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2015.05.06
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 ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日、QVCマリンでの千葉ロッテ8回戦のマウンドに上がったのは高梨裕稔だった。

 ローテーション通りなら大谷翔平が投げるところだが、足の不安のため登板を回避。同一カード3連勝の期待は、入団2年目の右腕に託された。高梨にとってはプロ初登板である。

 念願のデビュー戦は、ほろ苦い結果に終わった。
 3回1/3を投げて被安打5、与四死球4の4失点。立ち上がり、岡田幸文にいきなり死球をぶつけた高梨は制球に苦しみ、四球を出しては足を絡めたロッテの攻撃に揺さぶられる。カウントを取りに行った甘いボールは、ことごとく打たれるという悪循環に陥った。

 日本ハムは序盤の失点を盛り返せず2-7と完敗し、高梨は敗戦投手となった。

 敗戦という結果はともかく、この高梨の初登板によって昨年入団した8人全員が一軍デビューを果たした。

 プロ入り2年目の5月で全選手がデビューするというのは、日本ハムでなければ考えられない。この球団の若手起用は、とにかく大胆のひと言に尽きる。

 積極果敢な起用の根底には、一軍の試合に出なければわからないこと、学べないことがある、という考えがある。学ぶべきものがあるのなら、早めに学んだ方がいい。


 かつて、中日の山本昌にデビュー戦での思い出について尋ねたことがある。1986年10月16日、神宮球場での対ヤクルト26回戦。プロ入り3年目の左腕は1-5とリードされた6回にマウンドに上がり、広沢克己に2ランホームランを叩き込まれた。

「初めて一軍に出て驚いたのは、キャッチャーの構えるミットがとにかく小さく見えたってこと。学生時代や二軍の試合はデーゲームばかり。ナイターに慣れていなかったんだ」

 これもまた一軍にデビューしなければ、わからないことだ。

 同じ野球でも、一軍と二軍は似て非なるものだ。結果を求められる一軍のプレッシャーは、鍛錬の場である二軍の試合とは比較にならない。その一軍のマウンドに高梨は立った。満員のスタンドの熱気、相対する打者が醸し出す威圧感は、いままで経験したことのないものだったはずだ。

 2年目の春に巡ってきたチャンス、高梨は実力をほとんど出し切れないままマウンドを降りた。ストライクを取ることに四苦八苦し、打者と駆け引きをする以前に自分との戦いで負けてしまった。これはおそらく、一軍のマウンドに立たなければ経験できないことだったはずだ。
 一軍で結果を出すためには……。
 いまごろ高梨は、いままでよりも高い次元の悩みに直面しているだろう。それが明日の成長の糧になるのだ。

 近い将来、高梨がふたたび一軍で出番を得て、今度はしっかりと結果を出したとする。それは初登板の失敗が生きたということになる。

 早く一軍で通用する選手を育てようと思ったら、早めにチャンスを与えるのがいい。それがたとえ失敗に終わったとしても、いい選手は失敗を糧にして、またひと回り大きくなるもの。それが限られた人材を最大限に生かそうとする日本ハムの哲学。2015年組も、やがて次々と出てくることだろう。





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最終更新日  2015.05.06 11:03:18
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