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■マックは死ぬ前なぜウインクしたの?■生命体はなぜイリーナを殺したの?祝!金ロー新吹き替え版「村井国男」復帰☆吹き替え映画の魅力を解説 インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skullアメリカ(2017年8月11日公開)133分■ 監督 スティーブン・スピルバーグ■ 出演者 ハリソン・フォード/ ケイト・ブランシェット/ カレン・アレン/ シャイア・ラブーフイゴール・ジジキン/ レイ・ウィンストン/ ジョン・ハート/ ジム・ブロードベント■さて今更ですがw6月30日公開のインディージョーンズシリーズの最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』公開を記念して2008年に制作されたインディージョーンズの実に19年ぶりのまさかの公開となりました4作目となる『インディー・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が金曜ロードショーで放送されるのですが今回の放送では吹替版が新たに録音された新録版での放送となり本作のみ諸事情で別の声優の方が演じてきたハリソン・フォードの吹き替えに俳優の村井國夫が復帰した完全版となっての放送となります☆まあ、ただこれが言いたいだけの記事公開というWというわけで、今回は「吹き替え映画の魅力を解説」と題しまして吹き替えに纏わるお話と前作からまさかの19年ぶりの公開となった『インディー・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』のウチ流の面白く観るポイントを解説しようと思います☆---------------------------------------------------------------------------------------------------■■■もくじ■■■STORY吹き替え映画の魅力解説編■吹き替え映画の魅力「村井國夫」編■声優交代劇の舞台裏■パラマウントが日本で展開しない理由■吹替版が字幕版より格下?『クリスタル・スカルの王国』ウチ流解説編■本作を◯倍面白く観るポイントを解説■米国の悪政「赤狩り」って何?■どうして米国は共産主義を敵視したの?■移住した順番で階層化した移民問題■本作が「1941」のリベンジである理由とは?★2024年8月追加★■インディがシルエットで出てくる意味★2024年8月追加★■マックがウインクして大丈夫だと言ったのは?★2024年8月追加★■神殿の生命体はなぜイリーナを殺したの?■SFはインディ映画らしくない理由とは?▲目次へ▲---------------------------------------------------------------------------------------------------- STORY ----------------------------------------------------------------------------------------------------時代は赤狩りがはびこる1957年のアメリカ、ネバダ州にあるアメリカ軍の施設エリア51では軍人に成り済ましたソ連のKGBに拉致連行されたインディーがその施設で謎のオーパーツ「クリスタル・スカル」を探す様に強要される---------------------------------------------------------------------------------------------------- 解説 ----------------------------------------------------------------------------------------------------▲目次へ▲■吹き替え映画の魅力「村井國夫」編■■さて映画の解説は後で少しだけするとして・・・w今回は「吹き替え映画の魅力」と題し今やTVの洋画放送では当たり前となった日本語吹替版洋画の裏話的トリビアとして今回は声優としても知られる俳優村井國夫にスポットを当て「インディージョーンズ4」での話題を中心にウチ流の映画の「見どころ」を語って行きたいと思います■現在ハリソン・フォードの吹き替えは俳優兼声優の磯部勉が担当してスターウォーズのソフト版、最新作の吹き替えも彼が担当しておりますが元々ハリソン・フォードの吹き替えは俳優の村井國夫が当たり役として長年担当して来ました村井國夫と言えば、ドラマ映画で重要な役所を担当する大物俳優として知られる人物で私が知る所では「浅見光彦シリーズ」の浅見陽一郎役や懐かしい所で三谷幸喜の名作『王様のレストラン』第七話「笑わない客」で千石さんが「淀み切っております」と言っていた日本代表の政治家役などの組織のトップや政治家役などで良く起用される日本を代表する俳優の一人でもありますそういう大物俳優は往々にして、津嘉山正種や本田博太郎の様に「悪役専門」という立ち位置だったりしますがどちらかと言えば主人公側の「正義」のポジションを数多く演じている方でダンディながらも軽妙でどこか「女たらし」な持ち味があり企業の部長で20代の頃の浅野ゆう子辺りの若い美女を愛人に持つ・・・みたいな役所を演じると光るという日本を代表するバイプレイヤーとしても知られる俳優でもあります村井國夫は1966年に俳優座養成所卒業後俳優としてデビュー東映からの誘いを蹴って俳優座の舞台に立ち舞台俳優としてのキャリアを重ねていきますが食えないという理由で4年で脱退多分に漏れずTVドラマの「悪役」を演じながらも時代劇では悪役にいじめられる側を演じたりする多才ぶりを発揮しますその後TVドラマ界特有のローテンションを消化する様な制作体質に疑問を感じて再び舞台役者として芝居の世界に身を投じますが収入を度外視した一念発起だったので結婚相手の人気女優 音無美紀子とは色々な意味での「格差婚」となった様でその為かこの時期は本人の言う所の「仕事は何でもやった」という事から声優の仕事も受ける様になったという経緯があった様ですルーカス作品では85年の「レイダース」の金ローの放送と次の週に放送した「スターウォーズ」2度めの金ローの放送で「伝説の黄金の吹き替え」となったルーク・スカイウォーカー:水島裕レイヤ姫:島本須美 (風の谷のナウシカ:ナウシカ役)で、初めてハリソン・フォードの吹き替えを担当しました「スターウォーズ」でのハリソン・フォードの吹き替えは日本テレビ開局30周年記念を祝う1983年の悪名高い日本初放送では松崎しげるが担当しましたが本編が始まるまでのタモリ研ナオコのオープニング的前振り番組が大不評でさっさと始めろという苦情の電話が殺到したという30周年の大型目玉企画として大金をはたいて獲得した超大作映画放送の前座として勿体つけたイベントを施し高視聴率獲得間違いなしに鼻息荒くするテレビ局側とタダで大人気SF映画が見られるという前評判から見逃すまいと当日ブラウン管にかじり付くお茶の間との天と地ほどの温度差を感じる世知辛いお話はどーでも良いとして・・・Wフォードの声には堀勝之祐や田中亮一、石丸博也、仲木隆司千葉繁、内田直哉 他様々な声優が当ててどれもしっくりこないと言われる中ダンディーで軽妙な演技が持ち味の村井國夫が演じた事で以降(97)「デビル」 (97)「エアフォースワン」(99)「ランダム・ハーツ」(02)「K-19」などのフォード作品の担当声優として定着しますその後ディズニーランドのアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」もディズニー公認声優として村井國夫が担当し本作のインディーの吹き替えも当然村井國夫が演じるものと誰もが思っていた矢先・・・『スタートレックエンタープライズ』の機関部長トリップ役やアンディー・ガルシアなどの吹き替えで知られる声優の内田直哉が担当し、吹き替え映画ファンを落胆させます▲目次へ▲■声優交代劇の舞台裏■この声優変更劇はWikipediaによるとまずオーディションが行われたという事、演出担当責任者が「日本語が分からない」日本人では無い「業界で著名なアジア人責任者」という事前作から19年のブランクが生じた事で村井國夫がこれまでハリソンやインディーの吹き替えをやって来た実績がリセットされあくまでもハリウッドスタイルを重視して選んだ結果となった事村井國夫はこの件に付いて最近のニュースのコメントで「若い俳優に取られてしまった。外された」と表現している事からそのオーディションに受からなかった、あるいは受けられなかったという経緯が感じられる事今回の声優交代劇にはウィキの解説でいう所の収録には「業界で著名なアジア人責任者」が立ち会っている事からその人物がオーディションでも最高責任者だったと考えられますが「日本語が分からないことから通訳を通じて演出や監修をした」「声優や日本側の演出家が苦労する一幕もあった」とも書かれている事から感じられるのは「英語が話せない人種は頭が悪い」と捉える悪しき白人至上主義的ハリウッドスタイルが背景にある匂いが漂って来る様なこれらの背景からある種の尊大で 嫌な空気感 がある事を察し取れますジョン・ハート演じるオックスを吹き替えた「スタートレックボイジャー」でドクターを演じた事でも知られる中博史が吹替版収録の様子を語っていてオーディションで合格したのに実際のレコーディングでは何度演じてもOKがもらえず困ったそうです実は録音ディレクターもOKを出さない責任者の態度に困っていた様で通訳を通して直接責任者から理由を聞くと「あなたは若いから、ジョン・ハートのような雰囲気を感じ取れない」とはっきりと言われたそうです年齢を越えた所で演技をするのが俳優であるにも関わらず声から受ける印象では無く「見た目」で判断し英語を話さない人種の演る事をハナから認めない様な横柄と無知ぶりに中博史は遂にブチギレて「あの教授のあの恰好、あの表情、あの世界観を考えると自然とこんな話し方になる」と説明した後「僕が若いからどうのっていうのはあなたの考え方が固まりすぎている嫌なら降ろしてもらってもいい」と通訳を通してはっきりと抗議したら「OK、GO!」と納得したという一幕があったそうですこの一件を見て思うに可能性として考えられる事は・・・日本語が分からない担当者は、ある種「テクニック」として出来の是非を声優自身に任せて渾身の演技だった時にダメ出しされたら切れるだろうと判断し切れるなら演技にも自信がある事になり任せられるだろうと切れたらOKを出して口出ししないと考えて中博史が何か言ってくるまで泳がせたという捉え方もありますが一見、演劇界における言葉を越えた所の判断の一つかの様に思えても何度もNGを出す羽目になったのは中博史のせいでは無くこんなやり方をするしかない日本語を知らない担当者だけのせいになるので人を弄ぶにも程がある事になりますそうでなくても抗議したら考え直す様な「ブレた」所も含めてこの責任者の事を口を揃えて「業界で著名なアジア人責任者」と表現する所もその人物の日本文化や日本人に対して理解に乏しい恐らく日本人が演る演技に付いても表層的な所しか分かっていない無知無理解ぶりに辟易している皮肉の現れの様でもありこの人物に対しての日本の声優業界の困惑する様子が見て取れるものがありましたインディーの吹き替えの件で揉めた話は他にも有り2010年ごろにWOWOWを中心とした村井國夫を再起用した新録をする企画があった時権利元のルーカスフィルムが後に旧3作を新録した内田直哉バージョンで完結したものとして「現在のテイクがベスト」と頑として受付けず権利元もパラマウントも全く日本の事情を頑ななまでに理解しようとしないという事で仕方なく断念するという事がありました日本でのインディーの吹き替えはこれまで村井國夫で上手く行っていた実績がありながらあくまでハリウッドの「オーディション制」を重要視し日本の事情を汲まないで権利側の判断だけで決定した事を押し付けるというのはまるで日本での展開に過度な期待を持っていない様な印象がありハリウッドシステムの重視はともかくとして日本の吹き替えファンが納得しないという日本独自の問題があっても決定事項に外部のクチを挟ませない聞く耳を持たない、理解を感じさせないのは悪い慣習としてのハリウッドスタイルを感じさせるものがありますハリソンが憑依した様な吹き替えでハマリ役となり長年日本でのインディーの声を熱演してきた村井國夫に対しても日本語も分からない様な責任者を派遣する事に対しても日本の演劇に対しても何も理解するつもりがないリスペクトのかけらも感じられない現れとしか取る事が出来ない一見「手続き」の重要性を主張し「道理」としては正しい行いをしている様に見えながら海外展開に於ける想定内な異例として譲歩する素振りもない欧米側のまるで日本を見下しているとしか思えないこれらの態度には怒りすら覚えるものがあります▲目次へ▲■パラマウントが日本で展開しない理由■■パラマウント映画 がことさら日本人に「尊大」なのかどうか、インディー声優から村井國夫を外したパラマントに長年個人的に怒っていてこんな記事を書いているのかどうかの真意はともかくとして・・・wインディージョーンズシリーズ、ミッションインポッシブルシリーズスタートレックシリーズを始めとする人気映画シリーズ、TVシリーズを制作する世界有数の映画会社パラマウント・ピクチャーズが日本に対して感じている印象は良くないというイメージがありました例えばドル箱コンテンツの「スタートレック」ですが映画以外のTVシリーズを欧米では全作DVDレンタルしている事に対して日本ではソフトのレンタルをしておらず又、最近パラマウントは他サイトへの配信公開を取り止めてパラマウント制作の作品は自社の配信サイト「Paramount+」でのみ鑑賞できる様に一本化をしたばかりですがそのパラマウント作品が鑑賞できる「Paramount+」も2023年12月からWOWOWオンデマンドで一部公開することにはなっても未だ日本では完全な形での展開はしておりません現在パラマウント制作のTVシリーズは日本で於いてのみNetflixやAmazonプライムで鑑賞出来る様ですが今後はどうなるかも分かりませんこの背景には欧米に於いても日本が不正ダウンロードに対して実際にはあって無い様な法律しかしない「コピー王国」だというイメージが定着している事に起因したパラマウントが自社のコンテンツが日本のユーザーの違法ダウンロードの対象となり海賊版化される防止策として、レンタルも配信も行わない方針を取っている可能性が高く日本をマーケットにするにはリスクがあり警戒が必要だと捉えている印象があります「MovieNEX」という形で「コピー前提」でソフトを販売する「ディズニー」の現実的思考とは異なりパラマウントに取って日本は自社のコンテンツが侵される防ぐ手立ての無い潜在的な被害だけでも甚大なものになる有数の海賊版輩出国家だとブラックリスト入りしているとも考えられソフトレンタルも配信も日本のマーケットに於いてのみ消極的なのはパラマウントが日本のマーケット展開を警戒している現れだと言えるものがあります「仮」にそうだとして、その様に「権利」を何よりも重要視し「訴訟王国」とまで呼ばれる欧米から見れば「有効な法整備も出来ない遅れた国家」としか映らない可能性を考えると「文化」の遅れた「野蛮」な国という扱いで「絵画演劇音楽芸術にも遅れている」という「偏見」が根ざしている可能性が浮かび上がってきますこれらはあくまで私の「私見」で欧米人の全てがそうでは無くても日本人の役者に対して「無知前提」で接している「アジア人責任者」による一連の態度の「理由」にはなっているかと思えますともあれ・・・今回 その封印が解けて最新作と前作の新録で村井國夫復帰となったのは正に先程の「ディズニー」がルーカスフィルムを買収し「スターウォーズ」「インディージョーンズ」の権利を持つ事になったのが理由となった訳ですこれは、「アナ雪」の「Let it go」というサビを「ありのままの~」と超訳した日本文化を深く理解するディズニーあっての村井國夫復活となった動かざること山の如しのパラマウントの山が動いたではなく崩れた・・・w日本中の吹き替え映画ファン歓喜の出来事となった訳でした。これを受けて前作「クリスタル・スカルの王国」でインディーを演じた内田直哉と村井國夫は和解し(?)Twitterでツーショットを公開しました、めでたしめでたしwインディージョーンズ村井国夫さんと2ショット! pic.twitter.com/XjNELcyY9M— 内田直哉 (@Nao1953Naoya) June 8, 2023▲目次へ▲■吹替版が字幕版より格下?■■さて、日本では海外作品は「字幕」がデフォルトで吹き替えは字幕映画よりも「格下」というなんとも権威主義的偏見が映画業界でまかり通っていた様ですが・・・では、だからと言って「字幕映画」が格上かと言いますと例えば翻訳界、映画字幕の大家、戸田奈津子が担当した映画は誤訳が多い事でも知られておりますのでとてもそうとは思えません例を上げますと「スタートレック」では「遮蔽装置」を「隠蔽装置」と訳したり「スターウォーズ」でも「ローカル(地元)」を 「ローカルの星人」「義勇軍」を「ボランティア」と訳したりとした事で批判された話は有名で特に「ロード・オブ・ザ・リング」では原作と異なる「ワード」を多様した翻訳に激怒した著書のファンから字幕差し替えの訴えが出る騒動にも発展しました映画評論家の町山智浩は戸田奈津子の誤訳の多さについて「製作側による英語の注釈が(翻訳用台本には)ついている。これが通常。戸田さんはこの注釈を読んでないとしか思えない」と批判しこれは映画ファンが「字幕版映画」に対して映画への「敬意」とそれに伴う「クオリティー」を求める事に対して配給側が「まず大ヒット」を求めて大半の予算を「宣伝」に掛けて「字幕制作」に割く時間的成約と予算を掛け無いというその中でベストを尽くしているという翻訳の労苦とは別に配給側の「字幕はあれば良い」程度の認識で委託される翻訳家に丸投げな現状を物語るものでもありそれが「映画警察」的存在の町山智浩にはとても感受できない違反行為に映るわけです対して戸田奈津子を養護する意見も多くある事も事実で戸田奈津子の字幕作業は映画鑑賞で字を読む行為が加わる洋画で原作がある場合の「正確性」にとらわれる余り画面で字幕を追う事ばかりに気を取られて演技を見る暇がなく「集中できない」ケースがある事を踏まえて読む「テンポ」が重要だと考えて字幕を作っている所に大きな特徴があります結果「表現が不十分」「原作に無い表現」「世界観を削ぐ」事態を招く事になるとしてもそれは、一回で目に入るだけの文字数を考慮した一般鑑賞者の理解範囲を越えない現実的配慮で翻訳作業をしている現れだと言えます例えば、一般人にとって意味不明なSF映画の専門用語などが羅列される時などの「ダイリチウムを核融合したインパルスドライブのソヴェリン級戦艦」「クリンゴンの侵攻ルートに存在した惑星オルガニアに住む高次生命体」という様なあっても無くてもストーリー上差し支えのない「要らない情報」は削ぎ落とし・・・w「高エネルギで航行する巨大戦艦」「危険地帯に居るエイリアン」の様に少ない文字数で内容を伝える事は一部ファンの不評を買うというリスクはあってもそれは効率的な翻訳を目指した結果だと言えます・・・w元々英語圏を考慮してセリフが作られた洋画であって無い様な専門用語を早口で捲し立てられる場面などは作品世界を知らない人に取っては目で字幕を追うだけで疲れる「地獄」の様な「何の時間?」でしかないので英語がネイティブでは無い日本向けに制作される字幕で「補助」しながら鑑賞する「日本語字幕映画」では作品ファンの満足を目的にしたその他の鑑賞者を淘汰する様な意味不明なワードは極力排除して多くの鑑賞者の為の映画が鑑賞しやすい環境作りを第一に考えるのが翻訳の仕事だと言えます戸田奈津子字幕の仕様の骨頂とも言える画面の「白い範囲」に「黒文字」又は「黒い範囲」に「白文字」で収まるだけの一目で入る文字数での字幕表示はパッと読める、テンポの良い字幕作りを心がけた誰もが同じ様に映画を愉しめて誰もが鑑賞しやすい映画を観る人への「心遣い」が感じられますたとえ作品のファンには不評でも、多くの人から戸田奈津子の字幕は読みやすいとの高評価を得ているというのも頷けるものがあります因みに世界的には・・・米国的にはですが・・・w海外作品は「吹き替え」がデフォルトですこれはコレで「米国に来て英語を話さない奴は頭が悪い奴」という先程も語った英語を世界のデフォルトとする白人至上主義的偏見が背景の一つと言えます・・・w(※の様に欧米を語る偏見もあるかもですが・・・w)吹替版は俳優本人の声では無い難点はあるものの字幕を読む必要が無い為画面に集中して鑑賞出来るという利点があります又問題の「ロード・オブ・ザ・リング」にしても吹替版で使われたワードは 割りと正しい表現だったと評価も良く「スタートレック」に至っては、カーク船長をTVと同じ矢島正明が演じ「新スタートレック」映画にしても ピカード艦長を麦人が演じ新旧船長が共演する「スタートレックジェネレーションズ」では吹き替えも矢島正明と麦人が共演する豪華版で吹き替えマニア感涙の共演となっております☆それが「パラマウント」の都合で「スタートレック4 故郷への長い旅」「スタートレック5新たなる未知へ」「スタートレック6未知の世界」の「4」「6」のカーク船長の吹替が「新スタートレック」でライカー副長を演じた 大塚明夫 だったり「5」のカークが 筈見純 というマニアックな人が当てたりという謎の起用なのは序の口で・・・「スタートレック6」に至ってはもうカオスでwカーク船長がライカー副長の 大塚明夫敵役のチャン将軍が「4」のカーク船長の 筈見純スポックが「新スタートレック」で初代ピカード艦長役の 吉水慶クリンゴン宰相が 現在のピカード艦長役の 麦人 という新旧スタートレック映画声優総出演となったコレはコレで吹替ファン必見の謎の豪華共演となるといった配給の都合なのか予算の関係なのかスケジュールが合わなかったのか作品の担当声優が当てられ無い場合が多く多くは収録日に開いている、吹替制作社と提携するプロダクションの所属声優に限られるチョイスとなるのが常でドル箱映画の「スタートレック」と言えどもカオスな吹替となってしまう訳です(※後に可能な限りのオリジナル・キャストで新録されました)・・・話をもどしますがwYouTubeでもゼミ系の配信動画に欧米対策で英語吹き替えを導入するユーザーが居るのは欧米が「英語字幕」では無く「英語吹替がデフォルト」の為です日本の若者の国語力低下が危惧される今日では洋画の字幕となる「文字」を読んで理解しながら物語となる映像を鑑賞する事がある程度の能力が必要となり、多くは意味を取りこぼす可能性を捉えると吹き替えが海外作品を鑑賞する日本のデフォルトとなるのも近いと言えるのかもしれません。■▲目次へ▲「クリスタル・スカルの王国」ウチ流解説編■本作を◯倍面白く観るポイントを解説■■さてここで「クリスタル・スカルの王国」も解説しておきましょう・・・wとは言っても解説サイトが星の数ほどある本作ですので本作がより興味深く観る事が出来る様にウチ流の「本作を◯倍面白く観る」ポイントを解説する事にしましょう☆■ジョージ・ルーカスは「インディー・ジョーンズ・シリーズ」を元々5作作る契約を映画会社と交わしていましたがルーカスもスピルバーグも「大物」となりある程度の「口出し」が出来る立場になると冷戦の世の中となり潜在的な脅威が日常に潜む中で暮らす現代に「ナチドイツ」を悪役に仕立てて悪人たちの野望を阻止する勧善懲悪な物語には世の中を吸引する力は無くなっていると考えてシリーズ第3作「最後の聖戦」ではこれまで「ヒーロー」として描いてきたインディー・ジョーンズを人としては「何者」なのか今ひとつ良く分からなかったという事で少年時代のインディーの活躍を描くOPで幕を上げ父親役としてショーン・コネリーを招いて物語に絡めた親子のやり取りの中で人間インディー・ジョーンズを描きそれを持って「3部作」としてシリーズを完結させようとしました実際に存在する「バランスロック」(画像参照: wikimedia)コロラド州の砂漠と高知に広がる絶景の岩場に目を奪われるOPから巨大な岩があり得ない高所の場所にそびえ立つ「バランスロック」のたもとを進むボーイスカウト一行との対比で自然の脅威で生まれた「未知」の存在を感じさせるミステリアスな冒険が始まる予感を感じさせながら広大なアーチ状の岩場からカメラは洞穴へと進んで行きその洞穴の奥で「盗掘」を行う一味の中のひときわ目立つ「フェードラ帽」の見覚えある後ろ姿にここでインディの登場かと誰もが思いながら一味が掘り出した目的の十字架の装飾物を手に取り光が当たったその顔は明らかにインディーとは違う別人で穴の上から一味の行為を見張っていた少年が呼ばれた名前がインディーだったというちょっとした仕掛けを通してスッと インディーの少年時代にタイムスリップさせながらそうして一味から取り返したはずの十字架は金持ちのコレクターに蹂躙された保安官に奪われ骨があるじゃないかと、一味のボスの男がインディー少年にかぶせて画面いっぱいになった「フェードラ帽」を上げた顔が今まさに大ピンチの中で今の事を思い出しピンチの状況すら楽しむ様に笑っている現在のインディーの殴られる直前の顔に繋がるという当時、最後のインディー映画として制作された本作に映画人としての全てが注ぎ込まれた様な画面から片時とも目が離せない映画的な流れる様な展開はインディー映画のラストを飾るにふさわしい冒頭から手に汗握る大冒険をさらりと繰り出すスピルバーグ、本当に上手いな~と思いますそれから1991年のWOWOWの開局のCMでハリソンのインディーっぽいビジュアルを観て以来「インディー」の映像化はもう無いと思われた2008年19年ぶりにまさかの最新作「クリスタル・スカルの王国」が公開されますこれは異世界人の遺産となった「クリスタルスカル」と呼ばれるオーパーツをソ連のKGBと争奪する冷戦時代のお話でケイト・ブランシェット演じる超能力を持つ悪役イリーナ・スパルコはソ連の領土時代のウクライナ出身のKGBの将校という役どころのロシア人で無い事から何倍もの忠誠を誓わなければならない身の上故に出世を狙う将校なら誰もが避ける諜報活動という「汚れ役」を自発的に行いおびただしい数の成果を上げて今の地位を得た人物で逆に言えば高い地位を得る為には誰もがやらない仕事をやるしかないという当時のウクライナの「損」な役回りを負う立ち位置を伺わせる現在のウクライナ情勢を知るには実にタイムリーな内容でしたこの映画は旧3部作とは明らかに異なったトーンで作られてましてそれは本作を監督したスピルバーグが当時61歳という年齢で歳を重ねたという事が作品に影を落としているという事もあるかもしれませんが「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」「ミュンヘン」と重くリアルな映画を撮っていた反動で楽しく観ることのできる映画を目指した映画化でした映画冒頭、地面からいきなりCGのモグラが出てきますが実写のアクション映画には似つかわしくない違和感があってまるで昭和のテレビまんがみたいなチープさがありますがアレは「さあ、マンガみたいな愉しい映画の始まりだ!」という「宣言」の意味があった訳で本来核兵器の破壊力や放射能を鉛製の冷蔵庫に入っただけでかわせる訳が無いのにインディーが無傷で出てきたりその足元から冒頭のモグラが出てくる事でこの辺りには核の影響は無い事を示しながら伏線回収するのですがw他にもどう考えてもあの様な高い「滝」から3回落ちれば死ぬ所を助かったカレン・アレンにハンドルだけ持たせてミッキーマウスディズニーアニメ的お笑いにしているとかジャングルでロシア兵に扮するイゴール・ジジキンと戦う場面でインディーのパンチにのされた後軍隊アリに巣まで運ばれて絶命するといういくらなんでもあり得ない演出をしたりするのもそもそも本作はマンガみたいな演出をしたかったスピルバーグのお笑い満載なハラハラドキドキのディズニー的愉しい映画を目指した所に企画の理由があった訳ですしかし一方で「シンドラーのリスト」ではナチの党員でありながらユダヤ人を救った人物を描き「プライベート・ライアン」では「戦争」の実態と人間性を描いた事で「ナチ」を素直に「悪」と描くことが出来なくなった弊害と「最後の聖戦」の時の様に「戦争」をネタに笑いが描けない「レイダース」の時の様に中身を考えない映画を撮れなくなりそれで闘う相手をソ連のKGBにしたり敵を「ソ連」にしたというよりは共産主義を敵視する「赤刈り」なども含めた「思想」そのものという潜在的な敵になりうる全ての状況が今回の真の敵として描いている所に旧3部の時にあった映画的カタルシスが薄くなり映画で描く枠取りが増えて多義に渡っている分トーンが変わったと言えます例えばインディがKGBに拉致され脅迫されて行った行動が当局に共産主義に寝返った行為に取られて見に覚えのない「赤狩り」の対象にされる所などは「勧善懲悪」なインディー・ジョーンズ・シリーズを逸脱したものすら感じさせます▲目次へ▲■米国の悪政「赤狩り」って何?■この映画をもっと理解する為に「赤狩り」に付いて少しだけ触れたいと思います「赤狩り」は「マッカーシズム」とも呼ばれる1948年頃より1950年代前半に政府によって行われてきた当時世界的に台頭していた「共産主義」を国内から排除する行為と一環を指す言葉ですが当初は国内の共産党員や支持者を政府が弾劾追放していた事がやがて共産党員では無い家族や友人までもが追求される様になりいつしか「あの人物は赤っぽい」という様な「イメージ」だけで処断される様になって行き偏見がまかり通り人が人を信じられなくなる様な国民が疑心暗鬼に囚われて国内に不穏な空気が浸透していた一連の風潮を指す言葉でもありますヲタク評論家の岡田斗司夫はコノ当時の「赤狩り」の風潮を「不倫したら炎上するよりも酷いやつ」と表現してましたがwこの「赤」とはソ連の国旗の色であり共産主義を象徴するカラーとして共産党とその支持者を指した言葉で当時は「赤っぽい」と思われただけで当局に逮捕されたといいますのでしばしば歴史に於いて戦争に勝利した国が陥る次は何が敵になるのかで国内が「スケープゴート」探しで騒乱する人権を無視した悪政が戦後の米国にまかり通っていた事を伺えるものがあります■背景としては、戦後に共産主義の大国のソ連が力を拡大しつつある事に警戒してきた米国がアジアや中東、中米の国々が急速に共産主義国化して行く事に対して世界から民主主義が消えてしまうのでは無いかと恐怖心を抱いた事がきっかけで猜疑心が芽生えた所にありそれを受けて共和党右派のジョセフ・マッカーシー上院議員が率先して「赤狩り」を進めた事で本来共産主義とは何ら関わりの無い代議士や著名人、作家までもが「赤」を思わせる発言やその様な著書を出版しただけで連行されという様なその実態は現政権の潜在的な敵と認知された人々が弾劾される「共産主義者の排除」を大義名分とした体の良い政敵の排除を目的とする謀計と言えましたこれによって偽の「共産主義者リスト」作成による事実の歪曲や偽証が横行しマッカーシーのその様な冷徹で強引なやり口は批判を込めて「マッカーシズム」と呼ばれる様になりますやがて「赤狩り」の思想は世界的に波及しイギリスやカナダ、日本までも影響を受け西側諸国全体に行き渡る程に「共産主義」への脅威は「形の無い恐怖」となり戦後の世界を席巻して行ったのでしたしかしその様なマッカーシズムの横行に対してマスコミが立ち上がり1954年3月9日 ジャーナリストのエドワード・R・マローがマッカーシーが行ってきた数々の違法行為と偽証工作を自身の番組で取り上げ批判した所番組の反響は凄まじく全国でマッカーシー批判が広がりこの一件以降、赤狩り一色だった風潮は転じてマッカーシズム糾弾へと向かいます12月には政府はマッカーシーに不信任を突きつけこうして憑き物が落ちるように米国における赤狩りは終焉を迎える事になるのでした▲目次へ▲■どうして米国は共産主義を敵視したの?■米国の共産主義、社会主義に対する嫌悪は社会主義ベースの民主主義を世界で唯一成し遂げたとも評価される日本では理解出来ない民主主義以外を「異端」と見なす極端な資本主義的思想に起因しているものと捉える事が出来ます例えばオリバー・ストーン監督の大ヒット作「ウォール街」の続編2010年公開の「ウォール・ストリート」ではリーマンショックで世界金融危機に陥った米国で政府が銀行の金融システムに関与する状況になって行く事に対して銀行業界のトップ達があたふたとうろたえて「社会主義が始まる!民主主義はもうおしまいだ!」と取り乱す場面がありこれを観る限りでも米国人は国が関与する事を極端なまでに嫌い国が主導する事を端的に「社会主義」と捉える傾向がある事が分かりますオバマ政権の時に国民社会保険の導入を検討し政府に棄却される事がありましたが日本人にとってはとても良い制度でも「自由主義と民主主義」が基本の米国ではフランシス・フォード・コッポラ監督の名作「レインメーカー」の中で訴えられる極悪保険企業の様な金儲け目的で病人から搾取をする様な血も涙もない企業があったとしても法律に抵触しなければ何をしても「自由」であり例え人道的に正しい行いをするとしてもそれに国が関与する様な事は「自由が侵害される」=「社会主義」=「悪」なのであり民間の保険が高額であろうとそれが「保険」という制度であり加入するもしないも「自己責任」なのが「民主主義」であると高額保険が「極悪」なら 誰にも選ばれない事で社会的に自然と「抹殺」されるべきであるというあくまで「自由」に基づいた「一人ひとりの意思」を尊重している事が分かります又、資本主義的民主主義な考えでは金儲けに成功する事は正しい行為であり「正義」の現れで「富裕層」は正しい生き方をする正しい行いをする人達であり「貧困層」は間違った生き方しか出来ない悪い行いをする人種であるという極端な思想がはびこるのもお金持ちになるのも貧乏になるのも全ては「自己責任」でありどららの立場を選ぶのも「自由意思」である「自由」とは良い面ばかりでは無く悪い面だってあるというそれが「自由」の本質でもあると捉えているからだと言えますこれは「良い」面しかない都合の良いものなど存在しないし「悪い」面があるからと言って放り出したりせず受け入れるその様な「自由」の元に社会を作って生きるのが人間らしい姿でありそれが唯一叶うのが「民主主義」である、の様に「自由」である事は「誤ち」が起こるのが「当たり前」である事を前提にして皆が望んだ事で犯した「誤ち」が起これば真摯に受け入れて変えて行くその様に価値観を常に変化させる「現実的思考」が根付いている現れでありその様な、唯一無二の人間らしい社会を作っている「誇り」が米国人を支えている事が伺えますつまり米国はその様な多種多様な考えで国が成り立ちそれによって特定の考えが多数を占めて国がそちら側へと傾いた時も正しい行いである事を信じて行動し続ける限りたとえ過ちを犯したとしても世の中が自然と正しい方向へと導くのが「民主主義」であると捉えている事が分かります故に、国が唯一の考えで統一され国民に選ばれていない世襲によって権力が受け継がれる一部の特権階級によって成り立つ様な全体主義的国家や国の運営を一部の「プロ政治家」に委託して国民は政治に無関心となり世の中が乱れたら国のせいにし自分の子供が公園で怪我をしたら行政のせいにするそれで世の中が良くなる訳でも何でも無いのに赤の他人の不倫を「悪」認定して世の中から抹殺するまずは社会があって人が居て自分があると考えて周りの事を考え災害が起これば整然と行動できる事を世界の称賛を浴びながらコロナになってマスクが品薄になると奪い合う様に購入して店舗の商品棚を空にしたり善意の配布にも何百もの人間が群がる様に押し寄せて行き渡らなかった最後尾で怒りで暴れ出した人間が逮捕される様な浅ましい裏の顔を持つそんな どこかの社会主義的民主国家ではなし得ないという事を信じている現れだと言えるのでその様な「異端」な思想が世界を席巻した時は「人間的な社会」が侵され「誇り」が失われた末に人としての拠り所となる「アイデンティティ」まで失われる恐怖心の余り我を忘れてしまうという事なのかもしれません。▲目次へ▲■移住した順番で階層化した移民問題?■■さて、「クリスタル・スカルの王国」の話に戻りますが大学を停職になり国から「赤狩り」の対象にされる失望で国外に出るインディーをハーレーで追いかけてくる元カノの息子と米国の定食屋にあたる「ダイナー」に入りKGBの追手を巻く為に始めた騒動でスカジャン一派と革ジャン一派が真っ二つになって揉める場面では後にスピルバーグが映画化する「ウエストサイドストーリー」やコッポラ監督の名作「アウトサイダー」でも描かれた米国が人種のるつぼである事での「移民問題」を背景にした当時の白人と有色人種による対立を「漫画的」的に描写して根底にある「人種差別問題」を「コメディー」に変換して笑い飛ばす社会性のあるキレの良いコントとなりましたスカジャンが大学生の白人富裕層で革ジャンリーゼントが学歴の無い移民労働層でこの2つの層が事あるごとに反目し合いぶつかり合う貧富の差が「階層社会」を生み社会問題となる当時の世相が良く描かれていてこの場面はその様な世相をエンタメ化する為にダイナーの場面をリアルにでは無く「風刺画」的に描写して当時の世相と米国社会に反発しながら行き場のない怒りに非行や暴力という形で世の中にぶつけるしかない当時の激昂する若者を象徴する様なリーゼント、革ジャンにバイクという元カノの息子と「赤狩り」の風潮で失墜した米国に嫌気が差していたインディがそういう因縁で行動を共にする様に描かれていますここで描かれる移民問題も日本では良く理解できないのでこの場面をもう少しだけ深く捉える事が出来る様に掻い摘んで説明します米国の移民の歴史は欧州人によるもので1620年のメイフラワー号での新天地を求めた新教徒が相次いで入植したのが米国の始まりなのでカトリックの教えを強要される欧州から逃れたという理由からして自由な社会を求める米国の精神とは「宗教」からの自由がルーツでありここから芽生えた精神だと言う事が分かりますただ、「メイフラワー号」というワードから始めると「インディアン戦争」やら米英不干渉までの歴史「モンロー宣言」とかとんでもなく壮大な米国の歴史を語らなければならないのでゴッソリと端折りますが・・・w南北戦争やら色々騒乱や変革や戦争を経験して国としての礎が徐々に盤石なものとなって行きますそんな頃、19世紀の後半には欧州の飢饉の影響で食糧難が発生し米国の豊かな土地を求めてアイルランド系の移民が入植して来ますやがてイタリア系、ロシア系、ポーランド系の移民も入植して来て人種のるつぼ米国が形成されて行きます後期には北米戦争が起きてスペインが敗北した関係でスペイン領だったプエルトリコが米国の植民地となりますがこのプエルトリコは1950年に独立運動が激化し武力蜂起が起こり国が乱れた事でアメリカはプエルトリコの安定の為に「コモンウェルス」と呼ばれる自治領化を認めて経済的独立を推進し自国で国内生産をまかなえる様に資本を誘致して工業化を進めるのですが雇用にあぶれた人々が結果として次々と米国に移民する事になりますこれがプエルトリコ移民です■この様に移民として入ってきた様々な国の人々の多くが学も技術も無く未熟練労働者として働いたためその様な低所得層がスラム化して都市中心部で移民によるスラム街が形成される様になりますこの様な移民が元から居た欧州系米国人の職を奪っていく事に不満を感じた事が「移民差別」の「核」となって行きますそうして先輩移民から差別を受けてきたアイルランド系移民の後に入ってきたイタリア系移民が次の「差別」の対象となり次に入ってきたロシア系、ポーランド系、やがて中国系移民もその次、その又次、その又又次の「差別」の対象となって行きます最初の後輩移民だったアイルランド系移民は既に米国での地位を獲得していた為と後から入ってきた後輩移民の先輩となった事で「差別」の対象から外れ次に入って来た後輩移民のイタリア系移民が先輩のアイルランド系移民の「差別」の対象になって行きますそうして今度はイタリア系移民が米国内で地位を獲得し「差別」の対象から外れると次に入ってきたポーランド系移民が後輩となり・・・といったこれらの移民が米国での入植してきた順番に地位を獲得して行くに連れて差別からの「一抜け」をしながら次に入植してきた後輩移民を差別する「差別の連鎖」によって「移民の階層化」が形成されて行きますそうして1950年代に移民してきた最下級生後輩となったプエルトリコ系移民は既に差別の連鎖から「一抜け」したアイルランド系、イタリア系、ポーランド系などの上級生移民から一斉に差別を受ける様になり自由である筈の国で受ける、いわれのない差別と「自由の国」とは名ばかりの、かけ離れた階級社会の枠組みに激昂する事になる訳ですハリウッド映画を見てもアイルランド系は検事や弁護士などの知的な職に就く高学歴層として描かれ主演のシルベスター・スタローンのサクセスストーリーとリンクした「ロッキー」でも、イタリア系移民の米国に於ける若干の地位が見て取れる様に「インディー4」での1957年という時代にリーゼントに革ジャンにバイクで低所得層のスラム街で激昂するダイナーで富裕層と衝突して怒れる若者となるのはつまりはそれら移民の最後に入植してきたプエルトリコ系の移民だと言う事が分かる訳です▲目次へ▲■本作が「1941」のリベンジである理由とは?■■インディが息子の運転するハーレに同乗する事で私達は彼らの目線で当時の米国の姿を垣間見て発展する街並みの影で虐げられる人々が居る事を物ともしない理不尽の象徴の様な「当局」と一戦交えながら図書館に乱入した時に「書には真実はない街へ出ろ」と「レイダース」では大学で講義した時とは真逆の事をインディが叫ぶ場面があるのですがコレは純粋に「レイダース」をネタにしたパロディーである事以外に何か「違和感」の様なものを感じた訳ですこのセリフは言い換えると真の問題とは映画の外で起こっている事であると示唆しているのでこれはスピルバーグがスクリーンを通して「1941」のリベンジが叶った事を声明したそんな特別な場面だったのでは無いかと思った訳ですこれはどういう事かと言いますとこれは私の・・・「私見」で、根拠はありませんが1975年公開『ジョーズ』で世に出たスピルバーグは1977年公開『未知との遭遇』に続く大作として1979年に真珠湾攻撃前夜の米国の小さな海辺の街を舞台にしたコメディー『1941』を公開します当時関係者の誰もが企画に難色を示し出演予定だった大物俳優のチャールトン・ヘストンやジョン・ウェインが相次いで病気を理由に出演を拒否し「非愛国的」とまで言われながら成功を信じて疑わないスピルバーグは撮影を決行し映画は公開されます結果、世界的には大ヒットとなりますがスピルバーグの思惑とは裏腹に映画は全米の半分の層に批判され内容的にも叩かれて国内では制作費にも僅かに満たない有り体に言えば興行的失敗で幕を閉じますこの映画が失敗した要因は笑いがスベっていてダメ映画になっている事が失敗の原因だとしても真珠湾攻撃からまだ38年しか経っていない当時の米国でそれをネタにコメディーにした映画化であった事自体がタブーでありこれは2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件に対して「911」というタイトルでコメディー映画を撮る様なものだと思えば「タブー」の意味が理解できると思われそれが最大の失敗の原因だとされて若くして成功し思い上がっていたスピルバーグがこの件で学び後にそういう心情も汲める様に謙虚さを覚えたという話でしたが「1941」の失敗の原因の一つだった「お笑いが苦手」という点は「レイダース」の成功で克服したので、それは置いておき・・・もう一つの原因の「企画そのものが米国ではタブーだった」という点に付いてはおそらくスピルバーグは「1941」ではやり方を間違ったとは思っていてもタブーネタを笑いにする事は間違っていなかったと心の底でズット思いながら、間違ってもそれは絶対クチにはしない様にしてこれまで歴史を知る当事者が事実を突きつけられる事への「心情」を考慮しながら米国の黒歴史やタブーを取り上げたシリアスな映画を撮り続けて来たと思うので人は「真実」によって心が揺さぶられるという映画のセオリーが「シリアス」にも「お笑い」にも通じるという事を何度もこの目で十分すぎる位確認してきた所で今回「お笑い」の場面に米国の黒歴史である「移民問題」を取り入れインディが元カノ息子にスカジャンの若者を殴らせた事が着火剤となりダイナーでスカジャンと革ジャンの層が真っ二つに分かれて移民問題が爆発するという乱闘場面へと発展する様が「1941」での兵隊同士の乱闘場面を思わせるものがあった事からも「移民問題」という普通なら笑えない様なデリケートな社会問題をネタにしてそれを笑いに転嫁させエンタメ化する事に成功させた事になるのでスピルバーグ的には「1941」への満を持したリベンジを行ったのでは無いかという印象を持った訳です根拠としてはスピバーグは過去何度も米国の「汚点」とも言える題材を作品として取り上げてきましたがその切り口は常に「これをどう乗り越えるのか」という問いかけが「核」になっていたと言えますつまりスピルバーグはこれらの問題は常に「乗り越えられる」と思って映画を撮っているのでありそれは「1941」の時に若きスピルバーグが米国はどんな痛みも必ず乗り越えて笑い飛ばせる位の力強さがあると信じて周りの反対を押し切り映画化した時のその思いそのものでもあると言えますそういう「自由の国米国」の「自由」に生きられない「生きにくい」世の中の時代を舞台にした本作に「自由の国」と言いながら「タブー」がありそれを「自由」に語れなかった「生きにくかった」「1941」制作時の若きスピルバーグが叩かれた世の中を投影させて問題は隠さず外に出す事で乗り越えられるという持論を若い息子の運転するバイクの後ろにまたがる年を取ったインディーのセリフに乗せて長年の鬱憤を晴らす様にスクリーンを通して訴えたと言う事だったのかもしれません▲目次へ▲■インディがシルエットで出てくる意味■ペルーのオレリャーナの墓でKGBに拉致されたインディーがアマゾンのジャングルまで連行されテントの中で尋問される場面でKGBが盗み出したロズウェルの遺体からクリスタルスカルを抜き出す所で椅子に縛り付けられたインディーが薄いカーテン越しからそれを観ている時インディー越しに巨大なインディーのシルエットが重なって映し出されるというシーンがありましたこのインディーのシルエットは第一作『レイダース失われたアーク』での序盤マリオンが経営する酒場でも見られ閉店した店内に訪れるインディーのシルエットがマリオン越しに映し出されるというのがありましたこのインディーのシルエットが何を意味しているのか ですがこれは インディー・ジョーンズの群像 を意味したもので眼の前に居る「人間インディ」では無くて考古学者で冒険家で腕っぷしの強いハンサムで男らしい「ヒーローインディ」の姿を表したものだと言えますレイダースでマリオンの後ろに映る巨大な影となったインディーの場合はマリオンが10年前の無垢だった頃に 好きだったハンサムで男らしくて頭も切れるヒーローインディーが今もマリオンの中に巨大な影の様に居続けて心を蝕んでいるという事を表現したもので実際に映るインディは締まりの無いニヤけた笑いで登場しシルエットとなった格好良いインディとは随分な「ギャップ」を感じる事からも眼の前の、中年になったインディーから感じる10年という月日に対してもマリオンの怒りは収まっていない、今も現在進行中である事を表現してる事が分かりその後インディーが求めるアイテムを所有している事に対してマリオンが尊大な態度でイニシアチブを取るのも帰り際のインディが 影で黒ずんだ中、眼にだけ光が当たるのも大学の教授としての人間インディーでは無くヒーローインディーにスイッチが入ってマリオンの前に現れた現在のインディーとマリオンの中で巨大な影となったインディーが重なって「同化」しているという昔のインディも今現れたインディーもマリオンにはどちらも憎悪の対象という意味といくらニヤニヤ笑いながら登場してごまかしそうとしてもインディーの師でマリオンの父親のレイブンウッド教授と仲違いした事が去った理由だったとしても教授はその後ネパールで亡くなり父親と同行し一人そこで取り残されここを去る費用も無く留まるしか無くなったマリオンを長年苦しませ続けた過去からは逃れられないインディーにのしかかる「罪」という意味がある訳ですインディーの光が当たった「眼」は新たな発見を求めて探求を続ける旅の影で常に誰かが犠牲になっているヒーローインディーの中の人間インディーが感じている昔も今もインディーを憎悪し続けるマリオンへ向けた「贖罪」の現れを表しているものだと言えますそして『クリスタル・スカルの王国』でのロズウェルの遺体を観るインディーに重なった巨大な影は今や年を取った人間インディすらも持て余す程巨大なレジェンドとなったヒーローインディーの姿であり「失われたアーク」や「キリストの聖杯」などのアイテムを価値ある歴史的遺物として追ってきたのは「人間」も「ヒーロー」も同じインディー・ジョーンズであっても寄る年波には勝てなくなり昔は父親ヘンリーを乗せて運転したバイクも今は逆に息子が運転するバイクの後ろに乗せてもらう身となり理解できない事は無理に理解に努めず何かと折り合いを付ける様になった年を取った現在のインディーと理解できない事でも真実にたどり着く為に正面から立ち向かって時には力技で突き破って来たヒーローインディーとの対比を表した場面だと言えますもう一つは・・・「レイダース」の冒頭で当局の職員と学者がアーク探索を依頼する場面があるのですがとある重要な無線を傍受したと語る蝶ネクタイの職員と余計な情報を言わない様に時折口をはさみ噛み砕いて説明するスーツの職員という細かい心理のやり取りで場面に緊張感を漂わせてながらインディーの口から「アーク」というワードが出て本作の柱となる重要なアイテムの解説に話が移る時これを追っているんだとばかりに目を輝かせ身を乗り出しオカルト好きなあのヒトラーが追う程のアイテムだから絶対に価値のあるものに違いないと語るスーツ男が一概には信じられないという口調の蝶ネクタイの男を「それ見ろ、やっぱりあるだろ」という顔で見たりそうは言ってもそんな雲を掴む様な話で調査を依頼するのは問題があるのではという顔で一瞬当局の男の顔を見る蝶ネクタイの男という見えない心理を演じる二人の役者のやり取りの芝居が中々良いのは・・・置いておきwそんな二人の温度差とは別にアーク捜索には前向きで物凄い歴史的価値を見出していてもアークの奇跡の力を半笑いに語るインディーは単に価値ある遺物の発掘の旅に出られる事を喜んでいるだけでオカルトとか奇跡の力とか宇宙人とか全く信じていない事がこれで分かりますつまり、もう一つの事というのはそんなインディーが、毎回これらのアイテムが引き起こす奇跡の力を目撃して来て今回も宇宙人の死体を目の当たりにしてアイデンティーが揺さぶられてそんな訳無いとあくまで事実を否定する人間インディーとこれまでも今回もアイデンティティーが揺さぶられ続けているヒーローインディーとの巨大な葛藤を巨大なシルエットによって表現しているものだと言えますこの様な心理を表現する為には通常はセリフにして芝居の中に落とし込むのが基本なのですがその心理状態が複雑であればある程表現するセリフも場面も複雑になりとうてい子供がついて行ける様なものにはならないので子供も鑑賞できる痛快アクション映画には不向きとなってしまいますしかしそういう場面をカットすればカットしたで今度は子供だましな映画に成り下がるジレンマが起こる訳ですこれを中途半端にやるとどうなるかと言いますと2000年に公開された織田裕二主演のアクション映画『ホワイトアウト』の様に中村嘉葎雄演じる警察所長の洞察力が名探偵コナンよりも鋭すぎて映画では全編置いてきぼりにされますダムを決壊しようと企てるテロリストの目的を一人感知して大事な捜査資料の地図に良く分かる様にばーっとお茶をこぼして説明する余計なパフォーマンスをしてみせるこの名探偵所長の暴走ぶりはまだ序の口で・・・wそれはクライマックスを過ぎたかつて仲間の石黒賢を救出出来なかった負い目を抱えて山岳救助隊を続ける織田裕二が石黒賢のフィアンセ役 松嶋菜々子の巨体を背負いながら下山して生還するラストの場面でもう自分が背負って救おうとしているのが松島なのか過去に遡って救えなかった、石黒賢の方なのか意識が混乱して分からなくなる位、瀕死で意識を朦朧とさせて皆に見える位に山の稜線を越えて下山する頃にはすっかり石黒賢を背負っている気持ちになっていてそんな必死に助け出そうとする織田裕二の姿を見て中村嘉葎雄は全てを超能力の様に察知して感極まり「彼は間に合ったっつ!!!(泣)」ともう誰もこのコナン所長を止める者は無く一人で場面を持っていきフィアンセを置き去りにした事をずっと恨んでいた松嶋菜々子も号泣し と斜め上の感動を力技で降臨させるというTV出身の監督若松節朗の執念の演出が炸裂しますが・・・まあ気持ちは分かりますが、色々端折ってません?・・・という感じでwこれまでの日本映画には無い日本人が抱く「ヒーロー像」を描きミッション・インポッシブル・シリーズの様な激しいアクションを主役にした映画を目指しながらラストの締めが短い間に盛り込み過ぎで描き足りなくて観ている方が色々脳内で補完して観なきゃいけないという余りに映画ファンの善意に甘えた演出過ぎて・・・ハナから「ポカ~ン」する子供は無視するという日本が変にアニメの鑑賞年齢層が高い弊害からなのかこういう事が邦画に良くあるのは良くないなあと思いながらまあ結構好きな映画ですしまあ大ヒットしましたし・・・wそういう中途半端が無いハリウッドは年齢層を下げる場合は徹底的に脚本を見直して子供がついて行けない場面は全カットするので大金で制作されたアクション映画に駄作が多いのは年齢層を高い収益が見込まれる10代まで下げて内容を薄くしている為だと言えますスピルバーグはこれらを本編の中でセリフの芝居で扱うのでは無くてこの様な光と影を使った演出で場面の中に「漂わせる」事で目に見えないものを浮かび上がらせながらエモーショナルな場面として奥深い印象を与えるというスピルバーグの演出の妙を見る思いがありました■▲目次へ▲■マックがウインクして大丈夫だと言ったのは?異次元へのゲートが開いた映画のクライマックスで異世界人が作った遺跡が動き出して何もかもが異次元ゲートへ吸い込まれ始めた時何度もインディーを裏切ってきた元相棒のマックは未だ宝物に執着してかき集ていたのですがその場所が異次元に吸い込まれはじめてマックは足を取られうつ伏せのままとなり動けなくなってしまいますインディーがムチを投げて掴ませて救い出そうとしますがその時なぜかマックはウインクして「大丈夫だ」といい笑顔を見せます周りはどんどんゲートに吸い込まれてインディーは必死でマックを救おうとしますが宙に浮いた状態となったマックは掴まっていたムチから手をパッと離し異次元に吸い込まれて行ってしまうのでしたという初めて観た時、なぜウインクして「大丈夫だ」と言ってムチから離した手も、たまらず離したというよりは自らの意思で手を離して異次元に吸い込まれた様に見えたのでどうしてそんな自殺行為をしたのか意味が分からなくてずっと頭の中に残っていました映画を観る限りからしても自業自得というギャンブルで莫大な借金を抱えた末返済の為親友を裏切り次から次と宿主を変えては自分の利益を求めてきた日和見主義な人物の末路と言えますのでその借金に付いて『マジでヤバいんだ』と言っていたのでかなり怖い筋から借用した莫大な額であれば無事帰還した所で返す金が無ければ命は無い事は分かっての「自害」という意味があったとしてもこのやり取りって何の時間?と意味不明で、それだけに頭に残るスピールバーグ作品にしては珍しくミスリードさせる奇妙な場面と言えましたというわけで 改めて検証した所・・・日本語字幕・吹替では分からなかった英語のセリフに真意がある事が分かりましたので順番に解説したいと思います■行動から理由を「仮定」■簡単に言えば「覚悟の自決」なのですが事の真相はそう単純ではありません実はスピルバーグはその様な込み入った事情を少ないセリフと演技とエモい演出で全てを汲んであの短い場面で見せていたのでチョッと長くなりますが飛ばして読むと分からなくなるので順番に読んで行ってください・・・wさて、まずこの場面の「状況」から見てみますとゲートの影響がマックの居る所まで及ぶと衝撃でマックは足を取られて床に仰向けに倒れますこれはゲートが周りのものを「吸い込んでいる」からではありませんこれはゲートからの何らかの力が「重力」として神殿の中に及ぼしてその影響が地球の重力を越えて強くなった事で重力値が大きく変わりそれまで「床」に向かって「下」に働いていた重力の向きがゲートからの力が発している「クリスタルスカルの間(ま)」がある方向に変わってしまいマックはおろか、その場にある壁も床も柱も宝物も何もかもその方向に向かって 落下している のでありそれが「吸い込まれている様に見える」訳でなぜマックが立てないのかインディーが『立て!』では無く『足を使え!』と言っている理由もこれで分かりますという事でまずこの場面のマックの「行動」はこのままではすぐにインディーも周りもろともゲートに向かって落下する事になってしまうので直前で『ジョーンジー』と親友だった時の呼び方でインディーに呼びかけ直前でウインクして「今は親友のマックだ」と合図をして親友のインディーを巻き込まない意思を伝えて一人犠牲になる事を選んだ のではと状況的にそういう流れだろうと「仮定」して次にその「根拠」を見つける為に問題の「セリフ」を検証してみます■英語のセリフの中にあった行動の「真意」■ここでのセリフですが字幕ではインディーがマックにムチを投げて『つかまれ!』ムチをつかんだマックに向かって『踏ん張るんだ!』となっていますするとマックはインディーを親しげに『ジョーンジー』と言った後ウインクして『大丈夫だ』と告げるとムチから手を離してゲートに吸い込まれるというのが字幕での流れでしたちなみに吹替はもう少し突っ込んだ表現をしていて『足を使え!俺一人では無理だ!』と叫ぶインディーに『ジョーンジー』と告げて・・・この後のセリフですが・・・落ち着いた口調で『俺なら大丈夫だ』と言いゲートに吸い込まれていくという字幕では感じられなかった意味ありげな口調が加わっているので見方によっては、何かの影響で頭がおかしくなっている様にも取れる場面になっていてそれがますます意味不明に感じる訳です従ってここから考えられる事はこの場面のセリフの真意が「英語」だから伝わる事だったとしたらそれを「日本語」のセリフで何とか説明したくてあの様な意味不明な状態になった・・・そんな印象がありますそこでこの場面を「英語」で見てみますまず最初マックにムチを投げたインディーの英語のセリフは『Grab it !』で字幕は『つかめ!』なので、意味は同じだと分かりますその次の『Use Your Legs, Mac. I can't do it alone !』ですが吹替では『足を使え!俺一人では無理だ!』で完全な翻訳になっていましたが字幕の『踏ん張るんだ!』では先程「■吹替版が字幕版より格下?■」の所で語った観客が画面を観ながら一目で読める様にする余りいろいろ端折っているのが分かりますそして問題の日本語字幕『ジョーンジー・・・大丈夫だ』ですが英語のセリフは『Jonesey! I'm going to be all right.』となっており通常『大丈夫だ』と訳される『I'm all right.』とはかなりニュアンスが異なっている事が分かりますつまりここで注目すべきは『going to be』で・・・ああこれは『will be』という形にも置き換えられると学校で散々習った 未来形 というやつだ・・・とここで遥か遠き忘却の彼方にある学生時代を思い出す訳ですw正にこの「置き換えられる」と習った昭和の日本の文部省が制定した「ゆとり教育」よりもタチが悪い「ザックリ英語教育」のセイで大学を出ても英語が話せず、アメリカのマクドナルドでも『Potato Please』と注文して『Why?』と言われたという人間を続出させたという「罪」があると思っているのですが・・・wそれはさておきそもそも『will be』と『going to be』は言葉が違うのですから意味も違うのは明白なわけです学校では『will』は「~するつもり、~だろう」と習いましたがこの訳では意味が「やる気半分」位か「するつもり~www」という全くやる気が感じられない言葉としか受け取れませんそもそも「will」本来の意味は 強い意思の「即決」で確実にそれをやる意思を「今」見せている時に使うので語っているのは「未来」の事かもしれませんがそれで「未来形」などという「フワッつwww」とした要素は、実はどこにもありません『going to be』の方はもっと熾烈で既に「過去」に決断しているというニュアンスがある時に使う言葉になりむしろ「未来形」の要素とは程遠いものがあります昭和の英語の勉強では、同じ「医者になる」を「I will become a Doctor.」から「I'm going to become a Doctor.」に言い換えられるみたいに習いましたがI will は「今、医者になると決断した」事に対してgoing to は「ずっと前から医者になると決めていた」事になるのでこれらは全く違う意味の言葉なのですしかも厳密には「未来形」は無いので「I will を going to be に言い換えよ~w」などという昭和の英語教育はとんでも無い話だった訳です・・・という、当時の文部省に色々言いたい気持ちはとりあえず置いておき・・・wこれらの英語がネイティブでは無い日本人には理解が難しい「英語の言葉の意味のコア」に焦点を当てて改めてここでのセリフを検証してみるとこの場面のマックのセリフですが『I will be all right.』であれば、今の状態に対して言っている事になるので字幕通り『俺は大丈夫だ』になりますしかし『I'm going to be all right.』だとずっと前から大丈夫だった事になるのでこの場合の『大丈夫』とは何を指しているのかが重要になって来る事が分かりますつまり『大丈夫』なのは「この後起こる事」に対してでありこの後自分の身に何が起ころうと『大丈夫だ』とマックは言っている事になります更にはそれを「今」思ったのでは無くてそれを「ずっと前」から思っていた訳なので『いつかこんな目に遭うという事はずっと前から分かっていた』という意味がある事が分かりますつまり、重複しますが先程「行動から理由を仮定」した所でも語った様にギャンブルで莫大な借金を抱えた末返済の為親友を裏切り次から次と宿主を変えては自分の利益を求めてきた日和見主義な人物の末路と言えますのでその借金に付いて『マジでヤバいんだ』とも言っていたのでかなり怖い筋から借用した莫大な額であれば無事帰還した所で返す金が無ければ「命は無い」事は分かっていていたとして同じ「死ぬ」でもこのままでは自分を救おうとして決してムチの手を離さない親友を巻き込んでしまうので「親友を巻き込まない」という事なら意味があると考えて覚悟の「犠牲」を選んだという事であればこの言葉の意味が理解できますしこれをもっとピッタリとハマる言葉に意訳すると『これでいいんだよ』となりインディーを親友だった時の呼び方の『ジョーンジー』と呼んだのもウインクして『俺は大丈夫だ』と言った意味もムチをつかんでいた手をパッと離した意味も説明出来長年モヤモヤしてきた事にもこれで納得が得られます只そうななりますと「もう一つの可能性」が出てきましてw同じスピルバーグの映画に未知の力に招かれて「デビルズタワー」に訪れた主人公がETとの遭遇を果たして宇宙に旅立って行く壮大なSFファンタジー作品の『未知との遭遇』というのがあったのですがこの場面もひょっとしたら同じ意味があったのかもしれないと思った訳ですつまり、この時のマックが異世界人の放つ何かを受けて『未知との遭遇』の主人公の様に「異世界が俺を呼んでいる」とクリスタルスカルの異世界人が自分を招いている事を感じて「おれは大丈夫だ」と言ってどうせ生還しても反社会の連中に殺されるのを待つだけならとムチを掴んだ手を離して「死ぬ」のでは無く異世界人に招かれるままに異世界に向かって旅立って行ったという事ならオックスが言っていた「とても大きな贈り物」が「異世界人の世界へ地球人を招く事」だとして図らずもマックが選ばれてああして旅立って行ったという事かもしれませんそうして『2001年宇宙の旅』で 四次元宇宙に旅立って行ったボウマンの様に、「神」となって再びこの宇宙に戻ってくるかどうかはわかりませんがwそうなりますと「イリーナ」は不合格で焼け死に「マック」は合格となり「当局の軍人」はダメで「詐欺師のスパイ」はOKという異世界人の判断基準はどうなっているのか良く分からないものがありますこれに付いては「東京ディズニーランド」のアトラクション『クリスタルスカルの魔宮』でのクリスタルスカル異世界人の設定が話題になった事があってそれによりますと異世界人が怒った時のセリフが「無礼者」「愚か者」「消え失せろ」「不届き者」と4パターンあるそうでその怒る理由というのが「(アトラクション中)水で身を清めなかったから」「(アトラクションの)車のエンジン音で静寂を破ったから」だそうでwこれが映画に当てはまるかどうかは又別の話としてともあれ実は「かなりの良い場面」だった事が分かります因みにこの後ですが「ロード・オブ・ザ・リング」でエルフ族の高貴な人物ガラドリエル役を演じた事でも知られるケイト・ブランシェット演じるKGBの大佐イリーナが異世界人の事を知りたくて心にリンクして異世界人の心を読み始めた時一人の人間の記憶には収まり切れない膨大な情報と知りたく無かった驚愕の真実などがドッと押し寄せてきて頭が破裂しそうになった時イリーナは『もうやめて!』『お願い もう見ないで!』と叫び吹替では『もういい!』『消して もう消して!』と叫び字幕では『やめて!』『もうやめて!』吹替では『もういい!』『見たくない!』と言った後突然異世界人が「んだとーっつ!? お前が見せろって言ったんだろがー!!!」とガン付けてきてw異世界人の顔が画面いっぱいにUPになるとイリーナの目から炎が上がり、燃えて無くなってしまうという壮絶な最後を遂げるのですがこれにしても言語では『No more!』『Cover it. Cover it.』『Enough!』『Enough!』なので『No more!』が『もういい!』は 良いとして『Cover it. Cover it.』は「それを覆って」と自分の意識に入って来ない様に その記憶は隠してくれ私に見えない様にカバーしてくれ私には見せないでくれと言っている訳なので吹替の『もうやめて!』は、意訳過ぎで字幕の『お願い もう見ないで!』だと、意味が逆になります最後の『Enough!』『Enough!』は「(もう)十分だ」という意味に対して字幕は『もういい!』『消して もう消して!』と『Cover it. Cover it.』を補完するような意訳になっていますが話している言葉としての整合性に欠けます対して吹替の『もういい!』『見たくない!』も同じ様に 補完する様な意訳になっていて『Enough!』というセリフが「拒否」の意思に対する「十分だ」という「理由」を言っている事に対して『見たくない』という、本編に無いセリフで「具体的」に述べて肝心の「理由」を述べてない所に翻訳に問題ありという印象がありますこの様なチグハグで意味不明な翻訳になる理由は「セリフを勝手にいじれない」縛りにあると思われますが特に吹替翻訳のチグハグさの原因は吹替脚本家の翻訳にある、というよりは先程の『■声優交代劇の舞台裏■』の所で語ったまた例の「業界で著名なアジア人責任者」の責任なのだとしたなら長年インディーの吹き替えを担当してきた村井國夫をクビにしただけでは飽き足らずここでも日本語を蔑ろにする様な日本語版制作をしていたのが本当ならイリーナみたいに目から火を吹きだして怒りが再燃する思いがします・・・w■▲目次へ▲■神殿の生命体はなぜイリーナを殺したの?■クリスタルスカル異世界人の骸骨が祀られているアケトーの神殿の間(ま)でクリスタルスカルの生命体が蘇りこの後このイリーナは この生命体に睨まれて内側から燃えて消えて無くなるのですがなぜ生命体はイリーナを殺したのかが映画では明確に描写がされていなくて分かりづらくなっていますまあ「悪人」だからなんですが・・・wという訳で、クリスタルスカルの生命体はどうしてイリーナを焼き殺したのかを理由を探ってみますまず、あの神殿は映画では 遺跡 としてインディー達が来るまで何も機能していませんでしたが元々はクリスタルスカルの骸骨が祀られた神殿だった訳です遺跡の中には宝物が沢山ありましたがおそらく「献上品」として置かれたものだと思いますそして献上する理由は当時の人間達が彼らを「神」として崇めていたからだと言えますあの様な宝物を献上するのは「奇跡」を起こしてくれた「御礼」なのか未知の力に対する「畏怖」からか映画では7000年前ウーガ族が巨大な黄金都市を建設し道路は舗装され、水道が引かれるなどギリシャ時代に確立された技術を5千年前に先取りして取り入れ、これよって民族は繁栄し以降、スカルの異世界人は叡智をもたらした「神」として讃えられて来たという経緯があったとされていますそして16世紀にスペインの探検家オレリャーナがこの都市を求めて探検した時スカルと財宝を持ち去り途中探検隊全員が謎の死を遂げ原住民にスカルごと埋葬されたとありそのスカルをアケトーの神殿に戻すと「スカルのパワーが身に宿る」という伝説からイリーナ達とインディーとの争奪戦となったのが本作という訳ですそのスカルをオックスが見つけてアケトーの神殿にスカルを一旦は戻すのですが「スカルのパワー」が精神を破壊する武器として「超能力戦争」を夢見たスターリンの様な時の権力者達の手に渡り兵器として「悪用」される危機を感じてオックスは再びスカルをオレリャーナの墓に戻しスカルのパワーが人間の心を支配するパワーだと信じるイリーナ達がそれを知って オックスを追いオックスはイリーナ達に狙われている事を知ってスカルを隠した場所を記した暗号の手紙をマリオンに送りその手紙を解読して貰おうと息子がインディーと接触しイリーナ達はマリオンの息子がインディーと接触する所を狙って互いにスカルの在り処を求めて最終的に辿り付いたのがアマゾンの失われた都市の伝説のアケトーの神殿だったという訳ですあの異世界人の生命体は何体もの椅子に座ったクリスタルスカルの骸骨が合体して一体になったものでしたイリーナは「彼らは集合体だ、体は分かれているけれど同じ意識で繋がっている」と語り「意識が一つになれば強力なパワーとなる」と言っていましたので元はあの様な形で「分裂」して存在していた事になりますかつてロズウェルで見つかった宇宙人も「合体」を目的にアケトーの神殿を目指したのかクライマックスでスカル達が一つに合体して一つの肉体になるのは、そういう事なのですがではなぜ こんな風に「分裂」しているのでしょうかこれは「想像」というかいつもの「妄想」が混じったウチの「解釈」ですが多分この異世界人は「四次元」的多元宇宙に属する生命体で3次元のこの宇宙では そのままの姿で存在できない「全時間的存在」で、時間が過去から未来へ一方向に一定の速度でしか進まない時間が空間を司る3次元宇宙ではどの時間にも存在する多次元世界人は3次元宇宙では存在を時空の一点で「点在」させる必要がありあの様な分裂した姿で存在させたのかもしれませんそうして一つに合体した途端神殿が崩れて元いた世界に戻って行ったのもこの世界に点在する分身が一つとなる事がスカルの異世界人の目的だったのでしょうそしてこの生命体は「分身」しても存在出来る事からそれぞれの体がこの円形に時計的に配置された座席に座って中心に来た人間の話を聴き願いを叶え、聞き入れてもらえた人は御礼に宝物を献上するというシステムになっていたのでしょうかしかし宝物は倉庫化しているのでこの生命体は地球の宝に何の価値も見出していない事が分かりますおそらくこの生命体にとっての価値あるものとは人間の「記憶」そのものなのではないかと考えられるものがありますイリーナが生命体とリンクして知識を得ていた事が何よりの証拠なのですがではなぜ生命体はイリーナを殺したのか です先程も触れた東京ディズニーランドのアトラクション「クリスタルスカルの魔宮」の設定では体を清めないと怒りが下りやかましい車の騒音でも怒りが下りという設定があるらしいですwなので 何かしらの「無礼」をした事が「逆鱗」に触れた可能性が考えられますただオックスの様に 礼儀正しく接すれば「すばらしい贈り物」もしてくれる様でその「贈り物」にあたるのが膨大な知識そのものだった訳ですイリーナはスカルが分裂していた状態ではスカルの異世界人の知識が入って来る事に狂喜乱舞していましたが合体を始めると苦しみ出しましたつまり、元々スカルは何体にも分裂して存在していた事からこの様な知識の譲渡は一人の人間にするのでは無くて何人もの人間に「分割」して与えてきた様な匂いがあります又、この神殿を良く見ると願いを叶えてくれる場所という見方以外にも何人もの審判に囲まれた被告が立つ裁判所の様にも見えるものがありますつまりあの場所は人類に叡智を与える場であると共にあの時のイリーナの様に審判の後、有罪が決まれば刑が執行される人が裁かれる場でもあったのかもしれませんそもそもアケトーの神殿を立てた民族は16世紀には既に存在して居なかった訳なので自滅したのかもしれませんが「逆鱗」に触れて滅ばされた様な匂いもありますあの時のイリーナは「分身」している生命体「単体」からそれぞれ「情報」を得ていましたが生命体が合体を始めた途端 膨大な情報で頭がパンクして止めてくれと苦しみ出しましたおおよそ一人の人間が受けるには耐えられない程の恐ろしい量の「情報」と巨大な重さを持つ「真実」とが心の中に濁流の様に押し寄せたのだと思いますそしてその中で時を越えて何千年、ヘタをすれば何万年も存在続けて知り得た宇宙の「真理」を見たのかもしれませんそうしてイリーナは同時に生まれては消えてを繰り返す、文明の営みや知識の「崇高」の極みや底しれない「邪悪」の根源まで全てにアクセスした末に「見たくない」状態になったのでしょうかそれは自分がこれまでやってきた「殺戮」や「悪業」の記憶に重ねられていっぺんに白日の元に晒された様な耐えられない衝撃だったのかもしれません一方、イリーナがスカルの生命体にリンク出来たのですから生命体だってイリーナにリンク出来る訳です生命体にアクセスして何万年分もの膨大な情報がドッと押し寄せて頭がパンクしたイリーナとは違い大量の情報を何体にも分けて分割保管出来それらを共有出来るスカルの生命体はイリーナの記憶から邪悪な権力者がパワーを悪用しようとしている事の他イリーナのこれまでの人生に一瞬でアクセスしイリーナのこれまでしてきた数々の殺戮や悪業を知った上で「お前、悪人か?」と顔を寄せてきたとしたらそんな悪人が「すばらしい贈り物」となった「異世界人の知識」を誰にも分けもせずに一人で得ようとした事に生命体の「逆鱗」に触れてアケトーの民族が滅んだ時の様に「死刑」が執行されたという事なのかもしれません▲目次へ▲■SFはインディ映画らしくない理由とは?■■今回の「異世界人」と「エリア51」が登場する設定は神秘ミステリーアドベンチャーな本シリーズ的には異色な展開でしたがこれはジョージ・ルーカスに「レイダース」では謎だらけで終わったラストの「市民ケーン」的倉庫を本作では「エリア51」の倉庫だったという事にしてそのまま「宇宙人」の遺産を巡る物語にするという構想があったからでこれに付いてはスピルバーグとハリソンがインディージョーンズらしくないとして反対し実現するまでには紆余曲折したという経緯があった様ですそれがなぜ通ったかと言うのは、「宇宙人」の設定に難色を示していたスピルバーグを何とか説得できないかと考えたルーカスが、ある日良い考えを思いついたとスピルバーグに連絡して来て「宇宙人では無く異世界人なら良いアイデアだろ~w」と嬉々として迫ったらしくそれで遂に根負けしたという事らしいですwなのでラストでグルグル回って帰って行った時に天空に開いたアレは異次元への扉で連中の乗り物は「宇宙船」では無く「空間移動船」で彼らも「宇宙人」では無く別次元に住む「異世界人」ですwこの「異世界人」というSF設定がインディージョーンズらしくないとして映画ファンに不評を買うのですがこれまで描かれてきた「神の力」や「神秘」はOKで「宇宙人」はNGというのは神秘とミステリーとアドベンチャーがインディー映画であってSFはそうでは無いという線引きがある事を意味しています実は映画の中でもインディーは「神秘の力」を「迷信」だと考えていてそれは「レイダース」でも「最後の聖戦」でもセリフとして言及しておりますそんなインディが毎回、神の奇跡の様な神秘を間近に見てきて今回も超能力を持つKGB士官と対峙して信念が揺れるインディが描かれて来ましたそうして一瞬でも「奇跡ってあるのかも」と思わせる外連味がインディ映画の醍醐味だったと言えますCG全盛となった今では「レイダース」のオプチカル合成による特撮場面はいささか古びた感は否めないものがありますが「レイダース」のクライマックスとなった「アーク」の奇跡の場面は劇場で鑑賞した当時は衝撃的で鑑賞後はショックで軽く怯えていた事を覚えていますこれはSF作品が常に全ての事が「空想」ではあっても「科学」で説明が付く「理屈」で成り立っている事に「安堵」して捉える事が出来る性質とは異なり神秘ミステリーアドベンチャーがこの世に存在する「不思議」をベースにした「理屈抜き」で成り立ち、信念が揺らぐ「恐れ」に醍醐味がある「未知への探求」だからだと言えますつまりSF作品の持つ「驚異の科学」が「想像力」で成り立ちそれが如何に「実存感」に繋がるかという所に醍醐味があっても神秘ミステリーアドベンチャーが持つ「未知」の物に対する「恐怖」と「憧れ」が冒険活劇の「核」でもある所に冒険物語のインディージョーンズシリーズには「神秘ミステリー」が似合う理由があるのだと言えるのでしょう☆---------------------------------------------------------------------------------------------------インディー・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull■監督:スティーヴン・スピルバーグ■脚本:デヴィッド・コープ■原案:ジョージ・ルーカス/ ジェフ・ナサンソン■原作:キャラクター創造:ジョージ・ルーカス/ フィリップ・カウフマン■製作:フランク・マーシャル■製作総指揮:ジョージ・ルーカス/ キャスリーン・ケネディ■出演者:ハリソン・フォード/ ケイト・ブランシェット/ カレン・アレン/ シャイア・ラブーフイゴール・ジジキン/ レイ・ウィンストン/ ジョン・ハート/ ジム・ブロードベント■音楽:ジョン・ウィリアムズ■撮影:ヤヌス・カミンスキー■編集:マイケル・カーン■製作会社 :パラマウント映画/ ルーカスフィルム/ ザ・ケネディ/ マーシャル・カンパニー■配給:パラマウント映画■公開:アメリカ 2008年5月22日/ 日本 2008年6月21日■上映時間:122分『新作はルーカスの居ない最初で最後のインディ映画となったケドスピルバーグが単独プロデュースしたTVドラマってほとんどが打ち切りになっているんだよなあ・・・』【Blu-ray】インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国[ ハリソン・フォード ]価格:1,650円(税込、送料無料) (2023/6/27時点)■【Blu-ray】ウエスト・サイド・ストーリーブルーレイ+DVDセット [ アンセル・エルゴート ]価格:3,960円(税込、送料無料) (2023/6/30時点)■【Blu-ray】1941 [ ダン・エイクロイド ]価格:1,650円(税込、送料無料) (2023/6/30時点)■【予約商品】 INDIANA JONES インディジョーンズ(2023年6月新作公開 ) - Indiana Jones 6-inch Action Figureフィギュア・人形 【公式 / オフィシャル】価格:5,480円(税込、送料別) (2023/6/30時点)■ドーフマンパシフィック IJ555 Indiana Jones Felt Hatインディージョーンズ モデル ウエスタンハットブラウンオリーブ DORFMAN PACIFIC DPC <LAST CRUSADE>Brown Olive (タグはBRN)価格:14,520円(税込、送料無料) 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2023年06月30日
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【 追悼 ロビン・ウィリアムズ 】疲弊した社会を解きほぐす夢見る愉しさが込められた癒しの娯楽作ジュマンジJUMANJI日本(1996年)104分■ 監督 ジョー・ジョンストン■ 出演者 ロビン・ウィリアムズ/ ジョナサン・ハイド/ キルステン・ダンスト ブラッドリー・ピアース/ ボニー・ハント2014年8月11日、俳優のロビン・ウィリアムズ氏がカルフォルニア州の自宅で死去されました63歳でしたハイテンションな天真爛漫さと重厚なシリアスさを併せ持った唯一無二の稀有な演技力を持った俳優で現場の空気を察知して臨機応変に対応する確かな技術力が裏付けたコメディアン時代に培った即興の演技がずば抜けて優れていた事でも知られるコメディーから人間ドラマまで、様々な作品に出演し 時代をリードして来たハリウッドを代表する大スターでした氏は マイクパフォーマンスのスタンダップ・コメディアンとしてデビューしその後TV界へ進出し全米の人気者となり役者としての実績を積んで行きますロバート・アルトマン監督 (80)『ポパイ』で映画初主演を果たした後は(82)『ガープの世界』(87)『グッドモーニング・ベトナム』(89)『今を生きる』と話題作、問題作に精力的に出演し瞬く間に ハリウッド・スターの仲間入りを果たします話し始めたら止まらないマシンガントークやハイテンションなものまね芸など芸人時代の持ちネタを使った即興芸の巧みさの他に少年の様な人柄を持った人物を演じると非常に光る演技を見せる唯一無二な華のある役者としても映画の歴史に残る 偉大なスターだったと言えるでしょうご冥福をお祈りしますさて、今回はそのロビン・ウィリアムズの少年の様な人柄とハイテンションな演技が最も発揮された作品の一つとしてゲームの世界が現実となって現れる VFXファンタジック・アドベンチャー『ジュマンジ』 をご紹介します☆-STORY-100年前に封印された奇妙なボードゲームを手に入れた少年アランは友だちのサリーとゲームを始める。だが、ボードのメッセージ通りの事が起きた上、アランはどこかに消えてしまった。それから26年後、売りに出されていた屋敷に移り住んできた幼い姉弟ジョディとピーターは屋根裏部屋でそのゲーム“ジュマンジ”を発見する……-解説-■すごろくスタイルのボードゲーム『ジュマンジ』をプレイし主人公達プレイヤーの進めた先のイベントがCGによって映像再現される事が一つの呼び物になったVFX娯楽作品で『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』シリーズの様なダーク・ファンタジー作品に見られる残酷シーンなどの要素の無いスパイダーマンの子役時代のキルスティン・ダンスト演じるジュディ姉弟とロビン・ウィリアムズ演じる主人公アランとボニー・ハント演じるサラとの親子の様に見えるハートフルな関係など、癒やしを求める当時の世相にマッチした明るく快活で楽しいご家族で愉しめるファンタジー・アドベンチャー映画です本作の最大の見所は(91)『ターミネーター2』で注目され(93)『ジュラシック・パーク』(95)『トイ・ストーリー』で飛躍的進歩を遂げたCG技術を駆使したVFX映像でゲームのイベントによって実体化したジャングルや動物達が主人公達の屋敷を刻々とゲームの世界へ変えて行き部屋はジャングルと化し、階段からは滝が流れ危険な昆虫や凶暴なライオンやワニが襲いかかり 像やサイが道路を横切り、いたずら好きな猿が街へ乱入しそれを止める為に 様々なゲームキャラクターの妨害をかいくぐりながら主人公達が知恵を絞り力を合わせて ゲームを終了させるスペクタクルでテンポの良い演出が愉しめる所にありますそして何よりも忘れてはならないのはこれら見所や、ジョンストン監督の手腕『ダイ・ハード3』のジョナサン・ヘンズリーの脚本の良さなどスタッフ・キャストの力量の他に主人公アランを演じた ロビン・ウィリアムズ の存在無くして本作の成功はあり得なかった点でしょう■ 本作に限らず、ハリウッド作品は時代を映す鏡の面が大きく本作の制作されたアメリカの世相がNASAのスペースシャトルエンデバーが打ち上げられ、Windows95が発売される最先端技術の時代を迎えながらオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件や中学生が銃乱射事件を引き起こす様な両極に大きく隔たりねじれた重い社会情勢にありネット時代が到来する以前の 人と人との繋がりが大きく問われた時代で本作での 親と子 自分と他人 との関係が真意の届か無い繋がりが希薄な、傷付いた間柄に描かれことさら 主人公達4人の関係を、他人の間柄でありながら親子の様に描かれるのも人間関係でねじれて傷付いた心に癒やしを求める疲弊した現代社会を見据えた上で、僅かながらのゆとりと ささやかな癒やしを与えたいという映画製作者のメッセージが込められている様に感じられます冒頭のアランの子供時代の場面での伝統ある旧家の厳格な父親の威厳に押さえ付けられる子供という図式で描かれる旧来のアメリカの典型的な家庭の演出には子供からしてみれば、旧家のしきたりに縛られる事が囚われの身になっている様な感覚を覚える事から大人に成長しても明確な目的を持てず、逃れられない脱出ゲームをやり続けて見つからない出口を探し続ける人生を送る主人公の様な人物を輩出するアメリカ社会の教育の在り方についての問題を寓話的に描いている様にも取れますし親からしてみれば、幾つになっても子供は子供でともすれば、つい自分の安心感を満足させる為に子供に意見を求めず大人の論理で一方的に与えて行き、失敗から学び成長する機会を潰し 必要以上に手を掛けてしまう心情に対して子供が単身危険なジャングルに放り出され囚われの身になる事で自力で生き延びる術を学び猛獣や様々な危険から身を守りながら生きる逞しさを身に付けて生還するという、宮崎駿 監督作『千と千尋の神隠し』にも通じる子供の自立心と生命力が描かれる作品でもあるので子供向け作品でありながら 子供だましでは無い、子供も親も愉しみながら鑑賞し、最後は共に考え語らい合える奥の深い側面のある作品でもあります■ 日々の業務に追われて、目的も理由も分からないまま、仕事に囚われながら出口を求めてささやかな心の開放を、手のひらサイズのイベントに癒やしを求める様な、ゆとりの無い息苦しい世の中であるからこそ時代を越え、夢見る愉しさを教えてくれる、冒険心を思い出させてくれるそんなゲームの世界を描いた映画だと思いました☆【スピルバーグが認めた映像作家】監督のジョー・ジョンストンは 元はジョージ・ルーカス主催の特撮会社ILMで(77)『スター・ウォーズ』のエフェクツ・イラストレーターを務め(84)『インディー・ジョーンズ魔宮の伝説』ではアカデミー特殊効果賞を受賞した VFXアーティストで大ヒット作 (89)『ミクロキッズ』から映画の演出を始め現在『ジュラシックパークIV』の準備中というこれまでも奇想天外なアイデアに満ちた内容のスケールの大きな娯楽作品を幾つも成功させて来た特撮畑出身のスピールバーグも認める映像作家ですジョンストン監督の作風は、(91)『ロケッティア』では 飛行装置で空を飛ぶヒーロの活躍を描き(99)『遠い空の向こうに』では、大空を夢見るNASA技術者の少年時代を描き(01)『ジュラシックパークIII』では、空飛ぶ恐竜プテラノドンを描きと言った様に、「空を飛ぶ」 描写に拘りを持った印象がありますスター・ウォーズシリーズで、様々な飛行物を扱ってきた実績から映像的浮遊体験を実写化する場面で ずば抜けた才能を発揮し本作でも 浮遊するゲームキャラクターがゲームボードに吸い込まれて行く未曾有のスペクタクル映像に、その手腕を観る事が出来ます映像ばかりではなく、『遠い空の向こうに』の主人公達の様な何処か遠くの世界へ心の翼を拡げる様な大きな夢を持つ人物を瑞々しく描く演出にも長け本作の主人公アランの様な、少年の様な心を持った大人でも実存感のある魅力的なキャラクターに描いて、作品に躍動感を加えています■ クリス・ヴァン・オールズバーグの元々の原作には 実はアランは登場しておらず幼い姉弟が登場する絵本として出版されたものでしたが映画版を撮るにあたって、原作の絵本の世界をさらに拡げて再構築し新たな世界感を映像化出来たのもスケールの大きな夢の様な世界を、内面からも外面からも描く事が出来るジョンストン監督の 優れたバランス感覚による所が大きい様に思われます☆因みに、本作の原作者の続編的作品 (05)『ザスーラ』も映画化されましたがコチラは『アイアンマン』シリーズのジョン・ファヴロー監督作らしく無いあまりテンポの良く無い作品に仕上がっておりますw★★★楽天エンタメナビ★★★「夢見る愉しさが込められた、癒しの娯楽作」※リンク先 参考になった ボタンは、ランキング用クリックボタンです。『スピルバーグの「フック」などはロビン・ウィリアムズの存在があったから実現した様な映画でしたね☆』フック/ジュマンジ【Blu-ray】価格:2,751円(税込、送料込)
2014年08月30日
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ダークな映像を支える正当派な切り口シザーハンズEDWARD SCISSORHANDS1991年 アメリカ 98分■監督 ティム・バートン■出演 ジョニー・デップ /ウィノナ・ライダー /ダイアン・ウィーストアンソニー・マイケル・ホール /キャシー・ベイカー さて今回は、年末にふさわしいティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演コンビが送るこの名作のご紹介となります(1988)『ビートルジュース』(1989)『バットマン』のティム・バートン監督が得意とするお伽話の様な語り口で作られるダーク・ファンタジーの中でも世間の関心の世知辛さと世の浮き沈みを現代を舞台に描いた作品では初期の秀作としてあげられるティム・バートン作品では常連のジョニー・デップとの初顔合わせになった本作をご紹介致します☆- STORY -エドワードは、発明家の博士によって生み出された人造人間。だが、完成直前に博士が急死してしまった為、彼は両手がハサミのままこの世に残されてしまう。その後、ゴースト屋敷のような丘の上の家で、顔が傷だらけで孤独な日々を送っていた彼の元にある日、化粧品のセールス・ウーマンのペグが訪ねて来た。心優しい彼女は、そんな彼の姿に同情し、自分の家に連れて帰る。そうして家の中へ通された彼は、写真に写っているペグの娘キムに心奪われ、彼女に恋してしまうが……。- 解説 -ダークファンタジー系の映像の鬼才として 様々なヒットを飛ばしてきたティム・バートン監督の初期の代表作でバートン作品の常連俳優ジョニー・デップとの初顔合わせとなった一作です映像の鬼才として エキセントリックな作品を撮る事で知られるバートン監督ですが本作を見て興味深く感じるのは社会からはみ出て一般人と相見えない変わり者の主人公を視点に世の中を描く「ハリウッド黄金期」を思わせる娯楽作品に見る群像劇の「様式」を見る事が出来る点にあります先の見えない不安と期待が入り乱れた国内不和を抱えながら新時代の到来に期待した50年~60年代にハリウッドで制作された娯楽作品の数々は「ハリウッド黄金期」として国内不和と先の見えない生活の不安を忘れさせてくれる西部劇や時代劇、現代劇の形を借りて鑑賞者の願望を描いた内容で人気を博しました本作から感じるある種の「レトロ感」はティム・バートン監督の時代に流されない普遍的な価値観で捉えた「ハリウッド黄金期」に作られた作品が持つ空気感そのものであり独特なダークな味付けのラブファンタジーとして知られる本作にはこの様な「正統派」な 痛快娯楽劇の精神が根付いておりやがて去っていく主人公との 終わりが分かっている 儚い恋が描かれる本作から感じる切なさにはやがて衰退して行くかつての映画産業の繁栄と輝きが投影されたティム・バートン監督の「映画愛」がある様な印象があります一般的に稀代の変人で知られているティム・バートン監督の一般作品と相見えない 天才的な個性が際立つのも現実世界を作品の中にしっかりと投影して 自己の個性を位置づけるバランス感覚が優れている点に 理由がある様に思われ本作はバートン監督の映画人としての「力量」を強く感じさせるものがある初期の秀作だと言えます昔ながらの映画の要素鬼才で知られるバートン監督ですが本作を見て興味深く感じるのは 「美女と野獣」「風来坊」という様な昔ながらの映画の要素を用いて作られている点で変わり者を主人公にしながらその「視点」で世の中を描き世の世知辛さを浮き彫りにする従来のハリウッド群像劇の「様式」を見る正統派な切り口で描かれている点です風来坊の主人公が街を訪れ 街の関心を一糸に惹きつけ問題を解決して 想い人を残し一人去って行くと言う「王道」の物語で作られた冒険活劇映画が人気を博した50~60年代とは戦後の復興に高揚しながらも覆い隠されていた先の見えない不安と期待が入り乱れた国内不和を抱えた世の中にありました安定した時代に生まれていればその才能を活かして一角の人物になっていた、そんな可能性を感じる主人公が持ち前の冒険心と知謀で 街の不和を正して行く痛快娯楽劇は国内不和と先の見えない不安を忘れさせる鑑賞者の願望を描いた内容でもあり西部劇や時代劇、現代劇の形を借りて描かれて行く人気作として数々の名作が生み出されて行きました本作から感じるある種のレトロ感はそれら作品が作られて来た時代の空気感そのもので本作の根底にあるのは「正統派」痛快娯楽劇の精神にあると言えます世の世知辛さが描かれるのも終わりが分かっている儚い恋が描かれるのも正統派な映画の「様式」に則って造られるからでそれらはティム・バートン監督の天才的個性が光る映画が成り立つ為の構造的基盤だと言えますティム・バートン作品には昔を懐かしむ感覚で映画でしか感じられない切なさを輝きを持って描く所に大きな魅力があり本作はそれらが理想的な形で表現されている様に思われます山田洋次作品との 意外な共通点ティム・バートン監督作品に見られる大きな特徴の社会に適応出来ない不器用なタイプの主人公はディズニースタジオ時代無口で人付き合いが苦手で奇行を繰り返したバートン監督自身を反映させていると良く言われております興味深い所で 実は本作とは似ても似つかない 邦画作品に下町の人情を ユーモラスに描いて来た 『男はつらいよ』 シリーズの山田洋次監督の 名作 (1966年) 『なつかしい風来坊』 という一風変わった風貌と価値観を持った風来坊に対して初めは好意的だった街の人々がある出来事を堺に態度を豹変させる中での人の世の世知辛さと幸せの形を涙と笑いで描く本作と全く同じプロットで作られた映画がありますバートン監督の映画は目眩く天才的なダークな映像美に目を奪われがちになりますが山田洋次監督が描き出す一連の作品が持つ 真のテーマである『人の世の心の移り変わり』 は同様のテーマとして本作にも根付いており海を越えて時を超えて共有され描かれてきたこの様な普遍的なテーマにこそ真の価値があると思われこの辺りに初期のティム・バートン作品の中でも本学が特に人気が高い理由があると言えます又、若きジョニー・デップ演じる主人公エドワードのハサミの手とは肉体的な個性と言うより「変わり者」「不器用な人間」を表現した比喩であり主人公が 鋭いはさみで傷だらけになるのも不容易な言動や行動で人や自分自身を傷つけてしまう互いに近付きたくても近付けない「ハリネズミのジレンマ」を映像で表現したものだと言えますティム・バートンの ダークな味わいを持つ 独特の世界観とはこの世の醜さの象徴である 魑魅魍魎なキャラクターの中に監督自身の人柄 が反映された「愛おしさ」を感じる所に特徴があり「普通の人」とは異なり不器用ゆえに世間から弾かれたり言葉が足りない事から生まれる誤解から忌み嫌われる存在としてレッテルを貼られると言ったそんなネジレた 世の中の摂理と醜さ にも自分自身を投影し それらすべてを 包み込む愛情 が映し出されている様な印象があります本作とはまったく作風が異なり接点も感じられ無い様な山田洋次作品と同じものを感じるのも山田監督の 『男はつらいよ』 で描かれる周りに迷惑をかけた事を恥じて映画のラストで人知れず去っていく不器用な人間の象徴の様な「寅次郎」が時折周りの空気を無視して話す言動が物議を醸し 誤解を呼ぶ山田監督本人を投影したものでは無いのか と思える所に意外な接点があり世代と作風と国の垣根を越えて同世代の時に撮ったそれぞれの作品に共通する『人の世の人の心の移り変わりと、その醜さ』 を「愛しく思う」眼差しで撮る所に悲しい話を作っても この世界の素晴らしさが 伝わって来る作品になるのだと思います☆■■■■■■□ 楽天市場 □■■■■■■J.D『年末になると突貫作業で作られて公開されるデートムービーって未だにあるよねえ・・・・』【Blu-ray】シザーハンズ価格:1,100円(税込、送料無料) (2023/3/29時点)■【フィギュア】シザーハンズ エドワード・シザーハンズ グッドスマイルカンパニー ねんどろいど(ZF100830)価格:7,480円(税込、送料別) (2023/3/29時点)■【コスプレ】エドワード シザーハンズ Deluxeグローブ・セット コスプレ価格:7,700円(税込、送料別) (2023/3/29時点)■ER-GC74-S パナソニック ヘアカッター【充電交流式】(シルバー調)Panasonic [ERGC74S]価格:7,255円(税込、送料別) (2023/3/29時点)■【シザーケース/美容師/トリマー/ハンドメイド】シザーハンズSH レジェンド レッド【05P03Dec16】価格:10,211円(税込、送料無料) (2023/3/29時点)
2013年12月26日
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視野の広い映画ファンのみ鑑賞可能エアベンダーThe Last Airbenderアメリカ(2010年)103分■ 監督 M・ナイト・シャマラン■ 出演者ノア・リンガー/デヴ・パテル/ニコラ・ペルツ/ジャクソン・ラスボーン/ショーン・トーブ...............................................................................................................................................................「シックスセンス」で見せた演出の妙は一体何だったのか、見た方ならお分かりのようにこの映画はダメ映画です・・・米国ラズベリー(最低映画)賞5冠に輝いたこの作品。しかし観る価値無しと言えばそうでもない。映画ファンはかくも視野の広い人種であると自負する思いがするので あっ た・・・。...............................................................................................................................................................-STORY-火の国の反乱から百年、水の国に住む兄妹カタラとサカは氷塊の中から現れた少年と出会い、彼が修行の途中で逃走して「気」のみしか操れないアバターであることを知る。...............................................................................................................................................................-解説-安心してください。この映画はお子様とご一緒にご覧頂いてちゃんと楽しめます。主役の子供は壮大な目的の為に立ち上がり、皆と共に手を取りあって悪しき者達を退けます。友情あり冒険あり、本格的なカンフーアクションにドラゴンボール的なVFXが加わって見所満載です。 評価は気にせず、ご家族団欒の一時をお楽しみください。かくして、映画ファンにとって突っ込み所満載のダメ映画とはまるで、駄目な子供を持つ親が頭を痛める様な、愛すべき悩める存在なのである。当レビューがしばしば長文になるのも文章による作品への虐待などではなく、映画を見守る想いがつい口うるさく書かせてしまうのだとご理解頂けたら幸いである。と言うわけで、M・ナイト・シャマラン監督の「シックス・センス」は、まぐれ だったとブログ主は考えている。いきなり身も蓋も無い切り出しだが、この監督による、相次ぐ 「バカ映画」 を生み出す温床となっているハリウッドという所は、インド発 映画七不思議と言える摩訶不思議な場所として後世まで語り告がれる事になるだろう。この監督は凡庸な監督は持って無い、理由も定かではない魔法の様な何かを持っているのだ。駄作と分かっていてもなぜか観てしまう ケビン・コスナー映画 と感覚が似ている。(私情)そして今日も、投資家を気取った守銭奴達や、映画通を気取ったスノッブ共が、この監督の映画の餌食になると思うと胸がすく思いがする。シャマラン監督にはこれからも魔法のような作品を次々と生み出して頂いて、世間を大いに騒がし、不景気でもある映画界の活性化と経済の回復に一役買って頂けたらと思う。
2012年01月17日
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黄金トリオが繰り出すディズニーのトリビュート 70点魔法使いの弟子THE SORCERER'S APPRENTICEアメリカ(2010年)110分■ 監督 ジョン・タートルトーブ■ 出演者 ニコラス・ケイジ /ジェイ・バルシェル /アルフレッド・モリナ/テリーサ・パーマー /モニカ・ベルッチ最近どうも家のトヨタのハンドルが重いと思ったら、タイヤの空気が抜けていたみたいで、早速スタンドで給油ついでに店員に頼むと、バルブコア不良が見つかり交換する事と相成った。この店員。元トヨタの整備員で、車の往来が激しい国道沿いのスタンドでの騒音の中でバルブコアから空気が漏れる微かな 『シュー・・・』 に気付いたという。有能である。聞けば、車検をここで頼むとトヨタの販売店に比べ 2、3万は安く なるとの事。サービスも充実してここに乗り換えるオーナーも多いと言う。作業は10分で終了。スタンドの質も随分と向上したものだ。恐らくトヨタの人員整理に遭ったこの店員、はす向かいで営業するトヨタ販売店を尻目に今日もこうして客を引き抜いているわけだ。企業はこうしたリスクを承知していたとはいえ、業績見通し下降修正の末社員を手放した結果、多くの技術が他企業に流れて、挙句元社員に客を取られて、又下降修正で社員を手放して… の スパイラル。そんな図式を想像すると、『…見えない手』 なんて誰が言ったんだ と、スタンドの受付で適温の缶コーヒーを飲みながら、寒い冬の青空を見上げた休日の一コマだった。...............................................................................................................................................................-STORY-善と悪の魔法使い同士の抗争が現代で勃発。その戦いに巻き込まれる冴えないオタク青年。彼の運命は?戦いの結末は?...............................................................................................................................................................-解説-さて、ブラッカイマー、タートルトーブ、ケイジ のトリオが三度組んで挑んだのはディズニーの歴史的傑作アニメ 『ファンタジア』 のトリビュートの意味合いの濃い本作である。監督は 『ナショナル・トレジャー』のジョン・タートルトーブ。製作は 『アルマゲドン』 『パイレーツ・オブ・カリビアン』 の大プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー。もともと企画を持ち込んだのは主演の ニコラス・ケイジ だそうで、漫画好きの彼らしいアニメチックなファンタジー作品に仕上がっている。なので、比較するべき映画は 『ハリーポッター』 の方ではなくむしろ 『ドラゴンボール』。ハイライトは、名作ディズニーアニメ 『ファンタジア』 の 「アノ」 シーンの再現。これには相当力を入れているのでこれだけでも一見の価値あり。業績不振で手描きのアニメから完全撤退したディズニーのいわゆるこれはリベンジか。又、N・ケイジによる情感溢れる感動的なシーンはオスカー俳優にふさわしい演技を堪能出来る。回を重ねるに連れダーク寄りになって行く 『ハリーポッター』 に比べ、明るいタッチで、怖くて泣く子も無く、ブラッカイマー印で家族で安心して観賞できるという点ではこちらがオススメかも。寒い冬にデフレで買い控えて不景気な気分で年末を過ごすよりも、クリスマスにぴったりなディズニー映画をみんなで観て暖かい気持ちになって、せめて気分はクリスマス気分で家族と過ごすのはいかがか?★★★ 楽天エンタメナビ ★★★「黄金トリオが繰り出すアニメのトリビュート」※リンク先 参考になった ボタンはランキングクリックボタンです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・- 楽天レンタル -絶賛レンタル中楽天レンタルでDVD「魔法使いの弟子」を借りよう楽天レンタルで【Blu-ray(ブルーレイ)】[魔法使いの弟子」を借りよう
2011年12月14日
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ハリウッド、リメイクラッシュの骨頂。50点タイタンの戦いCLASH OF THE TITANSアメリカ(2010年)106分■監督 ルイ・ルテリエ■出演者 サム・ワーシントン /ジェマ・アータートン /マッツ・ミケルセン /アレクサ・ダヴァロス /ジェイソン・フレミングその昔、シンセサイザーの巨匠の 冨田勲 は、当時単音しか出せない電子楽器を一音一音録音し気の遠くなるような時間を掛けてクラシックの原曲を幻想的で壮大な音楽に造り変えた。同じ頃、ハリウッドの レイ・ハリーハウゼン は、CGなど存在しなかった頃、1コマ1コマ人形を少し動かしては撮影する作業を繰り返して、気の遠くなるような時間と手間を掛けて人形に命を吹き込んで、前作である 『タイタンの戦い』 を撮り上げた。共に巨匠と呼ばれるこの二人に共通するのは、巨匠ゆえにそれを支える技術があったと言う事よりもその技術を使うに耐えうる 強靭な精神力と集中力 を持ち得ていた事でありそれが巨匠たる所以の 共通の資質 であったと言えるだろう。そう思うと、冬の駅のホームでうつむき加減で、落ち着き無く携帯を弄り、明らかに精神力とは無縁な我慢の足りなさそうな人物達が集中ではなく 没頭 する姿を見ていると、巨匠という二文字はやがて彼らが社会の中堅を担うと共に風化する運命にあるのではと 溜息が出る思いがし、この映画からもやはり 同じニオイ を感じるのである。...............................................................................................................................................................-STORY-人間として育てられた神ゼウスの子ペルセウスは、冥界の王ハデスに家族を殺される。復讐を誓ったペルセウスは、勇者を募りハデス打倒の旅に出る。...............................................................................................................................................................-解説-前作81年版をワクワクしながら鑑賞した覚えのある昭和組にとっては思い出深い名シーンの数々を、無粋なCGで上書きされる台無し感にあふれた2時間弱である。神話のVFXをやりたかっただけと言わんばかりのCG映像の傍若無人さは、技術の自信と自慢は感じても、特撮に向ける愛情のかけらも確認できず、もはや物語りも神話も、単なるネタに過ぎないのだろうか。映画とアトラクションの境は既に崩壊したと言って良いでしょう。数あるハリウッド・リメイクラッシュの中、これはひとつの骨頂として映画がたどり着いたいわゆる新体験です。前作の人形アニメをVFXに置き換え、従来の神話映画のイメージを覆すかの怒涛の映像の応酬に、圧倒的なアバター感を体験できます。この映画の主役は主人公ではなく、まして神話の神々でもなく、VFXそのものです。それを理解して鑑賞すれば、 最高の神話コスプレショーを堪能する事が出来ます。何と言っても主役の彼、坊主頭で髭も無く、体格も微妙で欧州の戦士にはまったく見えません。ビルの谷間のコートでバスケをやるニューヨーカーがタイムスリップして鎧を着た様な現実感が終始付いて離れず、作品に致命的な違和感を残します。ストーリはすでに落語のごとくやり尽くされ、あとはもうどう崩すかぐらいしか残されていないこのジャンルに無謀にも果敢に挑戦した製作陣は、部類の冒険家か散財好きな資本家か何かか。旅の仲間達が厚い友情の絆で結ばれたかと思えば、次の瞬間まるでゲームのやられキャラのように退場していく。主人公は危機を乗り越える度、新たなアイテムを獲得してレベルが上ってゆく。誰かが操作しているゲームの画面を3Dで鑑賞しているかのような映画だ。姫までたどり着いたらゲームオーバー。もうストーリーなんて関係ありません。この映画は鑑賞するのではなく、大画面で体験してお楽しみください。★★★ 楽天エンタメナビのランキング ★★★「ハリウッド、リメイクラッシュの骨頂。」※リンク先 参考になった ボタンはランキングクリックボタンです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・- 楽天レンタル -絶賛レンタル中本作2010年版前作1981年版
2011年12月06日
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ここに来て原点回帰かリュック・ベッソン? 30点アデルファラオと復活の秘薬ADELE BLANC-SECフランス(2010年)107分■監督 リュック・ベッソン■出演者 ルイーズ・ブルゴワン /マチュー・アマルリック /ジル・ルルーシュ /ジャン=ポール・ルーヴ /フィリップ・ナオン誰もが女インディー・ジョーンズ・フランス版を想像した鉄板企画。しかし蓋を開けると出世作 『サブウェイ』 を彷彿させるドタバタコメディの出現に吃驚仰天。ここに来て原点回帰でも目指したか リュック・ベッソン監督?!...............................................................................................................................................................-STORY-ジャーナリストのアデル(ルイーズ・ブルゴワン)は事故で瀕死の状態の妹を救う為、「復活の秘薬」を求めてエジプトに渡った。宿敵のマッドサイエンティスト、デュールヴー(マチュー・アマルリック)に阻まれたり、パリの博物館の卵の化石からジュラ紀の翼竜が復活する騒動に巻き込まれたりと捜索は難航する。...............................................................................................................................................................-解説-運命に立ち向かう強いヒロインを描かせたら天下一品。右に出るものと言えばジェームズ・キャメロン位のもの。しかし今回の主人公は今までに無い位の破天荒で荒唐無稽な騒動を巻き起こす人物。いつもの感情移入などとても出来よう筈がない。原作が漫画という事で映画は全編に渡りそんなエキセントリックな登場人物達で占められたトリッキーなストーリーで進行して行く。いくつかのフォロー不可能の下品なシーンは 思い切りがいいと言うよりも これはもうバカ映画の部類。お食事をしながらの鑑賞は止めた方がいいと言っておきたい。当然物語の先はまったく読めず、観客は監督の一人遊びに2時間近くの間 成す術無く振り回された挙句、摩訶不思議な鑑賞後感を数日間に渡って体験する羽目になる事請け合い。こんなにヤリタイ放題の監督は今まで見たことがない。もはやこの映画は監督と観客との根競べである。かと言って駄作にならない所が凡庸な監督とは一線を画すところ。くどい位に畳み掛ける監督の奇想天外な力技の応酬に成す術無く膝を屈し観客は根負けを要求されるであろう。監督の作品作りの新たな道を見出すための足がかりとなる一作 と言えるかもしれない。確かにベッソン監督は数々のヒット作を世に生み出しCGアニメなど新たなジャンルにも挑戦し続けてきて、キャリアも一巡した感がある。引退宣言騒動の後この作品を撮って結局は撤回した位なのだから、更なる飛躍を迎えるに当たり 自分が壊れるくらいに弾けて新たな可能性 を模索してみる常套手段を取ったとも考えられる。ただし、その映画の出来はいつも良くなるとは限らないのだが。 私個人は興味深く楽しめたが。所で蘇ったミイラ達。なぜ蘇ってもミイラのままなの? あれって主人公が妹に使った術なんだから普通 ミイラ達も人間に戻るでしょうにw原作がそうなっているのか、それともエジプトへ帰るミイラ達が 夜のパリの街を歩いて行くのが笑えるというブラックな (寒い) 笑いが狙いか? バカ映画と言えるであろう本作品。ダメ映画の線はギリギリセーフであった。★★★ 楽天エンタメナビ ★★★「ここに来て原点回帰かリュック・ベッソン?」※リンク先 参考になった ボタンはランキングクリック用ボタンです☆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・楽天レンタルで好評レンタル中 楽天レンタルでDVD「アデル/ファラオと復活の秘薬」を借りよう楽天レンタルで【Blu-ray(ブルーレイ)】[アデル/ファラオと復活の秘薬」を借りよう
2011年12月04日
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ディズニーランドの新たなアトラクションか 40点プリンス・オブ・ペルシャ時間の砂PRINCE OF PERSIA: THE SANDS OF TIMEアメリカ(2010年)117分■ 監督 マイク・ニューウェル■ 出演者ジェイク・ギレンホール /ジェマ・アータートン/ベン・キングズレー /アルフレッド・モリナディズニーランドの新たなアトラクションに加わるのか、それとも既にあるのか・・・そんな展開が見え隠れするような映画だ。監督は「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」「フェイク」の マイク・ニューウェル。...............................................................................................................................................................-STORY-王の酔狂で孤児から養子となり第3王子となったダスティン(ジェイク・ギレンホール)は、2人の兄と共に乗り出した聖地アラムート征服のさなか凶行された王謀殺の濡れ衣を着せられる。やむなく敵対したアラムートの王女タミーナ(ジェマ・アータートン)の助けを借りその場を脱出するが・・・...............................................................................................................................................................-解説-冒険あり恋ありの大活劇ですが、シェークスピア的葛藤や重厚なストーリー展開は無し、純粋な家族向け映画。ラブシーンもせいぜいキス程度で極めて健康的、お子様と安心してご覧頂ける。お約束の主人公達の喧嘩道中は鉄板で中々楽しい。劇中の悪人も血圧が上る程の悪巧みはしないのでお年寄りにも安心。弩迫力のアクションにVFXに大仕掛けのクライマックスあり、どんでん返しあり。悪人には相応しい最後が訪れ ラストも大団円でストレス無し。いい感じで冒険とエキゾチック感を楽しめる2時間である。とはいえ、冒険活劇映画好きならともかく 暇な人間が一人で見るには明るくて軽過ぎてヤラれそうな感じがする。しかしそこは大金かけたハリウッド映画。無内容の脚本を快作まで押し上げてしまう所がブラッカイマー印原作は草分け的タイトルのアドベンチャー・ゲーム。こちらは未体験だが、映画はアイデアに満ちて面白く出来ている。全編ありえない位の予定調和が映画をどこまでも軽くしている所があるが、明るい鑑賞後感は爽やかで正直気持ち良い。傑作でも何でもない映画だが、損な気にはまったくならないで楽しめる。最近にはめずらしい映画である。★★★ 楽天エンタメナビ ★★★「ディズニーランドの新たなアトラクションか」※リンク先 参考になった ボタンはランキング用クリックボタンです☆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・- 楽天レンタル -絶賛レンタル中楽天レンタルで「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」を借りよう
2011年12月02日
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- 約束された大ヒット。その内容とは? 25点パイレーツ・オブ・カリビアン生命の泉Pirates of Caribbean on Stranger Tidesアメリカ(2011年)141分■ 監督 ロブ・マーシャル■ 出演者 ジョニー・デップ /ペネロペ・クルス /ジェフリー・ラッシュ /イアン・マクシェーン /サム・クラフリン超メガヒット作の新作。今回も公開前から大ヒットは約束された規定事項のようなもの。シリーズ初の3D化も最上級。ディズニードル箱シリーズの面目躍如である。しかしこの映画、なぜかあんまり面白くない。どうしてなの?...............................................................................................................................................................-STORY-法廷に掛かる乗組員ギブスを救い出し、ひょんな事から女海賊アンジェリカと再会したスパロウ。永遠の命をもたらすという「生命の泉」を求める争奪戦が火花を散らし、唯一その場所を知るスパロウを巻き込んでいく・・・...............................................................................................................................................................-解説-『シカゴ』 『NINE』 のロブ・マーシャル監督は目前に繰り広げられる豪華絢爛なイベントを撮る事にかけては類稀な才能を発揮する映像作家のようだ。本作のアクションシーンでの流麗さはまるでミュージカルでも観ている様。しかし映画の出来に至ってはそうとも言えない。この映画は『生命の泉』 という宝を巡って仏英2国と海賊の三つ巴の争奪戦が繰り広げられる。しかしこういう場合の王道である 騙し騙されどんでん返しという脚本の巧みがまったく見当たらない。従って、唯只平坦に、あるべき危機も予定調和的に、紆余曲折も衝撃的な展開も無く、すんなりゴールにたどり着いてしまう。そしてこの映画の本来の魅力であるスパロウの観客をも翻弄する大胆不敵な活躍がない。映像作家の奇才マーシャル監督を引っ張り出した所でこんな魅力の無い物語では娯楽映画的カタルシスを得るのは絶対無理。打てど響かず、何とも骨の抜けた様な映画である。約束された大ヒットの前に、製作者の緊張感と危機感と一緒に抜け落ちでもしたのか。又、人には得手不得手というものがある。マーシャル監督は以前 『SAYURI』でトンデモファンタジー日本を描いた前歴がある。想像の産物であるファンタジー映像は実存感あるアクション映像の前に吹き飛ばされる。まるでアクション映画の様に豪華絢爛なブロードウェイ・ミュージカルのステージは撮れてもまるでミュージカル映画の様にスリル満点のディズニー・ランドのアトラクションは撮れなかったといった所だろうか。前3作同様この映画もエンドロール後に真のラスト・シーンが設けられているので、今後の展開を期待する意味でも忘れずに御観覧を。★★★ 楽天エンタメナビ ★★★「約束された大ヒット。その内容とは?」※リンク先 参考になった ボタンはランキングクリック用ボタンです☆楽天レンタルでDVD「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉」を借りよう楽天レンタルで【Blu-ray(ブルーレイ)】 「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉」を借りよう
2011年11月28日
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