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SENPAI 6


軽く重ねた後、今度は少し吸う。離しては、何度も繰り返す。
全神経が、くちびるに集中する。
カラダがふわふわと浮くような感覚。夢中になりそうだった。
くちびるを右耳に移動させて、優しくキスする。
耳たぶを軽く吸われる。あ・・・。
同時に先輩の手が、シャツの上から乳房をまさぐり、そこで私は我に返った。

「痛て!!」
両手で思い切り、先輩の顔を突き放した。
「っんだよ、いきなり・・・」
「やめてよ」
「あれ?イヤだった?」先輩はニヤっとした。
「身体にすごいチカラ入ってたけど・・・もしかして、したことないの?」
「・・・帰る」私はむくっと起き上がり、身支度をした。
「ふうん。当たっちゃった?」
先輩の顔を見ないようにして、玄関へ向かう。
「おじゃましました」
むすっとした顔でそう言った時、先輩が後ろから私をそっと抱きしめた。
そして耳打ちした。
「したくなったら、またおいでよ」


「シタクナッタラ、マタオイデヨ」
その言葉が、頭の中を占領していた。講義中ずっと。
すごく失礼な言い方だと思う。腹立たしい・・・はずなのに・・・
なんでだろう。その言葉に囚われていく。
私は、したいのかな。したくないのかな。
するなら、先輩とがいい。先輩と、しなければならないような気になってくるから不思議だ。
今朝の一件をカナコに告げるべきだろうか。
私が言わなくても、先輩の家に行ったこと、Yが帰った後も残ったことは、
Y経由で伝わるに決まっている。
やはり、自分からカナコに言おう。
そう思って学食に行くと、
「よ!!」と元気よく、カナコが肩をたたいた。
「昨日の飲み会、辛かったね~。もう授業サボろうかと思ったぁ~。」
「うん。」
「あ、そういえば、途中からはぐれたけどさ、うさぎはどうしてたの?」
「あのね」そこまで言いかけたら、カナコの方が話し出した。
「いや~、実はさぁ・・・W先輩から告られちゃってさぁ~、参った♪♪」
ぜんぜん参ってなさそうなんだけど・・・って、ええ??
「ほら、大会でミックス組んだじゃん?その後で2人で会ったりしてて。
ごめんね~、言わなくって。隠してたわけじゃないのよ~」
「うん」なんだか、ほっとする自分がいた。かなり言いやすくなった(笑)
「W先輩って、硬派じゃん?大事にするから・・・とかって言ってくれてさぁ~。」
そだね、誰かさんと違って、確かに硬派だ(笑)
「で、カナコはどうすんの?付き合うことにしたの?」
「うん。昨日の帰りに返事した。だからさぁ、うさぎはK先輩と気兼ねなく、
らぶらぶしなよねぇ~♪」
らぶらぶねぇ~・・・そんな感じじゃないよなぁ。
他にもいるけど、とりあえず興味あるから・・・ぐらいの対象なんじゃないのかな?
K先輩にとっての私って・・・そんな気がするよ。
だって、がっついてないもん。大事にするなんて、ぜったい言わなそうだった。
それとも、私のほうががっついて見えたのだろうか。だから甘く見られたのかな。
ああ、腹立ってきた!!自分にも、先輩にも。
ってなことを学食で昨日の一件を含めてカナコに報告した、というより自分の中のもやもやを、
カナコにぶつけた、という感じだった。ごめんね、カナコ。

「K先輩に、振りまわされるなよ」
最後に私に忠告するようにそう言って、カナコはバイトに出掛けた。

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