2023年01月16日
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カテゴリ: 音楽 [ROCK]

​追悼ジェフ・ベック​


狂熱の魔の饗宴
ハード・ロック・ナイト
Rock will Never Die

『Jeff Beck』

Jeff Beck EnmoreTheatre

​Jeff Beck​
1944 - 2023



三大ギタリストと称されロックギターのパイオニア的存在だった
イギリスのギタリスト ジェフ・ベック
2023年1月10日 78歳で惜しくもこの世を去りました




1944年生まれのジェフ・ベックは10代の頃からギタリストとして頭角を現し
1965年には エリック・クラプトン の後任として
『ロックの登竜門』 ヤードバーズ に参加

次の年にはこれまでベーシストとして参加していた
レッド・ツェッペリン ジミーペイジ がギタリストとなり
ツインギター体制の黄金期を迎えます


ヤドバーズ脱退後は 「ジェフ・ベック・グループ」 という呼称で知られる
ロックバンドを結成し4枚のアルバムを制作し

後に突然のメンバー変更、それによるメンバーとの対立から
バンドは自然消滅します

1975年にはビートルズのプロデューサーの ジョージ・マーティン を迎え
誰もが良く知るギターインストゥルメンタルアルバム
「Blow by Blow」 を制作します

その後ジェフ・ベックはボーカリストを迎えない
ギターによるインストゥルメンタルロックという
新たなジャンルを築き

今日までロックギタリストのトップに
君臨し続けて来ました


ジェフベックのサウンドの特徴は
人間臭い「魂」を感じる粘りのあるロック・サウンドとか
ブルースの様式に則ったアプローチでのロックサウンドとか
ラウドで金属的なメタリカ的なロックサウンドなどの様な

いわゆるよく耳にするギターサウンドとは異なった

「メカニカル」で「テクニカル」ながらも
誰も出さない様な音色を誰もやらない様な奏法で

聴いただけでジェフ・ベックと分かる程の
エモーショナルなサウンドを奏でる所に骨頂がある

唯一無二の存在と言える
孤高なギタリストでした


今回は、追悼企画としまして
一般的に知られる代表曲とは又違った
ジェフ・ベック・サウンドの骨頂とも言える楽曲をいくつかご紹介し

世間一般がするチョイスとは異なった観点で
ジェフ・ベック・サウンドを解説し
偉大な功績を振り返ってみたいと思います

あなたは何曲ご存知でしょうか


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Roger Waters - What God Wants, Pt. I
(Roger Waters - Amused To Death 1992)

ロジャー・ウォーターズ - 神話 パート1
『ロジャー・ウォーターズ - 死滅遊戯 収録』



『神が望むもの』  と題するのは

元ピンク・フロイドの ロジャー・ウォーターズ
92年に発表した問題作的アルバムからの
ジェフ・ベックがギターで14曲中8曲に参加した作品からの
衝撃的オープニング・ナンバーです

この時期のジェフは現在までのスタイルとなる
ピックを使わない 「指弾き」 で弾いており

ピック弾きとは異なる変化自在なスタイルで
まるで猿が叫んでいる様なエモーショナルなトーンを出し

「感情」よりももっと奥にある
「コア」な所の琴線を刺激する様な

「危険」な何かを表現している事が
本能的に理解できてしまう程の

ロックの領域を軽く凌駕したプレイをしており

この音を出す為に何をやっているのか
プロのギタリストでも再現不可能という程の

神業的演奏が堪能出来る楽曲になっています


Roger Waters en el Palau Sant Jordi de Barcelona (The Wall Live) - 04 (crop)
Roger Waters (画像参照: wikimedia)
ピンク・フロイドの中心人物だったロジャー・ウォーターズの
3枚目のソロとなった本作ですが

リリースされた92年以降は
「ザ・ウォール」 を再演したライブを度々行う他は
2017年まで新作が無かったという寡作家という事もあるのか

ピンク・フロイドのファンもジェフ・ベックのファンも
意外と聴いていないのがこのアルバムらしく

2014年のピンク・フロイドの最新作 『TOWA永遠』 の発売に合わせて
2015年Remixで再登場した事で耳にしたフロイドファンも
多かったという曰く付きな「コア」な作品でもあります

この 『Amused To Death』 というタイトルは
ニール・ポストマン が出版した本のタイトルから取ったとの事で

この本に書かれた
TVメディアの発達で情報が娯楽化した事により
大衆は情報に対して愉しみや刺激だけを追い求める様になった結果

情報に対して何かを得たり感じたりする事を止めて
思考力を失ないやがて退廃する事を予見した内容は

ネット全盛の現在でスマホに依存するカルチャーをも
予見していたとして

現在もロングセラーとなっており

日本でも
『愉しみながら死んでいく~思考停止をもたらすテレビの恐怖』
というタイトルで翻訳され出版されました

ロジャーはこの本に書かれた
『TVメディアによって感覚を麻痺され退廃する人類』
をコンセプトに

本曲の
『神が作った世の中で起こっている事の全ては
神が望んだものである』という切り口は

キリスト教圏にあたる欧米では衝撃的内容に当たり

歌詞の中では「怖がるな只のジョークだ」と語りながらも
過激なロジャー・ウォーターズ・ワールドが炸裂する

正に神をも恐れぬ内容の楽曲に降臨した
ジェフの神業的演奏曲となっております。


愉しみながら死んでいく 思考停止をもたらすテレビの恐怖
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UPP feat. JEFF BECK - Down In The Dirt
(BBC program 'Faces of Guitar' 1974)


『埃で降りる』  と題したこちらは

ジェフ・ベックが BBA (ベック・ボガード・アピス)を解散させた後
初のソロ作で歴史的名盤 『ブロウ・バイ・ブロウ』 をリリースする
ちょうどその間の時期に

ベックはイギリスの国営放送BBCの音楽番組に出た事がありまして
これはその時の映像になります


バンド時代のジェフ・ベックは 有名な所で
「ジェフ・ベック・グループ」 という呼び名で知られるバンドがあり

これは ロッド・スチュワート がボーカルとして参加していたり
ローリング・ストーンズの ロン・ウッド がベースで参加していたり
レインボーなどで活躍していたドラマー
コージー・パウエル が参加していたりと

メンバーが超豪華な顔ぶれで全部名盤なのですが
音楽性はR&B寄りのロックでどちらかと言えば
通好みな音楽を演っておりました


そんな中ジェフ自身も 新しいサウンド を求めていたのか
当時の世の流れに倣い ハード・ロック に目覚めたのか

「ジェフ・ベック・グループ」に新たなメンバーとして招こうと

「ヴァニラ・ファッジ」のベーシストの ティム・ボガート
ドラマーの カーマイン・アピス に目を付けるのですが

一度は自身の交通事故で無しになった二人のメンバー加入を
新メンバーで始めた第二期「ジェフ・ベック・グループ」が
上手く行っていたそのタイミングで強行しようとした事で

当然メンバーと揉めまして
空中分解するわけですが

結局ジェフが無理やり入れ様とした二人と始めた3ピースバンドが
「BBA」 としてハードロック路線を極めて

それが 伝説的バンド になるという経緯がありました


この時期のジェフはレスポールにピック弾きというスタイルを
突き詰める様なプレイをしていて

ギタリストが言う所の「言い訳の出来ないセッティング」で
攻撃的な演奏をしておりました

しかしそのBBAもメンバーと揉めて
約1年の活動で空中分解します


その後75年にイギリスのファンクバンドで
日本のギタリストの char のドラマーとしても知られる
ジミー・コープリー が参加していたファンクバンド

「UPP」 のアルバムにプロデューサーとして参加し
ギタリストとしても参加した事があり

知られざる「ジェフのギタープレイの宝庫」と言われる
アルバムを発表します

こちらはBBAの様な攻撃的演奏は鳴りを潜め
「トーキング・モジュレーター」などのアイテムを使った
テクニカルでギミックな数多くのプレイを残しております


この映像はその直前の74年頃のテレビ出演した時のパフォーマンスで
「UPP」の 『Get Down In The Dirt』 の初期バージョンと
ビートルズの 『She's A Woman』 の2曲を演奏して
「UPP」のメンバーがバックで参加しております

『She's A Woman』 は先程触れた
「トーキング・モジュレーター」を使って演奏した楽曲で

75年に発表したボーカルレスのギターインスト作品
『ブロウ・バイ・ブロウ』 に収録されるのですが

ジェフはこのアルバム以降フュージョン路線にシフトして
世界的なブレイクを遂げます


この映像はその直前の
ハードロックとフュージョンの中間となるサウンドで
ギミックとテクニックを追求して次のフェーズを模索する

誰もがイメージする「ジェフ・ベック」誕生前夜となった
貴重なギグを観る事が出来ます



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Stanley Clarke - Journey to Love
(Stanley Clarke - Journey to Love 1975)

スタンリー・クラーク - 慈愛への旅路
『スタンリー・クラーク - 慈愛への旅路 収録』



『愛への旅』  と題したこちらは

ジャズ・ベーシストでエレクトロニック・ベースの巨匠
スタンリー・クラーク の全米チャート34位にランクインした
大ヒットアルバムからタイトル曲となった

ジェフ・ベックとのコラボ・ナンバーです


ロック・アーティストは「相棒」となるミュージシャンを選ぶのにも
天才的な 「目利き」 を発揮して

リッチー・ブラックモア はボーカリストを
オジー・オズボーン はギタリストを

後のスターとなるプレイヤーを輩出する事でも知られていますが

ジェフの場合は 「ベーシスト」 のチョイスに
こだわりがある様で

自身のソロアルバムではロッド・スチュワートの「アイム・セクシー」の
ダンサブルなベースで知られる中国系プレイヤー フィル・チェン を起用したり

最近では新進のジャズ系女性ベーシスト タル・ウィルケンフェルド など
肌、性別、ジャンルにこだわらない 「クセ」 のあるプレイヤーを起用して
時にはシンセベースの様な打ち込み系も採用し

偏見や差別が横行した60年代70年代からその様な風潮を無視した
「ボーダーレス」 な音楽の取り組みを行って来ました

その様な中でも特に スタンリー・クラーク との相性は抜群で
アクロバティックな演奏からムーディーな掛け合いまで

ライブでも何度もコラボをして数々の名演を残しており
ジェフにとっても 盟友 とも呼べる存在だと言えます

Stanley Clarke 2009
Stanley Clarke (画像参照: wikimedia)

スタンリー・クラーク は72年の名盤
チック・コリア 「リターン・トゥ・フォーエヴァー」 に参加した事で
その名を知られ

後にスタンリー・クラークの代名詞となる
クリアなサウンドが特徴の
アレンビック社製エレクトロニックベースをメイン機に

まるでギターの様にベースを操り
特異なスタイルのフュージョン・ベーシストとして名を馳せ

盟友 ジョージ・デューク とのコラボを始めとする
70年代中期以降のフュージョンブームに乗り
数々の名盤をリリースしており

日本でもスタープレイヤーとして
知られる存在でもあります


2009年にはピアニストの 上原ひろみ を迎えたリーダー作
『The Stanley Clarke Band』 でグラミー賞を受賞した事でも
知られています


スタンリー・クラークのスタイルは
卓越した速い指弾きでソロを取る
速弾きベーシスト として広く知られていますが

これまでベーシストが演奏してきたベースのソロとは明らかに異なる

ベースのチューニングを4度高くした 「テナーベース」
1オクターブ高くチューニングした 「ピッコロベース」 を使用して

まるでギタリストの様に和音でバッキングをしながらソロを弾く
ベースで リード を取るプレイで知られ

ベースをソロ楽器としてセンターに押し出したとして
音楽界に革命を起こした人物としても

エレクトロニックベース奏法のエポックメイキングな存在として
音楽界に影響を与えたベーシストでもあります


本曲ではソウルフルなボーカルも披露し
ハーモニクスに和音弾き速弾きのなどギミックな演奏を
所狭しと挟み込むベースの演奏に加えて

「外しの美学」 が炸裂するジェフのギターなど

ムーディーな曲ながらスリリングな演奏が堪能できる
聞き所満載な極上のナンバーとなっております




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Cozy Powell - Cat Moves
(Cozy Powell - Tilt 1981)

コージー・パウエル - キャット・ムーヴス
『コージー・パウエル - サンダーストーム 収録』



『猫の動き』  のタイトルは

名だたるハードロックバンドを渡り歩き
「ジェフ・ベック・グループ」の二代目ドラマーとしても活躍した
孤高のドラマー、 コージ・パウエル のソロアルバムから

ジェフ・ベックが参加したコラボ作品です


楽曲の作曲は 『マイアミ・バイス』 の音楽でブレイクしたキーボーディスト
ヤン・ハマー が担当し
ベースは元 「クリーム」 ジャック・ブルース という

錚々たるメンバーによる演奏になりますが


作風としてはベックの『ゼア・アンド・バック』にコージーが参加した様な
ほぼ ジェフ・ベックの作品と言っても良いサウンドで

一見地味に聴こえる作品ですが
ベックの力技なソロがコージーの重厚感溢れるドラミングに重ね
重いながらも跳ねるビートの心地よさを浮かび上がらせる演奏となり

アルバムのオープニングを飾るに相応しい
通好みな楽曲に仕上がっております



Cozy Powell


コージ・パウエル のキャリアのスタートは

レッド・ツェッペリン
の敏腕マネージャー
ピーター・グラント に見出されたことで

第二期メンバーを募集していたジェフベックに推薦した所から始まります

コージ・パウエルのプレイの特徴は
真っ平らに配置した スネアドラム
トラディショナルグリップ でスティックを構える

正統派なスタイルに

巨大なドラムセットにバスドラムをダブルでセッティングさせた
「ツーバス」 ドラムに加えて

演奏する姿がよく見える様に
シンバルセットを左右に振り分けた
非常に見栄えがする派手なビジュアルのドラムセットで

巨大なタム類を縦横無尽に叩き出して
時には体を乗り出してシンバルを鳴り響かせ

これまで裏方だったドラムを全面に押出し
パワフルでど派手なプレイで観客にアピールする

ロックファン憧れの 「ドラム・ヒーロ」 の先駆け的存在の
唯一無二なスタイルを持ったドラマーだった所に
あったと言えます




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Jan Hammer - Too Much To Lose
(Jan Hammer – Snapshots 1989)

ヤン・ハマー - トゥー・マッチ・トゥ・ルーズ
『Jan Hammer – Snapshots/ジェフ・ベック - ゼア・アンド・バック 収録』



『失うものが多すぎる』  と続くのは

先程の ヤン・ハマー が参加したジェフの代表作的アルバムからの
エレクトロニックな奇抜サウンドが売りなアルバムでの

穏やかで雰囲気の良い
70年代の良さを感じさせる 気品あふれるナンバーです

この動画はベックの『ゼア・アンド・バック』ではなく
ヤン・ハマーが自身の89年のソロ作
『Snapshots』 でリメイクしたもので

ギターのジェフの他は
ピンク・フロイド のギタリスト
デヴィッド・ギルモア が珍しくベースを弾く姿や

ドラムには ビートルズ リンゴ・スター が登場する

超豪華な顔ぶれのMVとなっております



Jan Hammer 2 - 1977
Jan Hammer (画像参照: wikimedia)


ギタリスト ジョン・マクラフリン 率いる
斬新なジャズ・ロックを演奏する集団
「マハヴィシュヌ・オーケストラ」 のメンバーとして知られ

TVドラマ 『マイアミ・バイス』 の音楽でブレイクした

シンセサイザー群を手足の様に操り
キーボードをまるでギターの様に演奏する
非常に先進的なキーボーディストの ヤン・ハマー

ジェフとのコラボの他 アル・ディメオラ、カルロス・サンタナ
スタンリー・クラーク などのジャズ系ロックのミュージシャンに

ジャーニー ニール・ショーン、
TOTO
スティーヴ・ルカサー の様なギターヒーローに加え

ローリング・ストーンズ
ミック・ジャガー の様な
大スターとの共演など

様々な大物アーティストと共演し楽曲提供をしてきた
輝かしいキャリアを持つアーティストでした


一方で レインボー ドン・エイリー の様に
「ロック・シンセの魔術師」 という顔を持ち

キーボードをギターの様に肩に下げてステージングをする
ロック・ヒーロ という側面を持った

マルチなミュージシャンでもありました



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Jeff Beck - Two Rivers
(Jeff Beck - Jeff Beck's Guitar Shop 1989)

ジェフ・ベック - ツー・リヴァーズ
『ジェフ・ベック - ギター・ショップ 収録』


『2つの川』  とタイトルされた楽曲は

これまでもジェフ・ベックの作品に楽曲を提供し
キーボードを担当してきた トニー・ハイマス

『UK』 『ミッシング・パーソンズ』 の 超テクニック・ドラマー
テリー・ボジオ が全曲で参加し

シンセとドラムの3ピース体制で制作された事でも話題となり

日本でも 「ホンダ・アコード」 のCMソングとして
「スタンド・オン・イット」 が起用された事でも知られる
大ヒットアルバムからの

非常にスペーシーで壮大なイメージで演奏された楽曲です


卓越された重量感あるドラムの機械的なミニマムサウンドに
巨大感溢れる分厚いシンセサウンドが重なり

まるで天空から聴こえて来る様な
7色の音色を駆使した ジェフ・ベックの 唯一無二なギター・サウンドが

限りない広がりと奥行を生み出す
奇跡の様な演奏が堪能出来る楽曲となっております



Jeff Beck
Jeff Beck (画像参照: wikimedia)

本曲のジェフの演奏は 一見主題を繰り返すのみの
地味なミニマムミュージックで
通好みな楽曲という印象がありますが

ギターの弦に一瞬指を触れて出す 「ハーモニクス音」
アームを使ってベントして 無段階 に音階を奏でてメロディーを出すという

一聴するだけでは分からない様な
非常に アクロバティック で高度なテクニックで演奏されており

「ギターを操る」 というよりは
ギターが発するトーンで 「空間を操る」

「空間の魔術師」 と言うべきジェフの
まるで異次元へ連れて行かれる様な奇跡のトーンで奏でられた

誰も無し得ない奇跡の楽曲と言えます


ともすれば機械的でテクニックで語られる
ジェフのギターサウンドですが 

テリー・ボジオの独創的ドラムの機械的パターンと
トニー・ハイマスのシンセの分厚いパットを通して

繰り返しのフレーズの中に
「生命の息吹」を感じさせ浮かび上がらせる

楽器であったものを別の何かに变化させる
神がかり的プレイがジェフの本領だと言えます



かつて バッド・カンパニー ポール・ロジャース
(レッド・ツェッペリンの ジョン・ポール・ジョーンズ とも言われる) が

「ロック・ギタリストには2種類いる。
ジェフ・ベックとジェフ・ベック以外だ」

と言わしめたジェフが
その名の通り 孤高な存在 だった理由の一つに

ロック・スターにはありがちな「ドラッグ」とは無縁の人物で

70を超えても引き締まった体をした
音楽的にもプライベートでも 「健康的」 な人物だった所に
理由があった様に思います

ギタリストとしても同世代のギタリスト達が肉体的衰えで
運指に影響してかつてのフレーズが弾けなくなり
輝きも失うと言った

近年大物アーティスト達の
精神的肉体的衰えが音に現れるケースが多い中

ジェフの場合は衰えはおろか、むしろ年を重ねるに連れて
演奏が 「進化」 すらしており

現在のメインストリームの音楽にも対応する様な
常に先進的なサウンドが持ち味のギタリストだったという
印象がありました

それは「老い」を言い訳にして「不摂生」を正当化する
ジェフ・ベック以外の「不健康」なギタリスト達に対して

単に「健康」を維持する事が
「摂生」をして「運動」をして
規則正しい「生活」する事だけではなく

「ストイック」さが求められるという
その人物の「人生観」が問われる事でもある為に

その様な「要求」にも「平然」と応える事が出来る所に

ジェフ・ベックだけが成し得る
文字通りの「孤高な存在」たる所以がありました

それだけに

「細菌性髄膜炎」による突然の死は
ジェフに取っても不運過ぎる出来事だったと言わざる終えません



そうして私達は「ジェフ・ベックを失った世界」という
かつて無い世界を迎える事になるのでした


R.I.P




△▼△▼△▼△



それでは次回の更新で又お会いしましょう。


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最終更新日  2023年01月19日 16時26分24秒
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