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ラットマン/道尾秀介/2008年読了/2010.11.01ラットマン★★★★☆私はミステリーと呼ばれるジャンルは基本的に読まない。でも、俊英な作家と評判の道尾秀介を読んでみ、と人から薦められて向日葵を読んでみたけど、あら、そうなちゃいます?ずるいなあ、と思ってしまって、それは、伊坂幸太郎のアヒルと鴨を読んだ時と同じような感覚の「ずるさ」で、映画で言うならシックスセンスの「ずるさ」と通ずるものがある気がしてる。なのになんでまた文庫本を買ったかというと、帯に「ラットマンは道尾作品で私が一番好きな小説だ。-大沢在昌」と書いてあったので、ええ!あのハードボイルド作家が!!そんな風に言っちゃうわけ~!!と驚いてついつい。。で、読んでみた。ミステリーは初読が真剣勝負!!どこに何が隠されてるんだろう?と一生懸命読むのだが、元々情報量が削られてるので、最初から「負けて」る。(←作家vs読者という構図が特にミステリーにはあるような気がする)読み終わってから、つまり種明かしがあってから読み返すので、ミステリーは2回は読むのが常なのだが、ラットマンについては、続けて3回4回と読みたくなる。1つの文章が、2重3重に読めるところが、素晴しい!秀逸です。ジャンル分けしてるつもりは無いんだけど、本書は、如何せんミステリー、種が小説の中で重要な要素なので、その種がわかって以上、再読したときに初読の感動が無くなってしまう。文体で読ませる小説では無いので、一度読み終わったときに3回4回と続けて読むけど、しばらくしてから読みたいとは思わない。ちなみに、今、もう一度読みたいフレーズは三島由紀夫の天人五衰のシーンだな。朽ちていく美しさ。嗚呼。
Nov 11, 2010
潮騒/三島由紀夫/1954年読了/2010.11.09 潮騒改版価格:420円(税込、送料別)★★★☆☆これはミケランジェロのダビデ像の胸板の筋肉を舐め回せる人向けです。古代ギリシャ=ルネッサンスの世界観なんだろうなぁ。しかも性善説に基く、、。 <文庫本裏に書いてあるあらすじ> 文明から孤絶した、海青い南の小島--潮騒と磯の香りと 明るい太陽の下に、海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、 美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。 人間生活と自然の神秘的な美との完全な一致を たもちえていた古代ギリシア的人間像に対する憧憬が、 著者に新たな冒険へと駆りたて、裸の肉体と肉体が ぶつかり合う端整な美しさに輝く名作が生れた。<具体的なあらすじ> 貧しい漁師の主人公新治が、村に帰ってきた金持ちの 跡取り娘の初江に一目惚れ。嵐の日に待合せ場所に先に ついた新治は、焚火をおこして寝てしまう。 濡れた服を乾かしていたの、恥ずかしいからあなたも 裸になってと言われ、新治も素っ裸に。抱き合う二人。 結婚するまではイヤですと断られてその日はなにもなし にもかかわらず、帰るところを見られて村中の噂になる。 怒った初江の父親が初江を軟禁する。 なんやかやいろいろあって(書くの邪魔くさくなってきた) 新治は父親に認められてハッピーエンドという、とーっても眠たい話。美男美女でストーリーも陰湿凄惨な要素は一切なし。そんなやつおらんやろう!とチッチキチーな大木こだま的突っ込みをしてしまうところ「しか」ないんだけど、なんだけど、なぜか映画にいっぱいされてました。たぶん、清純派女優にはちょうどいいんだろうな、ヤらないから。でそういうことを考えると映画化されることを前提に描いたのでは、三島のことですから。ただし、舞台にはできません!18禁ですみんなやっぱり素っ裸で焚火の周りを乳繰り合う場面「だけ」を見るために買ってしまうんでしょうね~。嗚呼、ボクも買ってしまいそうだ~。これは見てみたい!吉永小百合版! 【25%OFF】[DVD] 潮騒(新潮文庫連動DVD)価格:2,993円(税込、送料別)これも見てみたい!山口百恵版! 【中古】【DVD】潮騒 (1975)邦画価格:4,060円(税込、送料別)今じゃ5人の母親、堀ちえみ版!ちなみに相手は鶴見辰吾です。”体当たり熱演”堀ちえみ主演!伊勢湾に浮かぶ歌島を舞台に、許されない愛を貫き通す恋人たち...価格:4,305円(税込、送料込)
Nov 9, 2010
家族八景/筒井康隆/1972年読了/2009.05.06家族八景改版★★★★☆主人公の18歳の七瀬が家政婦として、8つの家族の情景を描く物語。これは、まさしく「家政婦は見た!」である。それは、大部分は障子の陰か、細くあけたドアの向こうから「まぁ~」と間の抜けたため息ともつかない、あの市原悦子の家政婦の「秘密を知ってしまった顔」は実際的に、物陰から他者の話を盗み聞くか盗み見るかして、表出するのだが、七瀬の場合は、テレパシーで他人の心を読んでしまうのだ。他人の心がそんな風に読み取れたら五月蝿くって仕方が無い、 と私は思うのだが、さらに筒井は、家族の有り様とか自身の意見を織り交ぜてくるので、さらに五月蝿くって仕方が無い。いくつか例出する。「直感力のすぐれた女性はすべて、その鋭さを隠して、たとえ うわべだけにせよ家庭の平和を維持するため、自ら軽蔑され 無視されるような精神構造を持つ必要があるのだろうか。 そうしてこそ、最も利口な妻といえるのではないだろうか。」「経済的にゆとりのある落ちついた中年の男女が、なぜ渋い 風格や豊かな女らしさを犠牲にしてまで、若者向きに 作られた既製品を買いあさる必要があるのか。それは 若さへの従属だ。そうではないか。服を誂えることに よってはじめて、成熟した人間は画一的なヤング・ モードの流行から自由になって、自己の完成された 個性を主張することができるのではないか。」「わたしは中年の無意識的な狡猾さに負けたんだわ、と、 七瀬はそう思った。断ち切れそうになった夫婦の絆を 守るためになんでもかんでも、不貞という互いの 過失をさえも性衝動を高めることに利用しようとする 中年男女の貪欲さ、性 行為の激しい歓びに浅ましく 執着しようとする中年男女のあがき、やはり自分には この相手しかいないのだということをなんとかして 自分に納得させようとする倦怠期の中年夫婦の、 一夫一婦制という社会道徳への無意識的な心的規制と 都合のいいすり替え、そして何よりも繁栄と平穏と 余暇と満ち足りた栄養の中で育まれた中年男女の、 そのはげしい情欲のはけぐちを求めようとする心理に 彼女は負けたのだった。」 筒井康隆は、結構なご年齢である。古希もとうに越えられている。そのお姿は、関西の人にはなじみである。ナイトinナイト木曜日ビーバップ!ハイヒールで文学界の巨匠筒井康隆と漫画界の異端児江川達也が論拠ちりばめ放論している様など、マッカランをロックで飲みながら、充分に堪能できるのである。五月蝿いなあと思いながらもついつい筒井作品を読んでしまうのは、あのご年齢独特の上から大上段に構えてばっさり切り捨ててしまう、潔すぎるカテゴライズの妙にあるのではないかと、自分では密かに思っている。私たちの年齢で、かのように感じた物事をばしばしばしっとずばばばばばっと外的目線感覚で捉えることは無いのではないか。「自分探し」や「個性」の世代において自分の目からどのように見えてどのように感じるかであり、それを他人がどのように感じるか、もしくはどのように捉まえるかは、知覚外なのだ。もしあなたが、芥川龍之介の枯野抄を読んで面白いと思った人なら、この家族八景はお薦めします。
May 17, 2009
天使と悪魔/ダン・ブラウン/2000年読了/2001天使と悪魔★★★★☆社会人になって間なしのころ、読んだのを忘れて、また、再読してしまいました(^^ゞラスト10ページくらいで気付いた!(^^)!当時、「ダ・ヴィンチ・コード」はまだ出ていなくて「天使と悪魔」という題名だけで、ジャケ買いみたいなものでした。舞台がヴァチカンなので、建築を勉強していた私はだいたいどういう建物で、どのような絵があってとか、少しは想像つくんだけれど、なんか大変だなと思いながら読んでたのを思い出しました!残り10ページで!!そう、「ダ・ヴィンチ・コード」にしても「天使と悪魔」にしても映像があってこそだと思う。今、再読したらあの「ダ・ヴィンチ・コード」の映像感覚があるから読めるけど、最初は無理だったよ~。結局、教皇の個人的欲望の話を、建物やキリスト教というもので彩っていく、そんな話です。そういう意味合いでは、「ダ・ヴィンチ・コード」の方がまだ面白い、謎解きの要素が多いし。これを日本を舞台にし、「おもろい」要素を加えたら、万城目学だ。「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」うーん、これらに歴史の謎解きの要素は無いな!謎解きの要素があって歴史ミステリーもの、「信長の棺」みたいになるのか。まあ、どちらにせよ、その場所に行ったことの無い人に風景の描写をいれるとか、そういう部分を補わないと読み物としては、正直しんどい。原作を読んでから、映画を見るか。映画を見てから、原作を読むか。とにもかくにも、膨大な美術史や宗教史の中から物語を紡ぎ出す天才ぶりに敬意を払って星4つにしました。日本人なら映画の方が見やすいんだろうな、きっと。人に薦めるなら原作を読んでから、映画を見て、原作を再読する。これが良いと思いまする。
May 16, 2009
時をかける少女/筒井康隆/1965年読了/2009.04.20時をかける少女改版★★★☆☆パプリカの後、筒井と言えばと思い、再読した。単行本は短編3本入りで、その1本が、時をかける少女である。角川春樹が活躍していた時期に高校生だった私は、当時、かれこれ20年くらい前か、時をかける少女を始めて読んだ。映画になったり、原田知世の歌であったり、私たちの世代は、原作より先に、副産物を目にした世代なので、とてもじゃないけど、さらっぴんの目でなんか見れないのである。今回、再読して同じように思ったが、なんか、とっても物足りないのである。タムトラベル物としては、もっといろいろできるような気もするし、発表当時、「中三コース」に連載され、少年少女もの(ジュブナイルSF小説とかいうらしい)というジャンルを考えると止む無しなのか。例えば、ライラの冒険黄金の羅針盤をなんか物足りないというようなものである。この「物足りなさ」が、いろいろまわりをざわざわさせる原因なのかも知れぬ。どうしていろんな時間を旅してて整合性がとれるの?とか、いろいろ言いたいことあるんだけど、その物足りない部分を、映画とかにしたくなっちゃうところなのかもしれない。最後に向かうストーリーは以下の通り。(おさらい)主人公の中3の和子が、テレポーテーションとタイム・リープの能力を身につけて、原因を探るため過去に遡ったら、同級生の一夫が犯人であった。一夫が未来人で、未来に帰るときに、和子の記憶を消していくことを告げるのだか、和子は、拒む。一夫は和子の前にいつか再び別の人間として現れることを約束し、和子たちの記憶を消して、未来に戻っていくのであった。*******************************************************この後、少女物として書き足してみる。少女物として書き足すからには、和子は、せめて高校生でなければならない!!そして最後はきちんと恋愛が成就しないといけないのである。*******************************************************美しく育った和子は、成績も優秀で生徒会の副会長になる。生徒会長は同じ陸上部のスプリンターの一樹である。男女混合リレーの練習中に、バトンパスミスで交錯しグランドに倒れるふたり。和子が気付いたとき、知らない顔が覗き込む。「あなた、誰?」知らない顔が、びっくりしてる。「和子、大丈夫。一樹くんだよ。」(私の知っている一樹じゃない。誰このひと!!)それが戻ってきた一夫であり、だんだんと和子も記憶を取り戻していき、めでたくハッピーエンド*******************************************************書評の文体と、物語の文体は違うんだよね~。腰をすえて書いたら、コバルトノベルに応募してみようかしらん。少年物として書き足してみるバージョンも考えたけど長くなりそうなので、ここらへんで止めときます。。
May 15, 2009
京都大徳寺に行く。本当は、大徳寺脇の和久傳でお昼を食べて、仁和寺で御室桜を見ようと思ったが、近日来の初夏を思わせる陽気でさすがの御室も葉桜になってしまっていたので、大徳寺に行くことにした。大徳寺は、本堂及び二十数件の塔頭からなる大寺院である。各塔頭にはゆかりのある戦国武将がいる。織田信長の菩提寺である総見院や大友宗麟創建の瑞峯院、山門は千利休が自らの像を置いて秀吉の逆鱗にふれ切腹を命じられたとされる、戦国好きにはたまらないお寺である。私が特に好きなのは、高桐院という細川忠興・ガラシャ夫人ゆかりの塔頭である。紅葉の名所とされるが、薫風の頃は、まだ薄緑の紅葉の葉が、小さな赤子の手のようで愛らしくも美しい。参道に降り注ぐ紅葉の新緑。道は何度か折れ曲がり、その度にその蒼さに息を飲めば、薫風が胸に広がり、さらに次に何が来るんだろうという期待感でふわふわふわと心が弾む。真っ直ぐに伸びた参道を、前に進みたい様な立ち止まって見ていたい様なとかく惜しむように、足元に絡みつく苔の香気を一歩ずつ踏みしめながら進んでゆく。とかくプロローグが美しい。建物に入る。すごく小さな茶室がひとつと建物を取り囲むように庭がある。紅葉や竹の青さが、バウンスして家屋天井に映りこむ様は、この時期ならではである。縁側に敷かれた毛氈の朱と庭の新緑の対比の妙。庭に下りて、建物を振り返れば、木々の隙間から見える屋根、目を上げれば青い空。ああ、できることならあのすごく小さな二畳台目の茶室でお茶を頂きたいものである。にじり口からはいり、非常に狭い空間で、亭主になっても客になっても、相対する時間。舐めるように見る見られるの関係がある。新緑で青く染まったほの暗い室内で茶筌の音がさらさらさらさらと響き、それは、外の竹林がさらさらさらと風にたなびく音と呼応するかのよう。おお、想像するだけで昇天してしまいそう。もう一度、お茶をしてみようかと思いつつ帰途に就いた。
May 5, 2009
パプリカ/筒井康隆/2002年読了/2009.04.10パプリカ★★★★☆映画のパプリカを見て、原作を読んでみた。想像の通り、DCミニの説明は難解で、途中で挫折しそうになる。映画を見てないととてもじゃないけど最後まで読めないよ~。やっぱ映画が良かったのかな~と我慢して説明チックな第1部を我慢して読み進めれば、第2部が素晴らしく花開いたのだ!映画に出来なかったところがあるのだ。そこが素晴らしく魅力的なのである。それは、夢の中で、セラピストであるパプリカが患者とやってしまうのだ!さらに敵とDCミニを奪い合う夢の中で、味方である男たちと乱交に及ぶ。体中嘗め回されて融けていくのだ。ふんふんふん!!淫縦この上ない!現実世界では、取り巻き男性たちは紳士然として立ち居振る舞い、夢の世界では、淫欲のまま放奢淫逸に耽る。才色兼備な女性が淫奔であれば、ブラボー!と叫びたくなる。実際問題、DCミニで淫事に耽るのと現実世界で耽るのと、どっちがどうよと思うのだが、DCミニなら体力に関係なく延々淫欲に溺れそうで怖い。夢とうつつが交錯し、暴力と色が飛び交う世界。物語が混沌としていき、終末に向かうあたりは圧巻である。物語の中で、待合わせにラジオクラブというバーが出てくる。そこで、男性陣はウシュクベーやバランタインを飲みながらウェイティングしてるのだが、とても美味そうに感じ、ついつい、堂島のパブで、マッカランを水割りで飲みながら、パプリカの乱交にふんふんふんっ!と鼻息が荒くなるのを抑えつつ、何気ない顔して、もう1杯はロックで舌の上で転がすように飲むのだ。自分もパプリカの乱淫に飛び入り、その滑らかな肌を味わうように。ふんふんふんふんふんっ!!想定外に酔っ払いだぞっ!!
Apr 25, 2009
春は桜。今年は、どう見ようかと毎年悩む。京都まで出かけて、縁側より庭に1本あるのを眺むのもよい。吉野まで出かけて、山いっぱいの桜のトンネルをくぐるのもよい。いやいや、ヘリコプターで上から見るのもいいんじゃない?金銭的に大変そうだから、アクアライナーで、川面からみる造幣局の夜桜で手を打とう!などと逡巡している内に、はらはら散り始め、結局、会社の帰りに靱公園の桜の下をそぞろ歩きながら、帰って、相方と桜色の杯を出してきて、日本酒をしたたか飲み、もらった桜の入浴剤を浮かべてお風呂に入る泡沫の春の夢。
Apr 8, 2009
『パプリカ』/公開2006年/日本観了/2009.04.05★★★★☆【20%OFF!】パプリカ 【通常版】(DVD)原作: 筒井康隆 監督: 今敏 企画: 丸山正雄(マッドハウス) 脚本: 水上清資、今敏 森見のパラノイア的木屋町酔っ払い軍団の描写を読んで無性にパプリカをもう一度見たくなって借りてきてもらった。筒井康隆の文章は、読み下しにくい大変な文章である。例えば文学部唯野教授なんて、オタクの戯言である。初めて、このパプリカを見たときに、筒井の世界観を映像化したらこんなに楽しいものなのかと感激したのをよく覚えている。もちろん、監督である今敏がなければここまで出来ていないと思う。ラジオクラブや夢の大行進など何度見ても楽しい。松本大洋の「鉄コン筋クリート」もアニメの方がどちらかというと好きで、言葉や二次元画像(漫画)で出来ない表現ってあるよな~って思う瞬間である。で、ここでカミングアウトすると私はまだ「パプリカ」の原作を読んでいない。多分それはDCミニなる道具等の説明が非常に難解なんだろうなと容易に想像がつくからである。でも、筒井のどの文章をこの映像にしたのか確認する意味でも、一度読んでみよう。さらにカミングアウトすると、このDVDを買おうかどうしようか思案中なのである。ちなみに公式サイトがけっこう面白いのでぜひ一度どうぞ。パプリカ公式サイト
Apr 6, 2009
夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦/2006年読了/2009.04.04夜は短し歩けよ乙女★★★★☆「1984年」のチェイサーとして読んでいた本。いつも2、3冊同時並行に読むのだが、さすがに難×重の組合せはできなくて、でもただの水では無かった。「太陽の塔」が、ストーカー京大生の誇大妄想で描かれるので、非常に読み下しにくい、男性的論文的な文章にあるのに対し、こちらは、男女交互の視点で描かれるので、まだ読みやすい。男性的論文的文章が続くと、体中じっとり男汁で臭くなりそうなのだが、女性的お花畑的文章が混じるおかげで、薫風吹き抜ける感がある。この本は、短編が4編収められている。どの話も天然系少女とストーカー京大生が出てくる。表題になっている第一章は、春の京都木屋町で主人公が徘徊し、鯨飲するという話。第二章は、下鴨神社糺ノ森での夏の古本市での話。第三章は、秋の京大の学園祭の話。第四章は、冬の京都を風邪の神様が闊歩する話。で、「太陽の塔」より進化したところがあって、急に現実世界がパラノイア的にむくむくと異次元空間に変化していくところである。例えば、木屋町で李白なる人物が乗ってくる乗り物、三階建電車の表現など圧巻である。屋上には草がなびいていて、藻の浮いた古い池が満々と水を湛えていて、池の岸には鬱蒼とした竹林がある。螺旋階段で下に下りると銭湯があり、その下が宴会場。そこで李白なる人物と飲み比べをするのである。このあたりのくだりを読みながら、筒井康隆原作のパプリカが見たくなってきたゾと思いつつ、この物語もきっと誰かが映像化したくなるんだろうなと思いながら、私も相方にスケッチをしてくれとせがむ。スケッチをしながら読み進めていくので、遅々として進まぬ。でもさらっと読んでしまうにはもったいなくて、現実に無い異次元空間に想いを馳せ、好きなだけその空間を満喫するのが、読書の醍醐味であろう。むむむむむ。嗚呼、でも、春の木屋町、階下に漫ろ歩く酔っ払いを見ながら三階建ての叡山電車(←私の中では叡電なのだ)に乗り込むなんてああ、なんて素敵!素敵に酔っ払いである。嗚呼、私も木屋町でしたたか酔っ払いたくなるのである!このパラノイア的にむくむく異次元空間に引きずり込む部分以外にも特筆するべきは、第二章の下鴨神社糺ノ森で、古本の神様が、作家数珠繋ぎなる秘儀を披露するシーンである。こちらも圧巻である。これは、知識の披露といった感があり、文字の表現として面白い。将来的には、森見はきっと先のパラノイア的表現を突き進めて行くのだろう。本当は、「太陽の塔」を読む前に、こちらを薦められていたのだが、作家が変貌を遂げる様をみるのは楽しいものである。主人公ふたりのキャラに頼らずに新しい世界をみたいものである。期待もこめての星4つとした。単なるミネラルウォーターではないのは確かで、祈祷水、そう、ホントに効くの?信じる者のみ効くんじゃない?
Apr 4, 2009
『ベガスの恋に勝つルール』What Happens in Vegas/公開2008年/アメリカ観了/2009.04.05★★☆☆☆ベガスの恋に勝つルール 完全版監督: トム・ヴォーン 製作脚本: ディナ・フォックス/etc... 出演: キャメロン・ディアス/アシュトン・カッチャー/etc...何度も言いますが、私にどんなDVDを借りてくるのか選択権はありません。。でも明らかに系統が見えてきた。どうやら相方は、ロマンティックラブコメディーがお好きなようである。舞台は、ラスベガスで、酔っ払いの二人が勢いで結婚し、朝、スロットをしたら大当たりをして、無理やり6ヶ月結婚するというお話で、間違いなくハッピーエンドになる話である。キャメロン・ディアスは、同年代ということもあり、昔からいろんな映画を見ているが、酔っ払いをさせたら、絶品!映画見ながら、「ベガスに行ってみたい!!」といったら「お金のあるなしで、見る世界が違うのよ!」と言われ、わかってるんだからあえて言わないでよ~って思いつつ、いつかは、きっとなどど、ありもしない夢を少しみてみたりして。いやしかし、キャメロン・ディアス、年をとりましたね~。これは、例のごとく、2度は見ないっていう映画です。でも間違いはないですよ。
Apr 2, 2009
『ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝』The Mummy Tomb of the Dragon Emperor /公開2008年/アメリカ観了/2009.03.29★★☆☆☆ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 リミテッド・バージョン監督: ロブ・コーエン 製作: クリス・ブリガム/etc... 脚本: マイルズ・ミラー/etc...出演: ブレンダン・フレイザー/ジェット・リー/マリア・ベロ/etc...たぶん、この前、ジャッキー&ジェット・リーでかなりウハウハしていたので、気を利かせてジェット・リー作品を借りてきてくれたんだと思う。だが、悲しいかなそんなにジェット・リーが出てこないのである。で、戦うときには、怪物に変身してしまって、あのアクションが見れないのである。。。うう。。。しかも、この3は、女優さんが変わっている!少しお年をお召しすぎておられる。で、主人公は、相変わらず若い感じだし。パキパキの胸筋を披露しておられますし。夫婦って感じじゃないんだよな~。このシリーズを見るたび、インディージョーンズとの違いを考えてしまう。戦う相手がミイラになっただけか。。1は古い映画のリメイクらしくて、どっちがどっちの影響を受けてるのか、不明だけど見せ方が旨いのはインディーシリーズだと思う。でもインディーがミイラと戦ったらちょっと違うな~。↓↓↓「読書」「映画」でそこそこ上位にランクイン↓↓↓↓↓↓↓皆さんいつもお読み下さってありがとう♪↓↓↓↓
Apr 1, 2009
1984年/ジョージ・オーウェル/1948年読了/2009.03.241984年★★☆☆☆これは、スターリンの社会主義を痛烈に批判したものである。ストーリーなんてあるような無いような、その世界、ある社会システムを描くことに重点が置かれている。それは、皮がいかに美しいかではなく、その味がいかに美味しいかではなく、「これは、鹿と馬から作った新しい生き物です」というようなものである。ストーリーは、シンプル。監視社会に生きる主人公ウィンストンが、同じ党員のジューリアと関係を持ち、同志と思っていたオブライエンに裏切られる話。ただ、描く社会が、「鹿馬」なので、後は「鹿馬」の説明である。ウィンストンは、記録局で活字の書き換えを行う部署で働いている。最近、日記をつけるために、ノートブックを買うというタブーを犯した。いたるところにテレスクリーンがあって24時間監視されている。思考や言語は、シンプルであることが奨励される。新語法では、「good」に対して、「bad」ではなく、「ungood」で間に合うとされている。歴史は書き換えられ、思想も書き換えるよう求められる。(二重思考)良くない考えを持つと思想犯罪を問われ、それを顔に出すと表情罪でつかまる。世界は、3つに分かれていて、その非線引地域で仮想戦争を行っている。下記は、物語内に出てくる太文字の単語である。単語を並べるだけでも世界観が良く分かると思う。勝利マンションズ/憎悪週間(ヘイト・ウィーク)/「偉大な兄弟(ビック・ブラザー)があなたを見守っている」/思想警察/真理省/愛情省/新語法(ニュースピーク)/戦争は平和である/自由は屈従である/無知は力である/勝利ジン/勝利シガレット/二重思考(ダブルシンク)/記録局/二分間憎悪/創作局/党内局/人民の敵/青年反セックス連盟/兄弟同盟(ブラザーフッド)/例の本/思想犯罪(ソートクライム)/蒸発/ポルノ課/勝利コーヒー/表情罪(フェイスクライム)/上層、中間、下層/プロレ/犯罪中止(クライムストップ)/黒白(ブラックホワイト)/正考者(グッドシンカー)非常に読み下しにくい文章なので、この物語が書かれた背景やそれを引用する時代背景のなかでしか、存在しない本だと思う。かれこれ、15年前、大学でテクストとして、授業で用いていたがこれを今でもテクストとするのかどうか。バニラスカイみたいな夢か現実かわからなくなってくるという話や筒井康隆のパプリカなど、「今」的であろう。監視社会にご興味ある方は、一読どうぞ。
Mar 26, 2009
1984年/ジョージ・オーウェル/1948年読了/2009.03.24読了/2009.03.241984年★★☆☆☆伊坂幸太郎の魔王を読んで、ファシズム→ナショナリズム→→国粋主義(around三島)→社会主義→ユートピア思想に辿りついた。ああ、長い旅であった~、ふぅ~。正直語彙的には少しづつずれていくのだが、それぞれの言葉が出来た時代背景もあり、現代に生きる、いや「現在」に生きるということはそういうことであると再度認識する。この本は、大学時代の西洋美術史の時間にテクストとして与えられた課題本であった。一緒に、トーマス・モアの「ユートピア」(1516年)を読まされたのを覚えている。大学時代かれこれ、十数年経っているのだが、先生が西洋美術史の時間にユートピア思想について言及した最初の始まりを、この数日来、一生懸命思い出してみた。(←シナプス頑張れ!)確か、西洋美術史の最初の方は、とても宗教的で、キリスト教の歴史を同時に勉強しないと理解不能だったように覚えてる。三位一体、偶像崇拝等、日本人には馴染み薄い「言葉」の説明から始まり、(←そう、「絵画」の話ではなかった!!)キリストやヨハネが宗教絵画として描かれるようになり、やっと「絵画」の話になったと思ったら、さらにその背景に描かれる、風景に「ユートピア」を描いていたという風な流れから、ユートピア思想に入ったように記憶している。西洋美術史のその時代に課題本として出された本がすでに出版されていたかというとタイムラグがある。トーマス・モアのユートピアにしても、例えばラファエロを物差しにすると、ラファエロが亡くなってからだし、1984年が書かれた1948年については、言うまでもない。たぶん、先生は、人間の根源にある、現世に対するユートピア思想、仏教で言うところの西方浄土、来世もしくは、理想の世界について話したかったんだと思う。トーマス・モアのユートピアと、反ユートピア思想の1984年を読み終わった学生が集まる教室は、テクストが重たいこともあり、かなり、ぐだぐだであった。今度またトーマス・モアのユートピアを読み直そうと思うが、その当時の教室、過半が20歳前後の若者が集う場において、「人間は、元来、善であるか悪であるか」といったような議論がなされ、全国から京都に集まった学生が、それぞれの家庭環境や県民性をにじませつつ、必要以上に熱く議論していたものである。その中で、私は、まずテクストの時系列なつながりのおかしさやその描く社会システムの不整合が気になり、その後で、まずは、芥川龍之介の枯野抄を皆に読ませて、感想を述べさしたら性善説か性悪説かわかるのかな、などと考えつつ、人間は本来厳重管理されると反発したくなるが、逆に完全な自由は、逆にかなり不自由だという実感を持っていた。高校生時代に、校風が「自由」という超放任主義の学校で培った独特の経験則からくる断定的な確信を持ってして、ぐだぐたな空気が澱む教室を冷めた目線で、要はバランスなんじゃない、などとあえて白黒つけない感じがオトナでしょ、と斜に構えてみたものである。酔っ払いの文章は、酔っ払いである!である!!ので、テクストの内容については、また明日!!!
Mar 25, 2009
本の星印の基準について考える。映画と違ってこっちのほうがかなり乱読。買ってしまって間違った!っていうのもあるし~。読書の場合、★★★★★ 素晴らしい!一言一句、書き写したい! 今際に見るならこの本!誰かに朗読してもらいたい! ★★★★☆ なるほど!わかるわかる、けどその表現惜しいな~。 いいところもあるんだけどね~。 ★★★☆☆ 可も無く不可も無く。★★☆☆☆ 二度は読まない。★☆☆☆☆ 古本屋さんに売りに行ってきま~す!という感じで、1と2以外はまず大丈夫である。書き写したいと思う文体の良さとああそうきましたか構成の良さは、別物なんだけどね。あと、時代背景もあるな。そういったら、映画もそうだ。映像は綺麗だけど、内容はイマイチとか想像もしなかった!っていう内容だったりとか。単純に星をつけるのって難しいけど、それを言い出すとややこしくなるしな~。。それぞれの数を決めるっていうのもありかも。。
Mar 24, 2009
星印の基準について考える。乱見乱読の快刀乱麻としては、これからの人生、振り返ったときの備忘録としては、確たる基準を持たねばならぬ。晩年に余命幾ばくも無いときにどの映画・どの本を読むか限られた時間に応じて対応できるよう、厳格な区分をするべきである。ということで、、映画の場合、 マイナス評価のつくやつは、まず借りてこない前提で。★★★★★ 人生今までに無いくらい感動した! 今際に見るならこの映画!★★★★☆ 面白い!DVDを買って愛蔵版にするっ!★★★☆☆ 可も無く不可も無く。★★☆☆☆ 面白いけど、二度は見ないな~。★☆☆☆☆ 絶対封印!!開けるな危険!!!という感じで、1以外はまず大丈夫である。上記、基準に基づいて、ドラゴンキングダムは、星3つに変更!でも、ジャッキーとジェットリーにはカンフー教わりたいゾ!
Mar 23, 2009
『ドラゴン・キングダム』 The Forbidden Kingdom/公開2008年/アメリカ観了/2009.03.21★★★☆☆【DVD】ドラゴン・キングダム プレミアム・エディション/ジャッキー・チェン監督: ロブ・ミンコフ製作: ケイシー・シルヴァー 脚本: ジョン・フスコ 出演: マイケル・アンガラノ/ジャッキー・チェン/ジェット・リー/ リュウ・イーフェイ/コリン・チョウ/リー・ビンビン/etc...この話は、孫悟空の如意棒版ロード・オブ・ザ・リングである。主人公のイジメられている米国青年がチャイナタウンで如意棒を手にし、時空を超えた旅にでて本来の持ち主である孫悟空に如意棒を返すためにカンフー修行をするというストーリー。ジャッキー・チェンとジェット・リーの2大カンフースターの文字通り夢の共演。ジャッキー・チェンとジェット・リーのアクションシーンは何度見ても、イイ!袖をくるくるっと腕に巻きつけて、闘ってみたい!と思って、浴衣を出してきてやってみる。うう、長さが足らず巻き巻き出来ない!残念(T_T)たぶん都はるみ並みの振袖だったら出来るんだと思う。間違いない!映画としても面白くて二人とも二役をしている。ジャッキーは、酔拳の達人(古代中国)/質屋の老人(現代)をしているが、質屋の老人なんて、2回目見ないと分からなかった。。ジェット・リーは主人公を孫悟空に導く僧と孫悟空を。硬派なイメージのある彼だけど、孫悟空のジェット・リーは、茶目っ気たっぷりで、これもイイ!何が羨ましいって、主人公のイジメられ米国青年は、この二人からカンフーを教わるのである!いいな~!いいな~!!ジャッキー・チェンとジェット・リーにカンフーを習えるなら習ってみたい!カンフーもの、好きだな~ってことで、星4つ。買うかどうか聞かれると買いはしないので、星3つに変更。けどまた見たいって思う!-ちなみに「HERO」は買いました。
Mar 22, 2009
『幸せになるための27のドレス』27 Dresses/公開2008年/アメリカ観了/2009.03.22★★☆☆☆ 【DVD】幸せになるための27のドレス 特別版洋画監督: アン・フレッチャー 製作: ロジャー・バーンバウム、ゲイリー・バーバー etc..脚本: アライン・ブロッシュ・マッケンナ 出演: キャサリン・ハイグル/ジェームズ・マースデン/マリン・アッカーマン/ジュディ・グリア/ etc...この手の映画は、間違いない。最後は絶対ハッピーになる、間違いない!相手役のジェームズ・マースデンだが、私の中では、X-MENのサイクロップスである。超カッコイイ!!サングラスを外さなければ!!!そうサングラスを外さなければ!!!!!である。でも彼のは、なんだかんだいって結構見てるんだな、これが。「きみに読む物語」、「魔法にかけられて」にもいたよな。見るたびに、サングラス外さなければ、、、と思ってしまう。「噂のアゲメンに恋をした!」同様、2回は見ない。でも「~アゲメン~」はまだ、ジェシカが見たくなったらもう一度の可能性は無きにしもあらずだが、これは、もう一度見なくてもいい。でも、ロマンティック・コメディとしては、間違いない!
Mar 21, 2009
公開2005年/日本観了/2009.03.03★★☆☆☆春の雪 ~清顕と聡子の追想物語~監督: 行定勲 原作: 三島由紀夫『春の雪』(豊饒の海・第1巻)脚本: 伊藤ちひろ、佐藤信介 出演: 妻夫木聡、竹内結子、高岡蒼佑、及川光博、若尾文子これは、とにかく主人公の人選が悪い。竹内結子はともかくとして、妻夫木聡程度では。。半端に人間味が出てしまう。原作の清顕は、凄みのある美少年であり、それが人々の心をひきつけていたのだから。。若い頃の草刈正雄、だからといって伊藤英明ではないんだな。そう、Gacktぐらい芝居がかった人がいいと思う。全部Gacktに置き換えてみる。例えば、綾子に好かれて逆に嫌いになるシーン。例えば、剣道場に現れ、本多に剣道が汗臭いから嫌いだと言い放つシーン。例えば、綾子の我儘で雪見に嫌々付き合うけど、徐々に好きになっていくシーン。例えば、シャムの王子に綾子を自慢するシーン。例えば、綾子と逢瀬を重ねていくシーン。ふむふむなかなかいいんじゃない。一度撮り直しして欲しいものである。もちろん、良かったところもある。月修寺のご門跡を演じた若尾文子は、絶品!なんていうかな、美しい三蔵法師を演じた夏目雅子でも70歳を超えてあの美貌は保てなかったと思う。たしかにおばあちゃんなんだけど、美しいし、上品だし、なにより色気がある!森光子の可愛さとは違う、妖艶さ。若尾文子の妖怪ぶりを見るだけでもかなり価値あり
Mar 14, 2009
東京で開かれたセキュリティーショーで、知人から聞いて感服した話を。。。彼は、とあるメーカーに勤めていて、入退室管理のプロである。(大阪では、西梅田にあるハービスエントなどを手がけている。)入退室の管理は、いろいろなやり方がある。例えば、指紋認証または、静脈認証。これは精度の問題がある。もっと汎用性の高いものとして、ICカード。通勤の時に定期をかざせば、ゲートが開くあの技術。どちらにせよ、「人間」が「セキュリティーライン」をまたぐ話である。IDカードに求められるのは、数十cmの世界である。ところが、このICカード、電池とか使えば、技術的には15m、いや、100m先まで飛ばせるそうだ。ただセキュリティーの世界では、そのような先のゲートを開く意味がない。誰かが15m先のゲートを開けば、別の誰かが侵入できるからである。数m先のゲートを開くようなことって何かあるかなって考えた。ETC!これだったら、5m先のゲートを開く意味がある。でも他に何がある?何mも先のゲートを開けられる技術は、業界では周知だが「使えない技術」と皆が思い込んでいた。で、彼のライバル会社で、参考出品していたものが10m先のゲートを開くために、3mの補助円を使うシステム。その3mの補助円を通過しないと、10m先のゲートが開かない。なんと!人間の行動を制御できるのである!受付の前を通過しないと、奥のEVが作動しないとか、とか、いろいろ使い方が考えられるのだ。それまで、「無用の長物」と考えられていた「技術」が発想の転換により、「商品」になる。その瞬間を見た!と知人はかなり感動していた。確かに、なるほどと私も感動した。昔、建築設計をかじっていた私は、別の観点からも感動した。建築の世界では空間のヒエラルキーによってゆるく人間の行動を制御していたものが、セキュリティーの世界では、いとも簡単に、確実に、時に強引に、人間の行動を制御できてしまう。業界が違えば、こうも違うのかと。セキュリティーの世界は、非常に哲学的な感じがするなぁと思ったのだがご興味があれば、是非来年どうぞ。
Mar 10, 2009
『噂のアゲメンに恋をした!』Good Luck Chuck/公開2007年/アメリカ観了/2009.03.07★★☆☆☆ 噂のアゲメンに恋をした!コレクターズ・エディション / ジェシカ・アルバ監督: マーク・へルフリッチ製作: マイク・カーツ/バリー・カッツ/ etc..脚本: ジョシュ・ストールバーグ出演: デイン・クック/ジェシカ・アルバ/ダン・フォグラー/ロニー・ロス/ etc...「次の人が運命の人になる」という呪いをかけられるチャーリーとドンくさいキャムのドタバタエロコメディー。ジェシカが可愛い!スタイルもいいし。顔がきれいというより可愛い!って感じなんだよな~。ファンタスティックフォーもイントゥーザブルーでも。仕事でクタクタに疲れて帰ってきても、見れば、あまりのバカらしさに、疲れも半分になります。でも2回は見ないな。
Feb 19, 2009
天人五衰(豊饒の海第4巻)/三島由紀夫/1970年読了/2009.01.04天人五衰改版★★★☆☆続けて、三島をアップするのをためらいつつ。起承転結で構成された豊饒の海の最終巻。語り手は、老いた本多である。主人公は、港の信号所で働く透である。ひょんなことで知り合い、体に生まれ変わりの証拠とされるほくろを発見し、即、養子縁組を行うのである。で、実はこの巻もかなり、メンドクサイ。途中で、本のタイトルである天人五衰の説明が入る。その説明の入り方が、司馬遼太郎みたいな、もしくは、ヤッターマンでメカの説明がはいるような感じの唐突な入り方なのである。「説明しよう!天人五衰とは、天人の五衰である。 五衰とは、五つの衰える様をいい、 一度その五衰が始まれば、如何に天人であっても 輪廻転生死を転ずることなく、死を避けてとおる ことは出来ないのである~!」本文に戻る。本多は透を養子にするのだが、本当に透は清顕の勲のジン・ジャンの生まれ変わりなのだろうか!?という疑問がむくむくと頭をもたげる。(生まれ変わりなら20歳までに死ぬことに物語ではなっている。)若さへの憧れで透を生まれ変わりと信じ込んだのではないか?ここで、本多は今まで記憶の中でしか振り返らなかった自分の若き日々を、実際に訪れようとする。そう、物語の始まりである清顕の恋人、落飾した聡子に会いに行く。本多が76歳、実に56年ぶりである。ワオ!さらっと結末を書く。聡子は覚えていないのだ。覚えてないどころか、あなたの記憶違いですよという!それは、まるで、「東京大学物語」における水野遥の夢オチなのである!嗚呼!なんと!!四半世紀における本多の執着を、幻だと言われ、ひいては、自分自身も幻か。。。読了後、あまりの顛末に星2つと判定したのだが、三島の美しい文章を、物事の切り取り方の面白さを加味して、星3つにした。特に私が気に入っているのは、2箇所ある。とある観光名所で、友人である慶子が記念撮影用の絵看板(あの顔を出して写真をとるやつ)で顔をだして本多と写真をとりたがるシーン。いい年したカップルが何やってんだかとまわりからも注目されて、本多自身も恥ずかしいな~って思いながら顔を出したときに、「見る」「見られる」関係が逆転したというこの切り取り方。主体/客体の視点のスライド。もうひとつは三島の美しい文章。それは、京都の北野天満宮にある国宝北野天神縁起絵巻の描写。私は見たことがないのだが、その絵巻にある天人五衰図を描写するシーンが、圧巻である。「魅惑がすみやかに剥落して夕風に舞ってはためく・・・ 快楽の砂金が、一せいにさらさらとそこを 辷(すべ)り落ちてゆく。・・・」3頁にわたる三島語による描写。現物は想像するに、もともと菅原道真公の絵巻であるので、漫然と見ていては上記のようには見えないはず。その一部をかように切取り、私のような凡人にもわかるように、「美」を堪能させてくれる。それは、土門拳が、古寺巡礼で仏像の美しさを見せてくれるように。この文章を読んで、今度北野天満宮の宝物殿を訪ねようと思った。4巻を通じて、「生」「純」「恋」「老」を描いた三島が、語り手本多が感じたように、その人生を泡沫の幻と感じたのかもしれないなと思いつつ、三島というフィルターでもっといろいろな「美」を見てみたかったと思うのは、私だけではないと思う。
Feb 18, 2009
暁の寺(豊饒の海第3巻)/三島由紀夫/1970年読了/2009.01.02暁の寺改版★★★☆☆三島の長編大作は、分かりやすく起承転結となっている。で、この第3巻にあたる本編は、「転」であり、かなり、転じる。。西洋思想にあまりない、輪廻転生をテーマとした長編大作において、日本の仏教を語った後には、本場の仏教を語るのである。かなり、テクスト的であり、かなり、メンドクサイ。半分、ホント、教科書である。この巻は、本多が主人公である。前2巻においては、主人公は、清顕であり、勲であったが、今度の生まれ変わりは、シャム(タイ)の王女であるために1人称で語りえなかったのか。。物語は、2部に分かれる。1部は、本多がシャムで幼い姫君に会う物語。幼い姫君は、自分が清顕や勲の生まれ変わりであると主張するのだが、誰にも受け入れられない。2部は、時間がたち、大きくなった王女が日本に留学してからの物語。ただし、幼い日々に清顕や勲の生まれ変わりであることはなぜか忘れている。で、ここから、突如として、本多が、王女ジン・ジャンに恋焦がれる話になっていくのだ!突如として、としかいいようがない感じで、仏教の大乗・小乗の違いについて丁寧に説明的に語っていた部分に比べて、本多が、ジン・ジャンに恋焦がれ、のめりこんでいく心情は、あまりに言葉足らずな感じを受ける。三島の女性への恋愛感情の描写は、谷崎ほど叙情的ではなく、独白に近い。いうならば、女性の美しさを肉眼で捕らえた描写であり、触感に訴える描写ではないのだ。そこからは、その肌の柔らかさや匂いは感じられないのである。どこまでも視覚的である。で、結局、「老いらくの恋は儚い」である。嗚呼、悲しや、悲しや。
Feb 17, 2009
奔馬(豊饒の海第2巻)/三島由紀夫/1966年読了/2009.01.01奔馬改版★★★★☆奔馬とは、勢いのよい様を表す言葉である。第1巻で出てきた清顕の友人本多が年をとり、関西にきている際に、生まれ変わった清顕にあう。それが、清顕に使えていた飯沼の息子、勲であった。なぜ生まれ変わりとわかるのか?清顕が死ぬときに「滝の下で会おう!」といった言葉や清顕の夢日記のとおりに勲が活動していることが生まれ変わりの証拠であるという。で、第1巻を読み返しながら読み進めて行くのだが、たしかに、伏線がたくさん張り巡らされていたのだなと改めて気付く。第1巻はそれだけでも面白いのだが第2巻とセットでさらに面白くなる。ただし、この勲少年非常なる「ナショナリズム」である。ちょっとメンドクサイのである。飯沼がご主人である清顕の教育に失敗したという思い、飯沼の教育は、もっと男らしく、もっとお国のためにという教育なのであるが、それがかなり顕著に勲少年に現れる。途中その思想というものが神風連(しんぷうれん)史話という挿入話にて語られる。それを勲が純粋に薫陶し、決起するべく動いている中で、まわりのオトナたちが捕らえてしまう。捕らえられたからには、勲は自決したいのだが、まわりのオトナたちは、世論を動かし、少年が死刑にならぬよう計らうが、結局、なんやかやあって勲は自決してしまう。三島のナショナリズムといったときにこの勲少年を思い浮かべるのは私だけなのだろうか?「ナショナリズム」が「純粋」というのではない。ひとつの思想に出会ったときに、それに傾倒していくさまを「純粋」というのならば」、「純粋さ」の追求、それは「若さ」を呼ばれてしまうのか。分からないのだが、勲少年を「純粋」と呼ぶのなら生きていく上では、その「純粋さ」は、「不完全」なのではなかろうか?思想の純粋さだけでは、生きていけない人間ならば、不純であり、様々な矛盾を孕むほうが、完全ではないのだろうか?これを読みながら、好々爺になった三島を見てみたかったと思うのは、私だけでないと思う。複雑な思いを抱えながら、第1巻とあわせて星4つとした。
Feb 16, 2009
春の雪(豊穣の海第1巻)/三島由紀夫/1965年読了/2008.12.26春の雪改版★★★☆☆三島の最後にして最大の問題作品について、私見を述べるのをお許し頂きたい。三島作品は、若い頃にいろいろ読んだがなじめなかった。このたび、伊坂幸太郎「魔王」→三島由紀夫のナショナリズムという無謀な旅にでようと思わなければ、読むことも無かったであろう。春の雪は4巻に及ぶ豊穣の海と名づけられた抒情詩のプロローグにあたり、様々な伏線が張り巡らされているのだが、それも2巻3巻と読んで気付くことであるので、率直な感想をここで書き記すこととする。悲恋と呼ばれる物語であるが、私にとっては、コメディー!であった。主人公清顕は、公爵家の一人息子である。超美少年の18歳、これがなかなか、うじうじしたメンドクサイやつである。同じ貴族の幼馴染の美しい綾子が、自分に気があるから、気があるから逆に好きじゃないんだ、などと、まるで「今から好きになろうと思ったのに~、先に好きになられたら、 好きになれないよ~」のび太くんもびっくりである。綾子に「私がいなくなったら困る?」と聞かれ、悶々と悩み、綾子が縁談話を断ったという話を聞いて、「やっぱりあいつはボクのことが好きなんだ!、ボクを惑わすとは不届きな奴め!ボクをもっと好きにさせてこっぴどく振ってやるからな!」と復讐を誓う。↑↑おいおいそれは違うだろっ!↑↑ただこの美少年のび太くんのお茶目なところは、「ボクがからかわれるのは、ボクが童貞だからだ!」と考え、『綾子さん、ボクは実は昨日、父に連れられて、 然るべきところに行き、オトナになりました!』とわざわざご丁寧にも手紙を出すのである!ところが、この時、シャム(タイ)の王子が留学に来ていて、「ボクの許婚です。綺麗でしょ?キミには恋人がいないの?」と写真を自慢げに見せられ、ついつい、「ボクにもいますよ、とても綺麗な人です。」もちろん、綾子しか頼める人がいなくて、「この前、手紙を出したけど、中を読まずに破って欲しい」と綾子のお手伝いさんに頼む、大バカ者である。綾子も心得たもので、シャムの王子に紹介するときにきちんと綺麗に装ってきてくれて、清顕もご満悦。ここで事件が起こる。雪の降った日に、綾子が学校を休んで出かけましょうと誘ってくるのだ。なんて我儘なんだ!けどもういいや、やっぱり好き!と恋の奴隷にしてやろうと考えていた少年は自らが恋の奴隷になっていくのである。で、後にいざ事を構える段になって、綾子に「あなたは、子供よ!」となじられる。実は、この前破ってくれと頼んだ手紙を綾子が読んでいて、さらに童貞であることを、綾子が知っているとわかり、のび太くんは、すねすねである。さらに事件が起こる。綾子にまた縁談が持ちあがる。今度は断りにくい縁談なので、清顕の両親も清顕に異存はないか尋ねる。また、ここでこののび太くんは、綾子と喧嘩中なのでで、「異存ないです。」 ←←(ーー;)自ら撒いた種で、自ら落ちていくどうしようもないのび太くんである。で、このあと、昼メロ的展開が続いていく。。。単体の主人公を見ていると、ホントどうしようもないやつだなと思うのであるが、ところどころに三島的思想がちりばめられている。親友である本多が、清顕に語るシーン。「西洋の意志哲学は『偶然』をみとめずとしては成り立たない。 偶然とは意志の最後の逃げ場であり、賭けの勝敗であり、…… これなくしては西洋人は、意志の再々の挫折と失敗を 説明することができない。その偶然、その賭けこそが、 西洋の神の本質なんだと俺は思うな。意志哲学の最後の 逃げ場が偶然としての神ならば、同時にそのような神だけが、 人間の意志を鼓舞するようにできている。」もちろん、三島的描写や文体はいうまでもなく随所に幾多ある。やはり、作家はその文体、テクスチャーが大切だなと思う。全体としては、西洋哲学vs日本思想の教科書的寓話という感じか。
Feb 15, 2009
葉隠入門/三島由紀夫/1967年読了/2009.12.01葉隠入門★★☆☆☆「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」葉隠入門は、三島がナショナリズムへ傾倒していく際に引用した江戸時代の処世指南本である。現代で言うところのビジネス本だ。なぜ三島がこれに傾倒したのか、その時代に生きていないとわからぬ部分も多いのであるが、普通に読むと「江戸時代爆笑世渡指南本」なのである。面白いものを一部抜粋。 ・欠伸(あくび)をとめる法 ←(ー_ー)!! ・翌日のことは、まえの晩から考えておくこと ←(^^ゞ ・志の低い現代の奉公人 ←(~_~) ・男らしい男がいなくなった風潮 ←(@_@;) ・酒の座の心得 ・人の心を見定めようと思えば、病気をしろ ←(;O;) ・若いうちに出世しすぎてはいけない ・三十歳を過ぎれば、とくに謙虚になること ・初対面のつつましさでつきあうこと ・好人物は、人生の落伍者になる ・上役飼育法 ←上司の操作法が書いてある!いいなと思ったもの ・自分の定見をもたないこと ・一念、一念とかさねて一生結構、愚痴っぽい感じで、江戸時代もなかなか大変だったのねって同情してしまった。うん、池波正太郎の男の作法を読みたくなったぞ。
Feb 14, 2009
魔王/伊坂幸太郎/2004年2005年読了/2008.11.01★★★☆☆この小説は、「魔王」と「呼吸」からなる。2004年の頃、小泉政権による小泉劇場のさなかであったことを皆さんは覚えておられるであろうか。あのメディアでの旋風を伊坂が「ファシズム」とどう違うのであろうかと考え、書いたのではなかろうかと私は感じた。「ファシズム」は単純な「全体主義」であり、そこに思想はないのではないかという問いかけ。「ファシズム」と「ナショナリズム」は確かに違う。「魔王」においては、メディアで取り上げられ国民が熱狂していく「ファシズム」政治家として、「犬養」がでてくる。物語の中で、「犬養」は自ら「ファシズム」宣言したのではない、まわりがそういう状況になっていっただけである。「犬養」という言葉で、私は、あの「犬養毅」を思い出すのだが、それが、伊坂マジックだと感じる。「犬養」「犬養」「犬養」と何度か目にするうちにあなたはもう政治を舞台にした物語に取り込まれているのだ。それは、政治の状況や人間模様を克明に描かないとわからないのに象徴的な言葉を使うことで即時に政治物語に取り込む巧みさ。もうひとつの複線として、主人公が特殊能力を持つようになるのだが、これについては、謎のまま物語は終わる。謎を解き明かして欲しいという少し物足りなさで、次の「呼吸」を読む。「呼吸」は、先の物語の弟が主人公となる。先の後日談なのだが、「犬養」が政権をとり統治を進めていく様を描いている。先の物語の謎は謎のままである。このあとに、「モダンタイムス」という続編がでるので、たぶんそこに答えが出るのであろう。これらの小説は、「モダンタイムス」のプロローグなのだ。ただし、もうすでに「伊坂マジック」に取り込まれていることにお気づきだろうか?「モダンタイムス」その言葉で、あのチャップリン映画の「モダンタイムス」を思い出さない人がいるのだろうか。わたしは、まだ、「モダンタイムス」を読んでいない。これから、伊坂が提起した「ファシズム」についてもう少し考えようと思い、「ナショナリズム」作家三島由紀夫と1949年に書かれたジョージ・オーエルの「1984年」を読み返してみようと思う。
Feb 13, 2009
森見登美彦/太陽の塔/2003年読了/2009.02.04太陽の塔★★★★☆結構あたりかまわずいろいろ読むのだが久しぶりに文体で読んだなって感じ。例えば、伊坂が映画になりやすいならこれは映像化しにくい、もしくはこの文章の面白さはまた別に味わえる作家だと思う。一文一文語句を楽しめます。籠絡(ろうらく)桎梏(しっこく)僥倖(ぎょうこう)などという言葉を主人公が普通に使って描写をするなど、普通の人なら考えられないだろうが、京大生なら本当に!考えられる。たぶん、筆者も普通に使っているのだと思う。ここで、是非使って頂きたい美しい文語日本語を伝授しよう。以下の文章を一言で表せ。 朝。目が覚めたんだけど、ちょっと時間が遅くて、 今からむっちゃ急げば、1限目に間に合うけど、 ああぁ、昨日、お風呂に入らずに寝たんだ、 シャワー浴びなきゃな、けど、昨日そんなに汗かかなかったし、 このままシャワー省略しても大丈夫な気がする、 でも夕方にコンパがあるので、備えるのならば、 シャワーは必須。だが、シャワーを浴びれば、 1限目に間に合わない。でもあの教授は 出席を最後に提出するレポートでとっている、 なら、あと1時間は時間があるぞ。 急いで布団から出よう!と思ったら、 すっげー寒い。一旦布団にリバース、ああ、 出るのにかなり勇気がいるぞ、ただ、 あのストーブまで辿りつけば何とかなる。 何で昨日寝るときにタイマーしておかなかったんだろう、 こんなに寒い朝になるとは。 あと、45分、ヤバい急がなきゃ、よし、出るぞ、 よし、ストーブをつけた、暖まるまで、 布団にリバース。ふぅ~。 あと40分、 自転車で大学まで12分、4階の教室まで3分を加味してあと25分、 10分でシャワーを浴びて、5分ドライヤー、服を着るのに5分で 5分の余裕。 よしよし!いいぞ! 冬になるとホントはシャワーじゃなくって、 湯船につかりたいね、少し熱めのシャワーで、やっと、 目が覚めてきた、ふう。 そんなにゆっくりしていられない、早く出なきゃ。 あああああ! 18分シャワーを浴びていた!まずい!ドライヤー省略、 服は何にしよう、ジーンズはありきたりだし、コーデュロイにするか、 ぽちぽちとホコリがついてる、うう、講義を聴きながら、 身づくろいをするってことで勘弁してやるか。 で、下着はもちろんBBRの勝負パンツ。 ああああああ!BBRが、洗濯カゴに!! うう、今から洗濯を急いでするか、 そうすると、1限目は出られないわけで、 出席ぎりぎりだからとてもまずいわけで。 じゃあ、ノーパンでズボンをはいて、途中で下着を買うか、 でも、ブランド下着はコンビニでは売っていないわけで。 ああどうしようああどうしよう!!答)「1限目出てなかったね、どうしたの?」 「ちょっといろいろ逡巡(しゅんじゅん)していてね。」ああ、美しい、なんて素敵だ!ビバ!文語日本語!使ってみてね
Feb 12, 2009
懲りもせず、バラを折る。昨日と違うのに、お気づきであろうか。実は、せっせ折っていくうちに、ネット上で福山ローズなる折り図を発見!広島県福山市が薔薇で有名ということで、福山工業高校の方が折り方をアップしてくれてるのだ!すごく分かりやすいので、すぐ出来て、さらに美しい!!ブックマークにいれておいたので、興味のある方はどうぞ→→一度折ると違う色で折りたくなり、今度は時間を短縮したくなり、結局昨日のバラと同じくらいの時間、10分程度で折ることができるようになってしまった。。15cm角の折り紙で折ってもいいのだが、4分の1のサイズで折ったものが、上記の写真である。ひとつ10分として、約40個作ったので、、、嗚呼またやってしまった。。なぜに、そんなにたくさん折るのか。よく誕生日で、年の数だけバラを贈ったり贈られたりってちょっとキザだけど、実際しようと思ったらかなりお金がかかるって知っていました?学生の頃、お金がなくって、小菊みたいにたくさん花がついてるスプレーバラだった思い出がある。あの時ほんとにお金なかったよな~。しみじみ。。今なら買える、買おうと思えば買える、バラを年齢分。年齢分?おおおおお!いつの間にやら十数本増えてるじゃないか!!財力がついた分だけ年をとり。合掌。とりあえず折っとこ。トーヨー 折り紙 068001 タント12カラーRD(赤系)
Feb 11, 2009
堂島アヴァンザ1階の文房具屋さんでタントの折り紙発見!タントとは紙の名前で、画材を少し知ってる人ならよく聞く名前だ。普通折り紙は、裏面は白いのだが、タントの折り紙ということで、両面色付き!しかも、赤色系をまとめていて、バラの折り図付き!わぉ!ってつい買ってしまって、折り始めたら楽しくって、ついつい折りすぎ。。いつ止めたらいいのか分からない。。。折り紙って誰が折っても、いつ折っても変わらないものだと思っていたら折り曲げるぐあいによってかなり表情が変わるのだ。だいたいひとつ折るのに10分弱かかるので、我ながら馬鹿だなと思う。約40個折ったので、400時間=6.7時間。。。。紛うことなき馬鹿である。タントがなくなったので、また買うことに。タントをたんと買おう!などとおやじギャクがくるくる回る。とりあえず赤色系。トーヨー 折り紙 068001 タント12カラーRD(赤系)青色系で折るバラもオツなものである。勿忘草は陰気な感じがするので、折る気になれず。トーヨー 折り紙 068002 タント12カラーBL(青系)ついつい、いろんな色を買ってしまった。緑色系には、四葉のクローバーの折り図が、黄色系には、ガーベラの折り図がついているので、来るのが楽しみ♪
Feb 10, 2009
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