ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2015.11.04
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カテゴリ: 国際政治
クロニクル イランの大学生米国大使館を占拠

1979(昭和54)年11月4日 

もう36年も前のことになったのですね。この日テヘランの駐イラン米国大使館が、イランの最高指導者ホメイニ師を支持する学生たちによって占拠され、外交官とその家族を含む70人近くの米国人が人質とされました。

イランでは、同年1月16日に、高まる一方の革命運動におされ、国王パフレビーが国外に退去、2月1日には、革命運動の精神的支柱のホメイニ師が亡命先のパリから帰国、革命の勝利はここに決定的となりました。パフレヴィーの王位は剥奪され、新政府を組織した革命派は、パフレヴィー前国王を裁判にかけることを決定、流浪の前国王の逮捕協力を関係各国に依頼したのです。

やがて前国王は病気治療を理由にアメリカへ入国しました。アメリカは人道的見地から滞在を認め、イラン政府の引渡し要請を無視し続けたのです。学生による米大使館占拠は、このような状況の中で起こりました。

学生等は人質解放の条件として、前国王の引渡しを要求、即時解放を求めるアメリカと対立し続けました。ホメイニ師が学生たちを庇う姿勢を見せたためもあって、米大使館の占拠は1年以上も続き、ここにアメリカとイランの対立は決定的となって行きました。

この情勢が翌年9月のイラクのイラン攻撃(イラン・イラク戦争)に繋がり、さらにイラン・イラク戦争が第2次オイルショックの因となってゆきます。

そのイランと米国の関係、ここへ来てようやく雪解けの雰囲気が濃くなってきましたね。シリア内戦とIS対策を兼ね、ロシアと米国、そしてシリア、イラク、イランにトルコ、エジプト、サウジアラビアさらにはイスラエルまでもが、同じテーブルについて協議を始めるとは、半年前には考えられないことでした。





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最終更新日  2015.11.04 14:12:36
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