■白くまFP 奮戦記

■白くまFP 奮戦記

FPになった     「ゆで蛙」


ると、その心地よさにゆで蛙となり死んでしまう。
ちまたでは、変化に目覚めない損害保険代理店のことを「ゆで蛙」と言う。

これから私が書こうとしているのは世間知らずで無鉄砲、勇気と無茶の区別がつかぬまま鍋の外に飛び出したはみ出し蛙のたどった道のりである。

― ぬるま湯での迷想 ―

彼は大手損害保険会社の特級一般代理店店主である。彼は前から悩んでいた。


損害保険の主力商品が自動車保険であるならば、顧客の為には事故処理のプロになるのが一番である。その道のプロとは法律で認められた「弁護士」か非合法の「○○」である。とうてい彼には弁護士になる頭もなく、○○になる勇気もない。そこで、彼は隣接業界の生命保険に逃げ道を求めた。生命保険販売ならば事故処理を武器にすること無く、楽しく仕事が出来るのではないかと…?


でも待ち受けていたのは、損害保険では考えられないGNP(義理・人情・プレゼント)攻勢と、"お金に愛を込めることは出来ませんが、保険には遺族への愛を込めることが出来ます"などと言う人の優しさに付け込む新興宗教のような勧誘の世界と、「この保険に加入頂ければ△△万円節税できます」と言う脱税指導のような営業であった。


彼の根底には、保険には"夢"が無く、人の不幸を商売にしている後めたさがあったようである。しかし、彼は保険の合理性と必要性は誰よりも良く理解していた。

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