あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

楊貴妃殺人事件

卒塔婆小町が死んだ ~楊貴妃殺人事件~    【卒塔婆小町が死んだ】所収


最近、能に興味を持っているキャサリンであったが、浜口はどうも能の世界に馴染めないせいか、キャサリンとの関係が疎かになっていた
大学の方の仕事も一段落つき、キャサリンと会おうと思っているところへ、当のキャサリンから食事の誘いを受ける
しかし、それは口実であって、キャサリンの本当の目的は能の舞台見物だった
はめられた浜口ではあったが、久しぶりにキャサリンに会いたかったので、渋々能の舞台鑑賞を承諾するのであった

能の舞台「楊貴妃」を鑑賞するために訪れた能楽堂で、キャサリンは、女性に声を掛けられる
声をかけてきたのは、能を通じて知り合ったという桜子で、今日は姉と一緒に能を見に来たという
その姉というのは、夏蘭子といって、最近売り出し中の女優だった
まるで楊貴妃を思わせるような美しい蘭子に、すっかり浜口は見惚れてしまった

後日、蘭子が死んだということをキャサリンから聞かされた浜口は驚いてしまう
泉涌寺の楊貴妃観音の傍で、蘭子は服毒死体となって発見されたというのだ
桜子の話によると、蘭子は二人の男性からプロポーズを受けていて、亡くなった日が、二人に返事をする日だったという
蘭子にプロポーズしていたのは、能の宗家の長男で朝倉太郎、そして大学助教授の節木純一の二人
蘭子がどちらの男性を選ぼうとしていたのかは、桜子はわからないという
どちらかが、恋が成就しないことを知って、蘭子を殺害したのだろうか?
しかし、捜査が進むうちに、華やかな芸能界に生きる生活を送っているせいか、蘭子に殺意を抱く人物が次々と浮上する

蘭子の死体の下には、能面が一つ落ちていたという
蘭子と桜子の父は能面師だったので、家には沢山の能面があるのだ
その能面が犯人を示す何か手がかりになると思ったキャサリンは、狩矢警部に頼んで、能面の写真を見せてもらう
蘭子の死体の下に落ちていたという能面は、ある男性の名を示す能面であった…



~感想~
特に盛り上がることもなく、淡々と進んでいく感じ
能を知らない自分としては、能面のトリックがいまひとつピンとこないので、少々物足りなさを覚えてしまった

という事で、私的評価は星【★★☆☆☆】2つです



◆この原作のドラマ化作品◆
ありません



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