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独特の酸をaccentにする造り手で、ここは好みが別れるところだろう。近年の批評家には大変評価が高く、若い愛好家にもファンが多い。tightでスタイリッシュ…という感想を述べる方が多いように思う。やはり、どのヴィンテージでも強目の酸と控え目の果実というimageが強い。 96年の村名と言えば、嫌な予感しかしないが(苦笑)、ルーロはPMOを逃れていることである意味有名だ。実際、このキュベも見事な色合いで健全そのもの。その意味で素晴らしい。 味わいは、ルーロそのものだ。いつも強目だが、96ということもあって、さらにtightで抜ける。慣れないと酸が突出しているように感じるが、これが癖になるのだろう。かなり飲みつけてる古参にも好評だった。 ところで、待てば海路の日和あり、としたジャン・グロのリシュブール74年だが、税抜で10万を割ってきた。仕入れがそもそも8万~なので、ここからは下がっても一万程度だろう。気になっている方は(もちろんそれでもとても高いが)、検討に値すると思う。 http://item.rakuten.co.jp/umemura/32241901080897816/?scid=rm_191797
2016.05.30
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ヴィンテージによる差はあるものの、05年を除いて、いつも一定のトルショー節とでもいうような味わいだ。 どこか人懐っこく、暖かみに溢れ、優しい笑顔がつかんでくる。官能的にはパーフェクトではない。現在の水準からみれば、cleanとは言い難いかもしれない。…が、そこがいいのだ。豪華ホテルのスイート・ルームや超高級旅館がDRCやドーヴネとすれば、ここは手料理が最高の民宿や朝食が堪らなく旨いB&Bだ。それぞれの良さがある、ということだ。 03年はトルショーにしては強く濃いが、だといって05年のように正体不明のワインではない。品位も強さもあり、一般的なワイン好きにはこの辺が一番嵌まりそうだ。 …と、ここまで書いて、そして今回3本もトルショーを飲んで感じたのは、自分は、もちろんトルショーは好きなのだが、トルショーを好きなワイン・ラバーが大好きだ、ということだ。今回飲んだトルショーはいずれも素晴らしかったが、正直にいえば、かなりトルショーは飲んだので新しい驚きはもう無いのだろう。 それでも、トルショーを好きな人に会いに行くのなら、世界のどこにでも行ってもいいと思った。トルショーのワインはもちろん素晴らしいが、トルショーを愛する愛好家は本当に最高なのだ。 見掛けはダサいかもしれないし、けっして洗練された言辞を弄することは出来ないかもしれない…、それどころかお世辞も下手で気分屋だったりするかもしれないのだが、少年のように純粋で照れ屋で、本質的に気分の良い人間が多いように思う。ま、何事にも例外無しとは言わないが。(笑)
2016.04.25
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人間、自分と正反対なものを求める、とは良く言ったもので、威厳も成熟もない若い頃は強くて、分かりやすい権威的なワインが大好きだった。言わば、ラトゥール、ペトリュス、ターシュといったところだろうか。 歳を取って、権威も成熟もどうでも良くなると、可憐さやバランス、落ち着き、存在そのもののあわれ、などとなっていき、まあ、随分好みは変わってきた。 VRは魔女なので、けっして嵌まってはいけないのだが、まあ、大体はそこに嵌まる。この蟻地獄は永久に貴方から経済的自由をむしりとるので、いっそ一回会費X0万円を払ってDRCを飲んでしまった方が良いかもしれない。 そして、このクリマだ…。結局、シャンボールかよ?と言われそうだが、同じくこなれて枯れつつあるジュブレの83年を飲んで、自分はつくづくシャンボールが好きなのだなぁ…と呆れてしまった。 余計styleの違いを痛感してしまったのである。ジュブレの地や肉、土の複雑さは全くなく、あくまでも可憐にミネラルが抜けていく。一見単純なようでいて、素晴らしいバランス。余韻の抜け方など、個人的には悶絶ものだ…苦笑。 まだドメーヌを立ち上げて数年内、さすがにパーカーのバーガンディにも掲載されていない、いわば無名のドメーヌ。代替わりしてマスコミに取り上げられ始めたが、この頃から典型的なシャンボールを作っていたのだった。 しかし、当時無名の造り手、しかも村名を購入し、ここまで維持してきた愛好家の気迫さえ感じる、ある意味最高に稀少な唯一無二のワインだ。
2016.03.01
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この作り手はACブルゴーニュ、VR村名、VR一級、VR特級と一通り飲んだ。結論としては、ここ数年の新進の作り手の中でも最上の1人だと思っている。 まず、クラス事の造り分けが見事である。特級は凝縮感とポテンシャルが高く、現時点では非常に固い。一級はより柔らかくしなやかだが、やはり要素の半分以上は隠れている。村名はより近づきやすいが、一級よりも重さやタンニンが目立ち、これも十年後が楽しみなワインだ。広域は今飲んで美味しいし、おそらくずっと美味しいだろう。 どのワインを買ってもあまり後悔しないと思うが、村名以上は10年放置、一級~特級は20年放置かな。素晴らしいワインになると思う。90年代前半までの超一流の作り手が醸し出す夢見心地になるワインが再現できると信じている。
2015.12.08
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多くの愛好家が使っているであろうあの大手宅配業者の安定感が無くなっている。 今年は二回も破損し、つい昨日12本入りケースのうち、3本が破損したと連絡を受けた。過去、この猫ちゃんは三年に一回くらいしか事故が無かったのだが、今年は一年で三回だ。今年に限って特にワインを動かしているイメージはないので(おそらく一番買っていたのは99~02ヴィンテージあたり)、この破損率は悲惨だ。一方単価は上がっているし、再購入不可のワインも多いので、いきおい喪失感は底知れなくなる。ましてや、購入後10年は経っているワインなどはボトルの中の時間を閉じ込めているので、その思い入れは同等品あるいは金銭で代償出来るものではない。少し大袈裟に言えば、記憶や思い出や愛情を壊された気持ちになる、といっても過言ではないのだ。 二度あることは三度あるから、愚かだったのかもしれないし、三度目の正直という言葉もある。到着するまでヒヤヒヤするような配送業者はー長年信頼してきたので辛いのだがーやめようと思う。ま、ライバル各社も色々問題はあり、真面目で売ってるとこは真面目なわりには時間を守らないし、もうひとつのとこはとにかく、従業員がヘトヘトしている。それでもまだ破損事故を経験はしていない。早く日本リーファーが一般個人向けの配送してくれないだろうか。ケース単位でしか受けなくても構わない。ブルゴーニュワインの希少性と価格高騰と破損事故率が同時に上がっていくなんて、ブラックジョークにすらならない、愛好家の悪夢だ。
2015.12.07
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昨年から13年は処女作として抜群の出来映えと評されてきたアメリー・ベルトー。そのACブルゴーニュを飲んだ。 実は12年から変貌を開始しており、12年も決して悪くはない。いかついタンニンが柔らかくなり、現在のブルゴーニュシーンにやっと追い付いてきた、といえる作品にはなっていた。 だが、彼女が存分に采をふるった13年はもう一段突き抜けてきたことを正直に認めなくてはならない。 既に多くの方が指摘しているように、このACブルゴーニュは綺麗で透明感のあるRuby、タンニンが丸く、また抽出がソフトでデリケートだったのだろう、非常に果実のまとまりが良く、柔らかく仕上がっている。 女性醸造家のワインはえてして男勝りの強いワインに成ることが多いのだが、そうした男性社会への対決色もなく、軽やかに越えているようだ。 アフターも無理なく素直に抜ける。 個人的な好みでいえば13年のACブルゴーニュとして抜群の出来映え、CPは店にもよるが、二千円そこそこで購入出来るから、最高だ、と思う。 ここでいつくか注意点を。ボトルにもよるが、青さが出るcaseがあるので、出来たら到着後2週間休めるか、スワリングするか、グラスにおいて30分待つか、何れかをしたほうがよい。そうでないと、最後の一杯が最高の一杯というありがちなパターンに陥り後悔する。 また、ACブルゴーニュならではの軽やかさと上位クラスにはない味わいは、ヒエラルキーを越えた愉しさがある。ワイン会などで少しずつ高級ワインを飲むのも楽しいだろうが、ブルゴーニュ・ヒエラルキーとは無縁ながら、日々の伴として最高のワインだ。今のところ、下山ワイン・オブ・ザ・イヤーである。 ブルゴーニュ・ルージュ レ・プリエール [2013] ドメーヌ・ドゥニ・ベルトー <赤> <ワイン/ブルゴーニュ> ブルゴーニュ ルージュ レ・プリエール [2011] ドメーヌ・ヴァンサン・ドニ・ベルトー 【あす楽対応_関東】 楽天で残っているのはやや高めだが、それでもCPは悪くないと思う。
2015.10.01
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