、よく分からない私たち１年女子は、先輩女子から
「夕食が済んだら、男子が申し込みにくるんだよ」と、そっと教わった。
え？それって、申し込まれなかったらどうなるの？（素朴な、そして重大な疑問よね）
前以て希望を聞いて、男子の中である程度微調整されるらしいよ、だって（笑）
年長者から、優先権が与えられている。
先輩は私よりひとつ上だった。
３年はすでにできちゃってる人たちがほとんどで、２年と１年が勝負どころのようだった。
カナコが耳打ちする。
「先輩、誰に申し込むのかなぁ～」
私はなんだかどっちでもよかった。
私はテニス、たいしてうまくないし、大会で足を引っ張っちゃうもん。
それに、先輩とだなんて、緊張してますますミス連発しちゃいそう。
そう思ったら、むしろ組みたくなかった。
「あ、女の方からの申し込みもアリだってよ！どうする？（笑）」
「カナコ、申し込んできたら？」私は、興味ないから・・・というような口ぶりで言った。
「あ、そう。じゃ、そうする～」そう意地悪く言って、カナコは行ってしまった。

夕食前にトイレに行くと、廊下に同期のＭが立っていた。
ささっと早足で近づいてきたかと思うと、いきなりこう言ってきた。
「抜け駆けみたいでアレなんだけどさ、よかったらペア組まない？」
「いいよ」即答していた。
「え、そう？（笑）じゃ、「もう決まってるから」って答えてよね」
「わかった」
なんか、あっけなかった。

夕食が終わって、各自風呂に入ったり寝転がったりの自由時間がやってきた。
（みんな、どきどきしてるのかな。私はもう決まっちゃったから、関係ないし。）
そう思っていると、先輩がやってきて部屋の入り口に立った。
「ねぇ、決まった？」私に向かって言う。
私？と、自分を指差すと、先輩はうなずく。
「うん。」と答えると
「あ、そ。意外だな。」とだけ言って、出て行った。
なにそれ。
あっちで喜び、こっちで泣きしてた騒ぎも丸く収まって、夜の飲み会が始まった。
カナコは２年の次期部長といわれてる先輩と組むことになった。
カナコは高校、テニス部だったっけ。
先輩は・・・昨年同様ユミ先輩と組んだみたいだった。
（なぁ～んだ、やっぱりデキてんじゃん！）なんか、ちょっとムカついた。
同期のＭは、「かわいい系だよね～」なんて言われて、先輩女子が狙っていたみたいだった。
まあ、オトコを感じさせないユニセックスがウリのタイプって感じ？
そういうヤツに限って、けっこうやり手だったりして（笑）グラスを持って私の隣にやってきた。
「突然でびっくりした？でもオレ、はじめからうさぎって決めてたからさ。」
「あ、そうなんだ」愛想笑いで答える。
Ｍはもう、酔ってる感じだった。
「ね、うさぎ、笑ってよ」
「え？（笑）」
「オレ、うさぎの笑った顔が好きなの」
「どうもありがとう」丁寧に（笑）礼を言った。
「いえいえ～」私の礼を好意と受け止めたのか、そう言いながらテーブルの下で手を握ってくる。
「Ｍ、酔ってる？（笑）」笑ってごまかしながら、手を解く。
「酔ってなんかないよ」また手を握る。し・つ・こ・い！

「うぐっ！！」
背後からいきなりＭにヘッドロックをかける先輩。びっくりしたぁ～～！
「何するんすか～」Ｍもちょっと引き気味。
「オレ、プロレス技かけるのがスキなの～♪」
そういって、Ｍの後ろから抱きつく先輩。
畳敷きなのをいいことに、引き摺ってＭを連れて行く。技をかけられて叫ぶＭ。

これって、愛？（笑）
なんか、うれしいなぁ～♪

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