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カルバドス【CALVADOS】




   『詳説・カルバドスについて』

   知ってる方もいっらしゃると思いますが、    リンゴで作ったブランデーです。

   ものすご~く簡単に言うと
   ※ブドウ →(醸造)→  ワイン  →(蒸留)→ ブランデー
   ※リンゴ →(醸造)→ シードル →(蒸留)→ カルバドス
   となります。

   シードルに関しては、別記詳説しますが、リンゴで作った発泡性のワインと考えてもらっていいでしょう。

   個人的なことを書かせていただきますと・・・

   こんな時期はカルバドスをストレートでグイッとやって、チェイサーでシャンパンを・・・。

   ん~。天国に行った心地になりそうです・・・。

   ■歴史/背景

   フランスの西北部にあるノルマンディー州の県の名前。
   転じてノルマンディー産のシードルから蒸留したブランデーの名前となった。
   詳しくは「オー・ド・ヴィー・ド・シードル・ド・カルバドス」という。
   時には洋ナシ(Perry)から蒸留した物や、それをくわえたものをカルバドスとも言う。
   「カルバドス」とはノルマンディーの「カルバドス県」からきており、
   カルバドス県という名は、スペインの無敵艦隊(アルマーダー)「カルヴァドール」からきている。

   1558年、「カルヴァドール」(must-breaker:マストをへし折る人を意味する)がノルマンディー沖へ侵略してきて、
   そのうちガレオン型戦艦1艇が、アーヴル港の反対側の1郡の岩礁に座礁した。

   その因縁でこの岩礁を

   「カルバドス岩礁」(ロシェ・デュ・カルバドス:Roche de Carvados)

   と命名され、後に県の名前になったのである。

     「カルバドス」という名称も「保証された地理的名称」であって、
   この県で生産される「純正りんごブランデー」が排他的に使用される商品名である。
   最高級のカルヴァドスは「ヴァレ・ドージュ」(Valley d’Auge:オージュの谷)で生産される。

   昔、ノルマン人のディナー(正餐)は長い時間をかけて大量の料理を平らげるの流儀であったため、
   食事の途中で、一服し、食欲増進材をとって勇気づける必要があった。
   この気付け剤にカルバドスが用いたという。

   英仏海峡を船で往復していたころは、
   夜、サザンプトン港を出向して早朝フランスの港についたとき、
   あまり欲しくない朝食の前に上等の老熟カルヴァドスを小さいグラス1杯飲むとは、
   とてもよい

   「ピック・ミー・アップ」(気付け薬)

   だったという。

   特有の酸味と、きつい味に「決して安いスピリット(蒸留酒)と侮ることなかれ」といわれている。
   が、一般的には、カルヴァドスは大衆の酒という認識がある。
   レマルク作「凱旋門」の映画でわが国で紹介されて以来、
   日本でもはなはだ著名であるが、フランス本国では高級レストランでは
   カルヴァドスを供する恥とするし、紳士淑女の好む酒ではないとされる。
   しかし、フランスには立派なコニャックやアルマニャックがあり、
   それ以下のブランデーと認識があるが、フランス民衆は愛飲してる。
   本格ブランデーの産額、価格の高騰なども原因である。



   ■特徴/表記

   ノルマンディー地区の中心部の優良産地「ペイ・ドージュ地区」で生産されるものは、別格扱いされ、
   先にもふれたが、ボルドーワインやコニャック同様に
   アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ(略称AC)法の規制を受けて作られ、
   製品には、カルヴァドス・デュ・ペイ・ドージュACの表記をする。
   これが一般にカルバドスと考えられている酒の中で一級品といえる。
   蒸留にはコニャック同型の単式蒸留器の使用が義務付けられている。
   このペイ・ドージュ地区周辺の10の地区で生産されているりんごブランデーもACの規制を受けるが、
   ペイドージュと違って、半連続式蒸留器の使用が認められている。
   そして、正餐地区がたとえばコタンタン地区であれば、
   「カルヴァドス・デュ・コタンタン」
   というAC表記になるが、複数の地区の原酒をブレンドしてしたものは、単にカルバドスというAC表記になる。

  現在カルヴァドスには3つのACが適応されている。その3つは、

   1.カルヴァドス・デュ・ペイ・ドージュ
   2.カルヴァドス・デュ・ドンフロンテ
   3.カルヴァドス

  ペイ・ドージュACは、最も優良酒を生む。

   アルカリ性土壌の限定地区内で収穫されたリンゴを、コニャック式に単式2回蒸留する。
  ドンフロンテACは、同名地区産原料を、半連続式で蒸留するが、
   リンゴワイン(シードル)に30%以上の梨ワイン(ポワレ)を混合、蒸留するのが条件である。
   カルヴァドスACは、上の2地区周辺で産するもの、
   又はそれをブレンドしたもので、半連続式蒸留による酒。



   ■熟成

                                     熟成年数表記は、コニャックの場合とやや相違点がある。

   コント3(約4年熟成) 
   ヴィユー
   レゼルヴ
   コント4(約5年熟成)
   ヴィエーユ・レゼルヴ
   コント5(約6年熟成)
   VSOP(※コニャックはコント4)
   コント6(約7年熟成)
   エクストラ
   ナポレオン
   オル・ダージュ
   どの表記が認められる。

   ■その他

   カルバドス生産地域の外辺のノルマンディー、ブルターニュ、メーヌの各地方でも、
   りんごのブランデーを作っているが、
   こちらのほうは連続式蒸留機の使用が認められていて、
   酒名は「オー・ド・ヴィー・ド・シードル」となる。



                                                                                                         ■ポモー・ド・ノルマンディー

   ポモー・ド・ノルマンディーはカルヴァドスにリンゴジュースを加えて熟成させたものを指すAOC名称。
   カルヴァドス産地特産ヴァン・ド・リクールのこと。



   ■ヴァン・ド・リクール

   アルコールを添加したワインの総称。
   フランスでは特に、
   発酵してないぶどう果汁にコニャックやマールなどを加えて樽熟成させたものをヴァン・ド・リクールACとしている。
   主な産地はコニャック地方で、そこで産するピノ・デ・シャラントは、最も有名なヴァン・ド・リクールである。
   他にはガスコーニュやジュラなどがある。




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