ユグドラシル

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ネッカーキューブ~三方一両損の罠


東京の放送からはすでに2ヶ月過ぎているのでやや別の視点から。

ネッカーキューブとは、見方によって二つの平方体の見える物の事で解釈によっては話が違ってくるという例示を某番組ではしていたが、おとぎ話でなく実際の話としての例を挙げてみたいと思う。


そこで例にあげるのは「三方一両損」。某首相も医療制度改悪の時にしきりにいっていたこの話である。
一般に「三方一両損」というと大岡裁きの話として定着しているようだが、大岡裁きとして実際には行われてはいない。
そもそも史実として実際記録に残っている大岡裁きがあったのは「白子屋お熊」など2~3件に過ぎない。
この「三方一両損」も元ネタはイソップ寓話や落語ネタといわれている。

そもそもよく考えてみて貰いたい。
もしこのような判例ができれば2人で組んで3両を4両に増やそうとする輩がでてきても、不思議ではない。
しかも2人が組んでいるかどうかを調べるようなハイテク機器のない時代にこんな事を許してたら財政が破綻してしまう。

あくまで人情話なので実際の裁判にはなじまぬ話なのであるが、これを真面目に政治談として語っているのはよほどの無知か詐欺師である事には間違いない。


(ちなみに三方一両損とは次のような話。
左官屋さんが、書き付けと印形と3両入った財布を拾う。落とし主は印形から大工と解ったので、早速左官屋さんは大工の所に届けに行く。ところが大工は、書き付けと印形は貰うが、落としたお金はもう自分のものでないから持って帰れと言って受け取らない。 左官屋さんも強情で、そんな金欲しくて 届けたのでないと、口論になる。取りあえず大工の大家さんが仲裁に入って、左官屋はそのまま帰った。今度は、左官屋が自分のところの大家に一部始終を話したら、その大家さんは怒って早速大岡越前守に訴え出る。白州にでた両人は各々言い分を述べて金はいらないと言い張った。 そこで越前守は一両出して「二両ずつを両人に褒美としてつかわす。2人とも三両懐に入るところを二両となったのだから一両の損。奉行も一両出したのだから一両の損。これ呼んで三方一両損なり」で無事解決した。)

2007.3.4 

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