Over The Moon.

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宝生会と私【第二話】

第二話:師との出会い



第一話 より続く・・・


「えっ・・・と、能っていうのは・・・」

話しかけられると思ってなかったのか、
向こうは少々驚きながら話をしてくれる。

・・・まあ当時の私にはちんぷんかんぷんなので
何を言われたのかはよく覚えてません。
どうせ興味ないしねほんとは(ひどい)。

でもしばらくして、

「・・・あー
説明するの面倒くせぇ (・・・この台詞が印象的でした)。
 見たほうが早いと思うので
 どうですか、これから稽古でも見に行きますか」
「あ、はい」

そんな訳で
看板を持った人に連れられて稽古場へ向かうことに。
すぐ近くにあるらしい。

「そこを曲がってすぐなんだけどね」

そうして曲がり角を曲がると
そこには ぼろい 古めかしい建物が・・・。
正直 ひきました

「あの建物の二階です」

言われずともそこに
「観世会」「金剛会」「宝生会」の看板があるので分かります。
能の流派ですよね、あれ。


そうして外にある階段を登ると
なんか うめいているような 変な声が聞こえてきた。
・・・宗教? (どこまでも失礼)

窓越しに私の姿を見つけたどなたかが言う。


「えっ、○○くん(看板の人?)が新入生を連れてきたぞ!」


そんな意外なのかやはり。
やっぱあんな新歓じゃね・・・。

中に入ると手前に30歳代の男の人(この人が言ったらしい)、
座布団の上に男の子が2人。
そして畳が敷かれたその向こうに
舞台があった。

舞台の向こうには鏡があって
その前で扇を持って何人かが立っている。
あとはその横やら、畳の横やらで
扇を手に本を持った人が何かうめいている。
何を言っているのかさっぱり分からない。
・・・なんだろうここ。


「いらっしゃいませ」

女の人が出てきて座布団とお茶を出してくれる。
私はそこに座る。

「いやあ今日は大量だなぁ」

先ほどの男の人が嬉しそうに笑う。

「1回生だよね」
「はい」
「そこにいる2人も新入生なんだ。
 えーと、そっちが××くんで、そっちが鴨くん(仮名)」

同じようにお茶を出されて座っている二人が頭を下げる。
私も下げる。

「ぜひゆっくりしてってくれ」

その男の人は
太陽のように笑った。


*・・・*・・・*・・・*・・・*



この方が今後
仕舞の師匠としてずっとお世話になろうとは
当時の五月は思いもよらなかったのでございます・・・。




つづく。(・・・らしいです)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




相変わらず しょーもないです (すいません・・・)。
でもこのとき丁度師匠稽古の日で、
私は運よく師匠にお会いすることができたわけですね。
師匠の存在はほんとに大きかったです。
どうでもいいですが、このときたまたま鴨くんも見学に来ていました。


では続きはまた今度。



(なんとなく感想とか言いたい人は ここ とか ここ で何か言っていただけると渡理は喜ぶわけです。)



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