少し大人になったかな。

幸せ


愛するあなたは隣に眠り、私は幸せに包まれていた。

あなたとは学生のときに知り合った。目立っているあなたと、何の取り柄もなく常に下を向いていた私。廊下ですれ違うたび私はドキドキしてたけd、あなたはそんな私に気づきもしなかった。
私は次第にそれがどんどん寂しくなっていた。
私はこんなに想っているのにあなたの眼中にも入れていない。
あなたと笑いあう派手できれいな女がうらやましかった。
私はあなたさえ手に入ればそれでよかったから、何でも持っていそうなあの派手な女には消えてもらった。

考えて考えて、私は女を殺した。あなたはてっきり自分が殺してしまったと勘違いし、私はあなたの共犯者になった。
それからあなたは私に忠誠を誓った。
殺人を犯してから数年。あなたは私の元から離れはしなかった。私の思い通りに生きてくれた。
だけどあなたは気づいてしまった。あの女は私に殺された事を。
それからあなたは私を脅し始めた。私はそれが耐えられなかった。こんなに愛しているのに、あなたは私を邪険に扱い、人殺し、悪魔と罵った。

私はあなたを手放したくなかった。
晴れたある日、私はもう一度人を殺した。
息をしなくなったあなたを山に連れて行き森の中に穴を掘って中に寝かせた。私もその穴に入った。用意していた毒を飲むとすぐに意識は遠退いた。

風が心地よかった。愛するあなたは隣に眠り、私は幸せに包まれていた。

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