Привет с России

【Надя】



2年前、ウラジオストクにある "ДВГУ"(極東大学) の学生と知り合った。彼女の名は ナージャ と言い、サハリンからやって来た。明るく元気だが、ちょっと恥ずかしがり屋でいつもすぐに顔を真っ赤にして照れていた。

彼女は昨年、大学を無事卒業する事が出来た。卒論を書いている頃は周囲が心配する位、いつも 緊張し青ざめた顔でガチガチ になっていた。毎日そんなに根詰めてやって大丈夫なの? そう思いながらみんな見守っていた。卒業式の前日・そして当日も彼女はガチガチに緊張して手足が震えるほどだった。あまりにも力が入りすぎているので心配した周囲の皆がリラックスできるようにと彼女の為にわざわざホームパーティーを催してくれた。 「上手くいくよ。大丈夫だから」 そう皆に励まされていた。 「落ち着いてちゃんとやれるように、Ю者も祈っててよ」 彼女にそう言われた。そして彼女は無事卒業した。

私が帰国する前日、彼女が我家にやって来た。丁度その日は以前からの計画でЮ者はとても忙しく、早朝から内陸の各都市を車で回っていた為、彼女には帰りが遅くなると言っておいたのだが、それが一体何時に帰宅するのかまでは確約できなかった。それで彼女は夕方やって来て、私が住んでいる家のもう一人の住人に事情を説明し、ずっと待っていてくれた。我々はPM11:00の時点でアルチョームまでは戻って来ていたのだが、別の友人からも私と同行している友人の携帯電話に電話があり、すぐにウラジオへ戻ってその友人とも話をしなければならなくなった。

こんなに遅くなってしまったのだから、きっとナージャは伝言だけ残して帰ってしまった事だろう。悪かったなぁ・・・
そう思いながら帰宅して玄関のドアを開けると、真っ先に彼女が現われた。

「Ю者、プリヴィェート!!(お帰り)」

長い間待たせてしまって本当に申し訳無い事をした。その事をすぐに詫びた。
自分も夏には実家へ戻る。そうなるとお互いもう会えなくなってしまうから、最後に会っておきたかったのだと言う。
いつもはニコニコ元気一杯の彼女がこの時はとても寂しそうだった。
本当はもっと長い時間一緒にお喋りしてウラジオを去る前に良い思い出を作りたかっただろうに。そんな大切なモノをおじゃんにしてしまい、私は一体どうやってそれを埋め合わせる事が出来ようか-。心から何度も彼女に詫びた。

寂しそうな彼女が笑顔で差し出したものがある。

それがこの 青いクマのぬいぐるみ
「日本へ帰っても私の事を、ロシアの事を忘れないで!!」
そんなメッセージが込められた愛くるしいクマさん。
クマを差し出して、彼女はギュッと私を抱きしめ、頬にキスしてくれた。
私は涙を堪えようとしていたが、無駄だった。


「ありがとう。ありがとう。ありがとう、ナージャ!!!!!!」
それしか言えなかった。
そして時間は深夜になっていたが、彼女は手を振って家に帰って行った。

彼女は今、故郷のサハリンに戻っている。
アレから1年が経つ。どうしているだろうか?
できればまたウラジオへ戻って来たい。そう言っていたナージャ。
本棚にちょこんと座って泣きもせず、噛み付きもせず、暴れもしないでいるおとなしいクマちゃんを見る度にナージャを思い出す。

ナージャがくれた熊さん

≪Ю者のデスクに座ったクマちゃん≫


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Привет с России


Владивосток



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