第一の壁


学校から悲しそうな顔をして帰ってきた。

夜寝るときに聞いてみたら、休み時間に友達と遊ぶとき、言いたいことが言えなくて悲しいと思っていることを話してくれた。話しかけられないから、どんどん無口な自分になっていく。本当の自分は無口じゃないのに、楽しいことも言えるのに、それが言えない。日に日に「無口な自分」が自分に近づいてきて、それがたまらなくイヤだ。ということだった。

そう。私自身もそうだ。
いろいろ言いたいこともある。なのに言えない。笑うだけ。そういう自分がすごくイヤになる。相手の話がわかるときは、まだマシ。わからない状態の中、その輪の中に存在していることが耐えられなくなるときだってある。

苦しい。

だから、息子の気持ちは本当によくわかる。でも彼の境遇は私以上にツライはず。私以上に言葉が理解できず、話せず、しかも英語がわかることが大前提で授業が行われている。私は英語を英語を教わっているけど、息子は英語で他の教科の勉強をしているのだから。

しかも、子供は大人よりも、言葉がわからないという境遇を理解することができない。まわりの理解も少ないわけだ。

週に2回、放課後に語学学校で補修授業を受けることにした。
本来は、学校の宿題を中心にやるのだが、最初のうちは、日常使う言葉を中心に教わった。友達同士で使う言葉だ。遊びに入れてほしいとき、何かを見せてほしいとき、イヤだと伝えたいとき、などなど。

子供の世界は厳しい。
イヤだ、といいことを表現できないことは大変なことだ。特にこちらの子はハッキリ断らなければ「いいんだ」と解釈してしまうようなので、断る、ということを日本以上にハッキリ言わなければならない。

これが言えるようになったこと、断ってもいいんだということが理解できたことで、少しだけ楽になってきたようだった。

school room
教室の中はこんな雰囲気。カラフル。

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