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■ジャズの歴史(その35)■



■History of Jazz ジャズの歴史(その35)■

●現在につながるジャズ・ピアノ・スタイル

ビル・エヴァンス、マッコイ・タイナー、セシル・テイラー

ジャズは、それまでのバップ・スタイルのコード進行にそって行う即興演奏を、
より開放的に自由にしたいということから、
古いローマの教会旋法のモード手法を導入したモーダルなスタイルのモード・ジャズが生まれました。
マイルス・デイヴィスがその先駆的なレコーディングを行いましたが、
そのレコーディングにも参加したジョン・コルトレーンが独立し、
マイルスと共に、モード・ジャズを開拓、発展させていきました。

ピアニストでは、同じくマイルスとレコーディングを共にしたビル・エヴァンスが、
モーダルなピアノ・スタイルの先駆を切っていきました。
彼は、それと共に、独自のハーモニーを構築し、バップ以来の革新的なジャズ・ピアノ・スタイルを生み出し、
さらに自己のトリオにおいて、「インタープレイ」と称する三者が緊密に一体化して対話する演奏を展開し、
ピアノ・トリオ・フォーマットによる演奏スタイルに新しい境地を切り開きました。

また、コルトレーンのグループで活躍したピアニストのマッコイ・タイナーは、
コルトレーンのモード奏法に対応すべく、特徴的な4度重ねの和音などを用いて、
独自のスタイルを築き上げました。

この同時期に登場したピアニストのセシル・テイラーは、
伝統的なジャズ・ピアノ・スタイルに加えて、西洋の古典や現代音楽にも通じたうえで、
独創的な即興演奏を行いました。
その演奏は、いわゆるフリー・ジャズと呼ばれる、音楽的な制約を取り払った自由なスタイルで、
極度のパーカッシヴな鍵盤打法はもちろんのこと、ピアノの弦を直接かき鳴らすことや、
鍵盤へのひじ打ちといった、楽器のあらゆる面を活用する演奏を行いました。

この三人のピアニストは、1960年代前半に、そのスタイルを明確に表現し、
後に続くハービー・ハンコック、チック・コリア、キース・ジャレットといった、
ニュー・エイジのピアニストたちに多大な影響を及ぼす、重要な存在になりました。

Last updated December 20, 2008

■History of Jazz ジャズの歴史(その34)■

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