フィードバック
フィードバックとは?
セッション(練習含む)後、
レシーバーからの感想を聞くことです。
レシーバーからの感想は自分のスキルアップのために
大変重要な情報となります。
個人の要望・嗜好は様々です。
ある人が気に入ったやり方でも、
別の人には不快であることもしばしばあります。
ワッツのスキルアップのために大切なのは、
そうした情報をたくさん集めるコト。
そして、自分のワッツを振り返って、
どのやり方をしたらどういう効果があるのか?
を学ぶことです。
次回あなたのワッツを受ける人が
それを気に入るか/気に入らないかはわかりません。
しかし、
「この人にはこういう効果を与えてあげたらいいだろう」
と見極めるには、フィードバック情報が大変役に立ちます。
講習中のフィードバック
自分のワッツを受けられたらどんなに良いだろう!って思いませんか?
こればっかりは、どうやっても経験することができません。
しかし、その唯一の手がかりとなるのがフィードバックなのです。
講習中は、お互いワッツを学ぶ人同士がフィードバックを行います。
お互いにまだ自分のワッツに自信がないかもしれません。
だからこそ、相手のワッツに指摘するのは、とても言いにくいものです。
しかし、自分のワッツに関する唯一の手がかりを、
練習をし合うお互いがにぎるコトになるのです。
自分のワッツについて知りたければ知りたいと思うほど、
練習相手のワッツに対しても、しっかりフィードバックをしてあげましょう。
フィードバックのしかた
講習中のフィードバックを円滑にしあえるように、次の手順で行なってください。
練習セッションが終わったらレシーバーから声をかけてあげてください。
レシーバー: 「気持ち良かったです。
頭のサポートもしっかりしていたし、
フリースパインはメチャクチャ気持ち良かった!」
(注)常にポジティブなコメントから入りましょう。
ギバー: 「何か気になったところはありましたか?」
(注)意味的には「もっと良くするにはどうしたら良いと思いますか?」というコトです。
レシーバー: 「私としては、レッグ・ローテーションの時に
頭が振られたのであまり良い気持ちはしませんでした。
もう少し頭を動かさないでしてくれると
もっと気持ち良かったと思います。」
(注)あくまで「私的には」など、自分の感じ方としての意見を言いましょう。
ギバー: 「そうですか。他には?」
レシーバー: 「私はコリ症なので、もう少し強く背中を押してもらったほうが
気持ち良かったと思います。」
ギバー: 「そうですか。他には?」
レシーバー: 「いえ。特に。
リズムも良かったし、とても良かったですよ。」
(注)必ずポジティブなコメントで激励してフィードバックを終えましょう。
フィードバックのポイント【アイ・メッセージ】
他人の言動などを変えてもらいたいとき、
「アイ・メッセージ」といわれる手法があります。
「アイ」は、英語でいう「私」、あの「アイ」です。
「私は」で始る文章で、
「相手の現在の行動で自分はどう感じている」、
「相手がこう変わってくらたら自分はどう感じる」、
という表現をする話法です。
「あなたが靴下を脱ぎっぱなしにしてると、
私はとても不潔な気分になってしまう」
「あなたが洗濯機まで持って行ってくれたら、
私はとっても楽だし、気分良く洗濯ができるの」
というような感じでしょうか...(例えが悪いですか?)
英語だと、とても大人で美しい表現になるのですが、
主語さえ省略してしまう日本語だと、少し違和感があるかもしれません。
日本語では、別に柔らかく頼む言い方がありますからね。
ただ、
フィードバックにおいては「アイ・メッセージ」がピッタリです。
要は、
「こうして」「こうしないで」という命令調や、
「こうしたほうがいい」「こうしないほうがいい」という断定調ではなく、
あくまで「私としては」という自分の感じ方のみを相手に伝えてください。
そうすることで、
相手は「あなたはそう感じたのね?」と
少し距離を置いて話を聞くことができます。
それでいいのです。
実際にその通りにするかどうかの判断は、その人がすべきことなのです。
実際にたくさんの人のフィードバックを聞いてみれば、
同じやり方ですべての人を満足させることはできないと、
すぐに分かると思います。
原因は、
レシーバーの独特な感じ方・好みなのか...
はたまた、ギバーの技量不足なのか...
これは、たくさんフィードバックを受けながら、自分で考えていくしかありません。
レシーバーの注意事項
常にポジティブに始め、ポジティブに終わる。
やっぱり誉められて悪い気のする人はいません。
型通りとはいえ、円滑なコミュニケーションのためにとても大切なコトです。
とはいえ、「ウソ」を言う必要はありません。
相手が「うまくできたコト」を伝えることです。
レシーバーはいわば先生です。
ワッツは、お客様に気持ち良くなってもらうためのもので、
レシーバーはそのお客様役なのですから。
そして、
先生の仕事は、まず生徒の良いところを見つけることです。
そして、
先生の仕事の締めくくりは、生徒を激励することです。
なぜなら、
大事なのは、生徒がワッツを続けることだからです。
ギバーの注意事項
冷静に客観的に、そして、聞き出すこと
フィードバックを、自分が評価されるように感じてしまう人は多くいます。
フィードバックは評価が目的ではありません。
自分のワッツに関する客観的な情報です。
そして、やはり、受け手によって良い悪いは随分違いがあります。
相手がお客様であれば、
気になる部分があったということは残念がることかもしれません。
しかし、講習中は、相手が気持ち良かったかどうかは問題ではありません。
どんな相手に対して、何がうまくいって、何がうまくいかなかったのか、
それを学ぶことが、フィードバックの目的です。
冷静に、客観的に、相手の話を聞き出してください。
そのコメントについての判断と選択は、自分で決めればいいんです。
フィードバックの時間に、
ギバーがたくさんしゃべっている妙な光景も、ときどき目にします。
「あの時はこうだったからこうしたの」など、
レシーバーに自分のセッションを一生懸命、説明しているのです。
まるでレシーバーに「責められる」のを避けたがるように...
繰り返しますが、フィードバックは評価するためのものではありません。
レシーバーが自分のセッションをどのように価値付けたかは、全く問題ではありません。
いつの間にか独りよがりのワッツをしていることにならないように、
フィードバックの意味をよく考えてみることをお勧めします。