二人の敵と旅するな | 敵とは「老齢」と「貧困」のこと。 |
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バラには前も後ろもない | ゴル ポシュト ワ ルー ナダーラッド 本当に美しいものには、人でも人の心でも表裏はない。 真実に本音も建前もない。 |
白衣、ブドウ、敷物、靴 | 白衣は天使の服、天使は幸を告げるだろう。 ブドウは実のたくさんついていることで、 古来多産・豊穣のシンボル。 敷物は、羊毛で織ったものは寒さを防ぐ、 砂漠地帯に生息するサソリの害も防いだ。 靴も砂漠を生活の場としてきた人々には必需品 |
眠りは死の兄弟 | ハーブ バラーダレ マルグ アスト 『コーラン』には「夜の眠りを憩いとし」過小の眠りも有害である。 一日を三分して、それぞれを眠り、信仰、楽しみに充てること。 眠りから喜びのバラは開かない 酒を飲め、土の下では眠るのだから 中世の詩人・オマル・ハイヤームも眠り過ぎを戒め、この世を楽しめと薦めている。 |
忍耐は第二の英知 | 「酸っぱいブドウが甘くなるまで辛抱した」忍耐(サブル)、 と全く同音同つづりの「忍ぶ草」(サブル)とは、薬草のアロエ。 |
七色の炊き込み飯でもてなす | 香草入りのご飯、空豆入り、干したサクランボ入り、 サフラン入り、エンドウ豆入り、ニンジン入り、鶏ご飯。 「最高のもてなしを受けた」の意。 数でよく使われるのは、4(14,40) 、7、3で、 「七つ扉の部屋」はテラスに向かって七つの扉が開く部屋。 「7日7夜の祝宴」は大祝宴を指し、7足の靴をすり減らして求めれば、 理想の恋人に出会うともいう。 文学にはおのおの違う国から7人の王妃をめとった王の物語もある。 |
冬至の老婆の降らす雪 | イランにも冬至があり、冬至の後の40日を大寒、それに続く20日を小寒 冬至は1年で日照時間が最も短いので、太陽はこの日に一度死に、翌朝、再生する「死と再生」の祭。 原語で「ヤルダー(生誕)の夜」 |
泥酔は最後のいっぱい | 酒はもう二杯飲めるというときに杯をおきなさい。 食べ過ぎになる一口の食物、飲み過ぎになる一杯の酒を慎むこと そうすれば過食、泥酔を免れるだろう。 度を越した飲酒は病気と狂気をもたらし、 礼拝を忘れ、人と口論し、不必要な出費が付きものだから。 |
月はいつまでも雲の中にいない | 美しいもの、好ましいもの、貴いものの例えに使われるのが月(マー) 音では「マー」のあとに喉の奥からでるため息のようなかすかな気音がつく。 顔の美しさ、人柄が良い、品格が高い、徳が備わっている ・・・「あの人は月のようだ」という。 美徳はけっして隠れていない。 今は人知れず不遇のように見えても、やがて雲ははれて、その価値が現れるであろう。 |
知は力なり | イランの教科書表紙「知は力なり」民族叙事詩人フェルドウスィーの詩句。 二連一組の前半で、「知によって老いの心も若返る」と続く。 |
アレッポのおでき | イランでは「サーラキ(一年傷)」蚊による腫れ物で、 刺された後が痒く、一年も爪でかくので大きなあとが残る。 頃の美女の頬やおでこにある傷あと、恋人にとってはこれも魅力のうち。 アレッポ世界最古の都市の一つ、政治経済の中心地でもあり、 みかけは悪いが、天然のオリーブ油を用いた石鹸は「アレッポ石鹸」 |
故郷とは、 | 生まれたところではなく、満足したところ |
塩をなめ塩入れをこわす | 「水と塩はファーテメ(マホメットの娘)の持参金」といわれて神聖なもの。 たとえ敵であろうと旅人には、水と塩は分け与えなくてはいけない。 「Aさんの塩なめた」はAさんの恩をうけたこと。 塩入れをこわす、これはとりも直さず忘恩の行為。 「なんて塩気のある人!」はチャーミングな人。 反対に「今日の授業は塩ぬき」は魅力のな。 |
この世は二日 | 「この世は仮の旅籠」「二日眠るだけのキャラバンの宿」 「川の流れか荒野の風か わが生はとび去る、二日三日で」 中世の詩人オマル・ハイヤームは『ルバーイヤート』 イランは、この世は短いがあの世は麗しく永遠だと信じている。 ただし、善人にとってのみ。 |
勘定は勘定兄弟は兄弟 | ヘサーブ ヘサーブ カーカー バラーダル イスラム世界の美徳の一つは寛容。 勘定(ヘサーブ)は平等(バラーバル)、兄弟(カーカー)は兄弟(バラーダル)。 子供のころ、同じ人の乳をある期間飲んだ者同士は血縁。 イランでは、それが40日と決められている。 男女であればこの2人は結婚できない。まさに乳は血よりも濃い。 それでも勘定と人情は別、ということ。 |