菅野文『悪性-アクサガ-』全2巻 | アフィリええっと？(笑)

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Feb 22, 2008

悪性（第1巻）
悪性（第2巻）

最初の記憶は、闇だ。
一瞬の覚醒-
光。
足音…
-それ以前の記憶は何ひとつない。
すぐに遠のいていった意識の淵でただ……
悪の衝動だけが
強い光を放ち核となって唯一己の存在を支えた-

私が最初に読んだ菅野文さんの作品は『オトメン(乙男)』( ★ )( ★ )だったので、彼女の描く<ダークヒーローSTORY>とはどんなものなのか非常に気になりました。
全2巻で完結。
第1巻には「別冊花とゆめ」平成17年1～7号掲載分が採録されてますが、読み切りの予定で描いた第1話は採録されておらず、「番外編」として描いた第4話が最初に採録されてます。理由はハシラに書いてあります。

舞台は20年前の戦争以来ガレイ国に支配されているアマタ国。
『ゼン』と呼ばれるA級犯罪者が主人公。その圧倒的な「悪(あく)」はあらゆるものを「支配」する。しかし本当に支配されていたのは…。そして風化することのない戦争の「憎しみ」_
ガレイの信条は正義と秩序。しかし読み進めてゆくと「正義」とか「秩序」といったものが何なのか、どう定義されるべきものなのか考えさせられます。
作風は違うけどやはり『オトメン(乙男)』の作者なんだなぁと思わされます。
「侵略ではないアマタ人を救う為だ」と言い放つ。
『オトメン(乙男)』は「男らしさ」「女らしさ」と云う定義が困難で、複雑な意味を持っている概念をテーマにしていて、その辺がこの作品と連鎖します。「価値観の相違」や「己の意志を貫くこと」といったものが根底にあり、そこで繋がっているような。
『オトメン(乙男)』も、今出ている第4巻時点ではまだコミカルな感じなんですが、本誌の方ではちょっと深い処まで進んでるんですよ

白泉社オンライン
http://www.hakusensha.co.jp/

ゼンに誘拐されたことで「外の世界」を知った将軍の娘・盲目の少女リイン、そしてゼンと出会い行動を共にするようになった闇医者のハッカ、失われたゼンの記憶…物語は急展開します。
名前が刻まれていない、番号だけの墓標、かつてゼンの仲間だったバルスト・ギア大佐が現れゼンに言った
「-"ナンバー0"
…お前の認識番号だ」
名前も故郷もない人間兵器_
だが任務の前に口癖のように「生きてまた会おう」と言ってくれた隊長だった。
そしてハッカは隊員に強化手術を施していた医者だった。
ゼロの暴走の原因が明らかになる_

他にも面白そうなの色々あるんですよね