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クラウディオ・アバドが10月にルツェルン祝祭管弦楽団と来日するが、このコンビの金額を見て思わず仰け反った。 サントリーホールのS席がなんと4万円。ポリーニとのブラームスP協の夜は4万5千円!! これはすごい。オペラではなく、一晩のオーケストラの演奏会価格では恐らく史上最高ではないか? たしかに今のアバドはすごい。来日公演のマーラー「悲劇的」は私も是非聴いてみたい。でもチケットは殆ど売り切れで、今やその4万円のS席が僅かに残っているだけだ。 昨年DGから発売された彼の「悲劇的」は素晴らしい演奏だった。この曲に対する考え方が根底から覆るほどの衝撃を受けたくらいだ。そしてルツェルン祝祭管弦楽団が各有名オケのエキスパートからなるエリート集団だということも分かっている。でも4万ですよ、4万! 昨年、一昨年とラトル/BPOのS席が3万だ、ムーティとウイーン・フィルが3万3千円だと言っていたのがバカバカしくなるほど、あっさりと高値記録を塗り替えてしまったようだ。 私が20年前にカラヤン・ベルリン最後の来日公演を観た時はS席が2万6千円で、これが史上最高額だと思ったものだった。あの夜のチャイコの「悲愴」は今でも耳に焼き付いている素晴らしい演奏会だったが、もしあの時の価格が4万円だったら私は絶対に行けなかっただろう。 そもそもポリーニは独奏会ならS席2万円を取っているから、ブラームスのP協一曲だけとはいえたった5千円プラスという価格設定も怪しい。さすがに一晩で5万を超えるのはどうか、という主催者の姑息な思考が見え隠れするのだが・・・ ああそれにしても高額すぎるよ。来年来日するフィンランド放送交響楽団は今昇り竜の勢いのあるサカリ・オラモの指揮でS席1万2千円ですよ。ルツェルン管が優れているのは分かるけど、いくらなんでも3万円の差はないと思うのだが・・・この曲の新しいスタンダード!録音も絶品、是非お聴きくださいマーラー:交響曲第6番「悲劇的」こちらもクリックいただけましたら幸いですこちらも始めてみましたので、お願い申し上げます
2006年09月27日
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昨日に引き続きアドルフの話を。ヒトラーは美術と音楽に彼流のこだわりを持っていた。一言で言えばかなり狭量な保守主義者。絵画も音楽も、伝統的な表現を逸脱するようなものは全て「退廃芸術」として発表を禁止される。中にはゴッホやピカソまで入っているのだから恐れ入る。音楽面で言えば、ユダヤ人作曲家作品(メンデルスゾーンを除く)現代音楽の面々(シュールホフ、ゴルトシュミット、アイスラー、コルンゴルトら)は片っ端から禁止された。今聴くと、特に過激な音楽には感じない。ロマン派が好きな私には多少理解できない曲も多いのだが、だからといって禁止する必要があったとは思えない。そしてヒトラーが愛したのは、言わずと知れたワーグナー。圧倒的なドイツ民族賛美に貫かれた楽劇こそ、彼にとって最高の芸術だったろう。第三帝国のバックで流れるはずだった重厚な(大げさな)音楽は、現代人をも魅了する魔力をもっている。しかし、ヒトラーの野望は潰え去った。国土は焦土と化し、一緒に大帝国の夢を見た多くの国民も倒れた。消えていく祖国を葬送する音楽を書いたのは、元帝国音楽院総裁リヒャルト・シュトラウス。「メタモルフォーゼン ~23の独奏弦楽器のための」がそれである。悲しい曲なのだが、壮絶なまでの美しさに満ちている。この曲こそ、カラヤン・ベルリンPOの演奏を超えるものは、いない。カラヤンの遺産5 R.シュトラウス:交響詩「死と変容」、メタモルフォーゼン
2004年03月13日
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<「けしからん音楽シリーズ・4:A.スクリャービン 「法悦の詩」> 「法悦の詩」という邦題だけを読むとイマイチぴんとこないが、原題である「ポエム・ド・エクスタシー」と聞くとぶっ飛ぶのがスクリャービン大先生の問題作、交響曲第4番。「エクスタシー」ですよ。自作にこんな題名を付けた人、他にはいらっしゃいません。 いやはやこのお方のぶっ飛び度も桁外れ。最初の頃は正常なロマン派音楽を書いていたが、30歳近くになるにつれ、ニーチェの哲学に心酔。自分の誕生日が12月25日だったことから神智主義(人間には霊的能力があって、神を見ることが可能なのだという思想)に傾倒、遂には彼独自の「神秘和音」(4音の和声の積み重ね)を多用した非常に感覚的な作風へと没入していく。 その作風の代表が交響曲第3番「神聖な詩」と第4番「法悦の詩」。「神聖な詩」もすごいが、「法悦の詩」は本当に異常な音楽だ。トランペットが高らかに性的な興奮の盛り上がりを告げ、約20分間の演奏の間に、その主題が姿形を少しづつ変えながら、寄せては返す極彩色の官能の波のように繰り返し繰り返し聴く者を包み、圧倒する。(ようするにずっと頑張ってる、ということですな) 特に最後の三分間のクライマックスは交響曲史上、他に類を見ない圧倒的な音響空間を作り出している。ホルン8本、トランペット5本のすさまじい咆哮によって官能のうねりは忘我の境地に達し、もはや聞き手は茫然自失、頭は真っ白になる。(ようするに燃え尽きるわけですな) ありえない、こんないやらしい音楽を書いたスクリャービンは本当にけしからん!!・・・でも素晴らしい! このお方は43歳で亡くなっているが、最後に構想していたのが大管弦楽、混声合唱、芳香(匂い)、色彩投影などによる「神聖劇」(もはやなんでもアリ、みたいなものですな)なるものだった。作者死亡により未完となったが、もし完成していたらと思うと残念でならない。 このけしからん音楽はそのユニークさ、独創性において空前絶後の作品。まだの方は、是非一度聴いてみて頂きたい。私生活においては四人の子供と妻を捨てて若い愛人に走ったくらいで、ワーグナーほど人様には迷惑をかけなかったようです・・ いやあ、けしからん音楽って、本当にいいもんですね。それではまた次回、お会いしましょう!(水野晴夫さん、復帰おめでとうございます)シノーポリの病的な演奏がステキですスクリャービン:「法悦の詩」|交響曲第3番「神聖な詩」プレトニョフの色彩感もいいですねスクリャービン:「神聖な詩」|「法悦の詩」クリックいただけましたら幸いです
2006年02月25日
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昨日も話したが、銀河英雄伝説の音楽の中核をなしたのは間違いなくマーラーの交響曲だった。最初の作品、「わが征くは星の大海」でこそ「主役」はニールセンの交響曲第4番「不滅」だったが、本シリーズではマーラーの交響曲が多用されていた。しかもそれがまたドンぴしゃではまっていたのだ。100話(各30分)を超える作品中、そのほとんど全てのシーンで使われていたと思う。例えば、・漆黒の宇宙の闇の中を宇宙戦艦が飛ぶ→3番冒頭・勝利の象徴→3番終楽章終結部・戦闘が膠着状態に陥る→巨人 終楽章・主人公回想→5番アダージェット・歩兵戦闘シーン、軍隊の行進→悲劇的 冒頭・ある事件が収束し、新たな展開へ→7番終楽章終結部・回想シーン→10番第一楽章・苦悶シーン、悩むシーン→10番プルガトリオざっと思い出してもこれだけ出てくる。やはりマーラーの音楽が情景描写に優れている証だろう。ただ不思議と私の大好きな9番が使われた記憶がない。さすがにあの曲は、軽々には使いにくいメロディーなのかな。それにしても、銀河英雄伝説の帝国軍側は見事にドイツ的だ。なにせ皇帝の名前がラインハルト・フォン・ローエングラムだし、その彼が乗る宇宙戦艦の名前がブリュンヒルデ。帝国元帥がロイエンタールとミッターマイヤー。(作者は「ドイツ人名辞典」と首っ引きだったそうな)そういえば部隊名で「ローゼンリーッター」というのもあったっけ・・・やっぱドイツ語って強そうに響くんだなあ。対する同盟軍側はからきし弱そう。軍服はアメリカ軍ぽいが、本当はどこの国を真似たんだろうか・・・そういえば古くは「宇宙戦艦ヤマト」の時代から、悪者は「帝国」でドイツっぽい、て決まっていた。ガミラス帝国、デスラー総統、ヒス副総統、ドメル将軍・・・そうだ、「さらば宇宙戦艦ヤマト」では敵側の「白色彗星帝国」のテーマ曲がオリジナルでパイプオルガンだった!あの尋常でない迫力もアニメ史上に残る名曲だった。あれはなにか元ネタの曲があったのだろうか・・いまだに分からず終いだ。なあんて今日はちょっとまとまりが無くなってきたなあ。終楽章を聴いて欲しい!マーラー 交響曲 第1番「巨人」 他/テンシュテット&ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団壮大な「白色彗星帝国のテーマ」を聴いて下さい!さらば宇宙戦艦ヤマト-愛の戦士たち- デラックス版 松本零士・西崎義展/作まさに銀河英雄伝説の先駆者!ひおあきらの名作さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 全3巻 ひおあきら/画
2004年06月18日
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