小学校(前半)




[小学1年生]

1年1組。兄の影響で、スイミングスクールに通い始める。 学芸会では、勝手に

主役に抜擢される。舞台の上で、1人で「こぎつねこんこん」を歌った。 小1

が、あたしの人生の中で1番モテた。近所の男の子にプロポーズされ、結婚を誓

う。放課後には、たいてい男の子と遊んでた(無理やり人形遊びさせてた)。

[小学2年生]

2年1組。この頃から、当時小学4年生だった兄と仲が悪くなる。今思えば、兄に

照れか何かがでてきたとか、ちょっとしたきっかけなんだろうが、本当に仲が悪く

なってしまう。小学2年生のあたしには、何がなんだかわからなかった。兄とは、

この頃から口をきいていない。兄と仲が悪くなったのと同時に、髪の毛を抜く癖が

ついた。 大好きな、大きいおばあちゃんこと曾祖母が亡くなる。103歳だった。

[小学3年生]

3年2組。同じマンションに住んでた美香ちゃんの影響で、英語教室に通い始め

る。兄とは、相変わらず仲が悪い。口をきかないのは当然、喧嘩もしない。家の廊

下で兄とすれ違う時、思いっきり避けられる。小学3年生のあたしには、これが耐

えられなかった。昔みたいに仲良くなりたくて、兄の気を引くために努力する。

が、全て無駄。むしろ、逆効果。兄弟げんかしている友達が、羨ましくて仕方がな

かった。自分が兄とそれほど仲が悪いなんて、誰にも知られたくなかったので、友

達にはたくさんの嘘をついてた。 習い事のピアノが辞めたくなる。母を説得し

て、辞めた。 授業参観、運動会、あたしはいつも祖母に見に来てもらってた。で

も、ホントはずっと、母に見に来てほしかった。学校から帰ってきて、玄関を開け

たら「おかえり」と言ってほしかった(鍵っ子だった)。そんな欲望が頂点に達し、

あるとき母に、泣きながら「仕事を辞めてよ」と言う。いろいろ話した結果、母は

「ともちゃん(あたし)が中学生になったら辞める」と、あたしの涙を拭きながら優

しく答えた。今思えば、泣きたかったのは母の方だろう。この頃からあたしは親不

孝娘だった。


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