■白くまFP 奮戦記

■白くまFP 奮戦記

FPとしての営業



FPを天職と信じていた彼はまたすぐに行動を開始した。
営業畑で15年以上過ごした彼の目から見たFP業界は宝の山のように見えた。
(後で収益の低さに悩むのではあるが、この時は仕事は無限にあるように感た)
彼は3つのことを即実行に移した。

一つ目はFPの教育事業への参加である。
FP協会認定の教育機関に片っ端から営業をかけた。
まだ損害保険の認定講師が少ないこともあり、すぐに三つの教育機関よりFP養成講座講師として採用され、教壇に立ったのである。

二つ目は自らが一般の人々を対象としたマネー講座を企画し、世の中に金融知識を広める努力を行った。これも公民館・カルチャーセンターへの積極的な売込みにより、思った以上の成果を上げることが出来た。
しかし、上記の活動は知名度が上がり、先生と呼ばれ気分的には最高であったが、収入は少なく彼の事務所を維持していくには心もとない額であった。

三つ目は保険以外の金融商品、有価証券(リスク商品)の販売であった。
このことがぬるま湯で育った蛙にとって一番の試練となるのである。


彼の15年来の仕事は、リスクを避けること、リスクを補う方法を顧客に勧めてきたのである。その彼が" 夢をかなえる為にリスクを取り入れましょう… "と顧客に勧めるのである。有価証券投資もしたことがなく、彼を保険屋としか見ていなかった顧客が戸惑うのは当たり前である。保険屋がリスクを勧めに来たのだから……


悩んだ末に彼は、自分がモット金融知識を深めれば、リスクの必要性をわかりやすく説明でき、顧客は夢の実現の為にリスク金融商品も購入してくれると思った。単純な彼はまた、金融工学の勉強に励んだのである。同時進行していたマネー講座でエンドユーザーの気持ちが理解できたことと金融知識向上の相乗効果で、彼はリスク金融商品販売の壁を乗り越えたのである。自信を付けた彼は大胆にも保険で取引きのある顧客に対し、マネー教室を開き投資信託等のリスク商品を販売したのである。今の彼は既存の証券会社等にはない販売方法と、消費者本位の販売でエンドユーザーから強い信頼を勝ち取っている。

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