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今年からアメリカの不動産バブルについて注意深く追っているのだが、また面白い数字がロサンゼルスタイムスの記事に載っていた。
不動産価格の高騰により、通常の固定金利ローンでは月々の支払いができないため、利払いローンや金利の一時的に低く設定するオプションローンが出てきたことはすでに述べた( 2005.07.28の日記 )
■ 悪徳オプションローン(Option ARM)
例えば、7.28の日記で「悪徳なローンオプション」と書いた オプションローン(Option ARM)
で
20万ドルのモーゲージで金利1%でスタートする場合、月々の支払額は 643ドル
となる。それに対して
30年固定金利6%とした場合、
月々の支払額は $1,199
とオプションローンよりも約2倍となる。逆にいうと、 オプションローンは今のところは支払いを安くしておいて、差額(支払っていない金利と元金)は将来に支払う仕組み
となっている。
ローンを借りている人にとっては、自分は返済しているうつもりでいても、実は元金が増えてしまうので知らぬ間に借金が増えてしまうことになるのだ。ここの仕組みが「悪徳」と呼ぶ理由となる。
しかし、銀行側にしてみれば問題ないと指摘する。最近のローンの40%をこのオプションローンで販売するIndyMac Bankは正当化する。「リスクはローン購入者に必ず指摘するし、資金的に住宅購入できない消費者の問題を解決するニーズにこたえる」と主張する。
■ 利払い・オプションローンはファイナンシャル時限爆弾?
これら利払い・オプションローンは、今後金利の上昇によって支払額は増えていくことは間違いない。利払いや金利オプションは契約の期間がすぎれば金利が戻され、支払額が増える( 2005.05.24の日記 )。
住宅ローンの 未払い総額は2007年までに今年の10倍以上に急増する と見積もっている(ドイチェ銀行)。
住宅ローン未払い総額(金利上昇を見込む)
2005年: 830億ドル
2006年: 3300億ドル
2007年: 1兆0001億ドル
■ 不動産下落は2007年か?
アメリカでの不動産バブルにかんする議論は、賛否両論だ。これだけの不動産高騰にも関わらず「長期的なトレンドをみても、現在の不動産価格は過熱とはいえない」という人もいれば、「これは不動産価格は楽観的すぎる」という人もいる。
ただ僕としては、不動産バブルだと信じている。給料や収入が上がらないかぎり、いずれオプション期間がきれたローン返済者は高額の支払い額ができなくなる。
それが最悪ケースを考えると、未払い総額がふえる2007年までにおこり、不動産価格が下落することになるのではないか。
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