さいとう・たかを『ゴルゴ13』第149巻「激突！AK-100vsM-16」

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Jul 14, 2008

テーマ：本日の１冊(3748)

カテゴリ：漫画

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今またアニメやってるけど原作に勝るものはありませんね。
表題の『激突！AK-100vsM-16』、何故ゴルゴがアーマライトを愛用しているのか、その謎に一つ迫ってます。
ゴルゴの愛銃は第1巻第1話の『ビッグ・セイフ作戦』から「アーマライトM16を高性能狙撃用に改良した物」として定着してますが、さいとう・たかを先生自身、自分が銃の専門家ではない事や本来M16は狙撃用のライフルでない事は認めてます。

そんなゴルゴが何故M-16を愛用しているかについてはゴルゴ13（66）『デッド・アングル』をはじめ度々作中で語られてきました。

ロシア造兵廠でのマカロフ大佐の「たった一人の男によって、M-16が世界の指導者に過大評価されている！……」との台詞、そして戦争が「"点"の闘い」から「"面"の戦術」に変わった事=これは「冷戦の終結で最早ゴルゴの仕事はなくなるんじゃないか」との20年前の的外れな批判を思い起こさせますね。

「このゴルゴ13の使用しているM-16は……バレルやスコープを高度な職人に特注したカスタム銃だが」との台詞がありますが、これは頑固職人のベリンガーに注文して10年の歳月を経てようやくM16のバレルを交換した第100巻『傑作・アサルトライフル』です。
ゴルゴ13（100）

物語はM-16の神話を崩そうと、砂塵で銃のクリーニングができない状況に追い込まれたゴルゴをロシア軍が包囲、そしてカラジニフがM-16の開発者・ストーラから生前聞いた
「彼が、ゴルゴ13がM-16に対して助言と改良点を、教えてくれたんだよ。」
との言葉。だがその秘密は死ぬまで話せない。もちろんゴルゴも自分の秘密は喋らない。
老齢のカラジニフはその秘密を生きている内に確かめたいと、ロシア軍とゴルゴが闘っている場に急行する。

ロシア軍を退け、死ぬ間際のカラジニフにゴルゴが浴びせた言葉、それは

「俺は……"一人の軍隊"だ。」

2編目「極限標的」では「四〇〇回を超える仕事に、九九・六%の成功率を誇る」との台詞がありますが、99.78%という数字を見たことがあります。ただしこの数字は新刊が出ると変動します。
ゴルゴの失敗は第15巻『アクシデンタル』の一回のみです。
ゴルゴ13（15）

エシュロンに関しては第144巻『神の耳・エシュロン』で詳しく描かれてます

3編目「ピンヘッド・シュート」は新疆ウイグル絡みです。ゴルゴとソ連・ロシアに関しては以前まとめましたが、ゴルゴと中共に関してもいずれ記事にしたいと思います。

「激突！AK-100vsM-16」(2002/10)
「極限標的」(2003/3)

の3編を採録。

私の「ゴルゴ観」に関して少し 7/11の記事で触れました。
それと、ゴルゴが利き腕を相手に預ける「握手」をしないというのは有名な話ですが、実は一切握手をしていない訳ではありません。
何らかの事情で接触する人物が本来の依頼人以外の者に換わった場合、「相手の握力や反射神経を確かめる」という意図で握手に応じています(第137巻『生存確率0.13%』)。