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SENPAI 10


電話の受話器も放り投げたまま、ワインを買いに行ってくれたんだろうな。
その気持が、とってもうれしかった。
部屋のBGMがボサノヴァからサザンに変わり、
私たちは結ばれるために気持ちを高めあう必要があった。
先輩のキスが、さっきよりずっと強く私を求め、そして執拗になる。
次第に私の唇も、先輩の熱い舌を受け入れるために、やわらかく開く。
先輩と私の舌が絡み合って、もっとお互いを求めあいたくなる。
「キス、うまいね」
唇をちょっと離したかと思うと、先輩はそう言った。
「そう?相手がうまいからじゃない?」私はくすっと笑った。
相手を夢中にさせたい、というよりむしろ自分が夢中になりたがっていた。先輩との行為に。
夢中になることで極度の緊張から解放されたい。
少しでも冷静になってしまったら、その緊張と恥ずかしさに身が縮まってしまいそうだった。
「・・・ベッドに・・・いこうよ・・・」
先輩が、内緒話をするみたいにささやく。
ベッドにもぐりこむと、先輩のにおいがした。
先輩に包まれているよう・・・
そして私は、ほんとうに抱きしめられる。
それは暖かくて、ちょっとごつごつしていて、でもとても心地よかった。
なんとなく安心していられる。さっきまでのどきどきとはまた違った、
ほどよい胸の高鳴りに変わっていく。
「この人なら、大丈夫かもしれない」そう思って私は、身を任せることにした。

先輩はやさしく微笑んでくれていたけど、私の服を剥ぎ、生まれたままの姿にした瞬間、
急にオトコの顔になった。
くちびるから首筋に、首筋から鎖骨に、鎖骨から乳房に、先輩のくちびるが動いてゆく。
乳首にキスして口に含まれると、私は初めて声をあげた。
「あ・・・・・・」
舌先で、ころがされる。
「ん・・・・・」その間にも先輩の手が、私の内股を撫でる。
もう一方の手は、さっきからずっと私の右耳をいたずらしていた。
なにも考えられなくなってきた。
そして内股にあった先輩の手は、もっと奥の方へと滑ってゆく。
指が私のカラダで最も柔らかくて、熱い部分に触れる・・・
思わず、腰を退いてしまう。「や・・・だ・・・」
それでも先輩の指は諦めない。
今度は、ぐっと中に入れてくる。
「だいじょうぶ、ちゃんと濡れてる・・・」
「そんなふうに言わないで・・・」
「でも、ほんとだよ」
「ほんとでも・・・言わないでよ・・・」
先輩は「恥ずかしいの?」と、優しく笑うと
もう一度私のくちびるに、力強く口づけた。
「力、抜いててね」その言葉に
「来る!」って身構えた私は、とたんに身体を硬直させた。
「脚・・・開いて」
先輩が冷静に言う。
私は恐る恐る、脚を開く。
「それじゃ、ムリだよ」先輩はくすっと笑うと、またマジな表情に戻って
私の膝辺りを両手で上に押し上げた。そして両脚を思い切り開く。
あまりのことに私は驚いて、もがく。
のがしてはいけないと、先輩が腰を合わせてきた。
「痛いっ!!」
私は、ずずっと、逃げるように上へずり上がってゆく。こんなに痛いとは思わなかった。
(無理!!!)
どんどん上がっていって、ベッドの端に頭をぶつける。
それでも先輩は諦めない様子だ。
「だめ!やめて!!痛いよ!・・・無理だよ!!」
私が叫ぶと、先輩はやっとカラダを離した。


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