しーちゃんとお散歩

しーちゃんとお散歩

November 6, 2006
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カテゴリ: カテゴリ未分類
お久し振りです。

また、掲示板や私書箱にご心配のメッセージを送ってくださったにもかかわらず、お返事をしなかったことをお許しください。

ずっと書かずにいた楽天日記ですが、報告させていただきたいことがあり今日限り再開することにしました。
かなりの長文になりそうですがどうかお付き合いください。

まず8月20日にわたしのもとへひとつの命がやってきました。
そして10月28日にわたしのもとからひとつの命が去っていきました。

8月20日の命はわたしの息子です。
無事に誕生し元気に大きく成長してくれています。


5年間の想い出を残してわたしのもとから去っていきました。

このブログを更新していた頃には公表しなかったのですが、しーちゃんには2年越しの持病がありました。
ひとつは膀胱炎のような症状。もうひとつは一度ひどい下痢をしてから治らなくなってしまった軟便です。
当時は心配で病院にも通ったのですが検査で異常を発見することができず、単なるクセもしくは体質でしょうと言われていました。

そのふたつの症状が、このブログの最後のあたりから徐々に悪くなっていきました。
言葉でこそ言ってはくれませんでしたが、毎日しーちゃんを見ていたわたしにはしーちゃんが不自由と何らかの痛みを感じていることに気がつきました。
これは絶対におかしい、ただ事ではないと思い病院に連れて行ったのですが、またしても便の検査でも尿の検査でも異常はみつかりません。
それでも何度も通いました。
病院も変えてみました。
知り合いにちょっと遠いけれどいい病院があると聞き、そこにも通いました。
そしてその病院で6月におこなった膀胱鏡検査でわかったことは、しーちゃんの尿道には良性のポリープがあるということでした。

しかしこの時点でしーちゃんの体力は見た目よりも弱っていました。
膀胱鏡の検査で使用した麻酔にギリギリ耐えてくれたという状況だったのです。
これ以上しーちゃんに麻酔をかけて体を切り刻まれて、それでこのときしーちゃんにおこっていた全ての症状が治るならいいけれど、問題はポリープだけではないのです。
全てが治り元通り。そんな保障はどこにもありません。
もしも痛い思いをするだけだったりひとりぼっちで寂しく死んでしまったりしたら。。。


わたしは結局地元の獣医さんに相談をしました。
地元のベテラン獣医さんもたくさんのワンコを診ているので、しーちゃんが今どういう状態にあるのかわかったのでしょう。
お腹は切れない、もしも切ったとしてもこの子を治せるとは思えないとあらためて言われました。

その日からはステロイドのお世話になりました。
しーちゃんの体を治すことができないなら、せめてしーちゃんに痛い思いをさせたくなかったのです。


ステロイドは魔法のように効き、一時は元気にもなりました。
でもそれも長くは続かず、症状は一進一退を繰り返しながら徐々に悪くなっていきました。

夏ごろからは昼間はしーちゃんにお外にいてもらうようになりました。
頻繁に尿意と便意があるしーちゃんにとってはその方が楽だったようです。
いつもデッキの下でお腹を冷やしていました。
10月になると夜もお外にいてもらうことになりました。症状は昼も夜も関係なくおこっていたのです。
そのことについてしーちゃんがどう思っていたのかはわかりませんが、いままではいつもわたしのそばにいたしーちゃんが、今はお庭にいる。
その事実がわたしにはとても辛かったです。
身を引き裂かれるおもいがしました。
一方のしーちゃんは家の中でお漏らしをしてしまうよりはお外でいつでも自由に排便できる方を選んでいたように感じました。
ここらへんの感じ方はしーちゃんの生い立ちも関係していたのかもしれません。
もしもしーちゃんが生まれてからずっと家の中で育ったワンコだとしたら到底たえることはできなかったでしょう。

オムツも考えたのですが、腸の疾患でお尻がとても痛いのに(もう何ヶ月もおすわりの姿勢をすることができなくなっていました)オムツなんかして、余計に辛い思いをさせてしまうかもしれないし、だいいち洋服を着せただけで固まって動けなくなってしまうしーちゃんに、オムツをつけるということが、本当にいいことなのかがわたしには判断できませんでした。



わたしはしーちゃんと暮らすようになってから、漠然と思っていたことがありました。
それはしーちゃんには最後までできるだけ楽しく暮らしてほしいということです。
そしてそれができなくなったときや、しーちゃんが痛みにのた打ち回るようなことになったときには、安楽死という選択をしようと思っていました。
そして現実に目の前のしーちゃんは生きることを楽しんでいるとは到底思えないような姿になっていました。
オシッコが常に出っ放しの止まらない状態になりお腹が硬く腫れてきました。
病院に連れて行くと先生がレントゲンを撮ってくれました。
しーちゃんの膀胱はありえないサイズに腫れていました。
その直後あたりから、食欲はなくなり10月20日からはあんなに大好きだったお散歩にも行けなくなってしまったのです。
夫とも何度か真剣に話しました。
そのときに言われたひとことがわたしを迷わせました。
「しーちゃんはあんな風になっても夢を見ることができるんだよ。現実にはお散歩に行けないとしても、夢の中では草原を走り回っているかもしれないんだよ」

確かにそうかもしれません。
そういわれてみれば、眠っているときは痛みを感じていないようにも見えます。

どうしたらいいのかわからなくなったわたしはしーちゃんの先生に電話をしました。
先生はこういいました。
「安楽死するかしないか、基本的には飼い主さんの要望に従うだけです。ただしこの子のケースで言えることは、病気はもう治らないということです。
あとは悪くなる一方ですから。私が言えるのはそれだけです」

わたしはこの言葉でしーちゃんの安楽死を決めました。
日にちが決まったらまた電話をしますといって電話を切りました。

それからの数日はさらに迷いの日々でした。
一日でも早くしーちゃんを楽にしてあげたい気持ちともっと一緒にいたい気持ち、本当にしーちゃんを殺してしまってもいいのかという葛藤で頭が変になりそうでした。
しかしこうしてわたしが迷っている間にもしーちゃんの容態は目に見えて悪くなっていきました。


もうこれ以上はかわいそうだ。
ついに先生に電話をしました。
しかし先生はたまたま出先だったので夕方もう一回電話をくださいと言われました。
その後です。わたしがお庭に出て行くといきなりしーちゃんがリビングに入れてくださいといってきました。
わたしはすっかり軽くなってしまったしーちゃんを抱っこしてリビングに入れました。
しかししーちゃんのオシッコは常に出っ放しの状態だったので「リビングを自由に」というわけにはいきません。
いつもしーちゃんがいたリビングの一角を囲いトイレシートを敷き詰めて、しーちゃんのベッドを設置しました。
わたしはしーちゃんが同じ空間にいてくれることがうれしくてうれしくて、このままもっともっとしーちゃんと一緒にいたいという気持ちでいっぱいになりました。
しーちゃんもうれしかったのか食欲も少し出たみたいで、今まで食べなかったおやつをおいしそうに食べてくれました。

夕方になったので先生に電話をすると、先生は明日わがやに来てくださると言いました。
わたしはあわてて言いました。
「でも先生。しーちゃんがまたごはんを食べてくれたんです。先生どうしよう。。。」
すると先生は
「では明日の朝、もう一回電話をちょうだい」
と言って電話を切りました。

しーちゃんともっと一緒にいたい。しーちゃんはこのまま元気になるかもしれない。

しかしそんな少し浮かれた考えを打ち破るかのように、翌朝にはしーちゃんは前日に食べたものを全て吐いてしまいました。
腹水も溜まっていました。
何日もほとんど食事を食べなかったのでペッタンコだったお腹が急に膨らんでいるのです。
あれだけ出ていたウンチが、気がつけばもう2日も出ていません。
このまま放っておいたらしーちゃんは苦しむだけだ。
ついに決断のときがきました。

先生に電話をしたあとは、お庭でしーちゃんの隣りに座ってずっと撫でていました。
しーちゃんもわたしに甘えてくれました。
こうしてしーちゃんのぬくもりを感じていると、自分の決断が本当に正しいのかこの期に及んでも迷いが生じます。
本当にいいのか。まだしーちゃんは大丈夫なんじゃないか。
頭の中はこの言葉の繰り返しでした。

しかししばらくするとまた痛みが襲ってきたようです。
しーちゃんはわたしのそばから離れてガタガタと震えだしました。
痛いときはいつもそうでした。
「今はさわらないで」と言わんばかりにひとりになり震えているのです。

その後、気持ち悪くなったしーちゃんが吐こうとしてヨロヨロと立ち上がりました。
「ああ、吐きそうだな」と思いながら見ていると吐く姿勢をしたところで力尽きたらしく、私の目の前で泡をはきながらひっくり返りました。
地面に横たわったしーちゃんの目だけがわたしをしっかりと見ています。
パニックになったわたしは慌てて家の中にいる夫を呼びました。
夫は倒れているしーちゃんが息ができるように首の向きをととのえてくれました。
しーちゃんは苦しそうで、体はガタガタと震えています。

こんなに苦しそうな激しい症状は初めてです。
わたしの中の迷いは消えました。
とにかく一刻も早くしーちゃんを楽にしてあげたい。
先生の到着を待ちました。

いま思えば(わたしの良いように解釈すれば)ですが、まるでこれから先わたしを悩ませないように、しーちゃんが倒れて見せてくれたみたいでした。
「ママはもう悩まなくていいんだよ。わたしはこんなに苦しいんだから。はやく楽にしてくれていいんだよ」
そういっていたように感じたのです。

先生が到着してからは全てがあっという間の出来事でした。
しーちゃんは暖かい太陽の日差しを浴びながら10月28日の正午。自宅で静かに息をひきとりました。






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Last updated  November 8, 2006 03:01:57 AM


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