All The Things You Are

January 11, 2006
XML
テーマ: Jazz(2023)
カテゴリ: カテゴリ未分類
『As Time Goes By』(アズ・タイム・ゴーズ・バイ)
【注意】邦題の「時の過ぎゆくまま(に)」は誤訳なので使わないこと。

この曲は、ハーマン・ハプフェルドの作詞、作曲で、
1931年のレヴュー「Everybody's Welcome(エヴリバディーズ・ウェルカム)」のために書かれたもので、
その中でフランセス・ウィリアムズが歌いました。
そのときルディー・ヴァレーがレコードを出し、少しヒットしました。

しかし、この曲を本当に有名にしたのは、1942年にハンフリー・ボガードとイングリット・バーグマン主演の映画、
「Casablanca(カサブランカ)」に使われてからです。
この映画の中でサム役になったドゥーリー・ウイルソンが歌い、話題になりました。

RCAヴィクターはしかたなくルディー・ヴァレーの昔のレコードを再販したところ、
これがミリオンセラーになってしまいました。

日本では1970年代になって、この映画「Casablanca」をたびたびテレビで放映したために有名になったもので、
その映画のイメージから人気がでた曲と言えるでしょう。
「君の瞳に乾杯!」という名セリフ(名訳)が有名になり、男だったら誰もが憧れる言葉となりました。

「どんなに時が経っても、恋人たちが愛することは変わらない」

というストレートな愛の歌なので、結婚式で歌っても良い内容なのですが、
何といってもこの映画「Casablanca」の気まずいイメージが強い曲なので、やや問題があるかもしれません。

映画の中で、この曲は歌うことを禁じられていた曲になっていました。
ワケあって恋人と別れたハンフリー・ボガードが経営するナイトクラブに、
別れた恋人のイングリット・バーグマンが偶然訪れ、

歌うことを禁じられていたこの曲を無理やりウイルソンに歌わせてしまいます。
店の奥にいたオーナーのボガードは禁じ歌を歌ったことをとがめるために出てきたところで、
バーグマンと「気まずい再会」をしてしまうというシーンを、いやがうえにも思い出してしまいます。

この曲は、この映画「Casablanca」のために作られたかのようにぴったりマッチしてしまったので、
多くのシンガーは、この曲の説明に、この映画「Casablanca」を引き合いに出すでしょう。


こういういいかげんな邦題はつけないでほしいと思います。
本当は「時が過ぎ行くとも“変わらない”」⇒「永遠に不滅」ということなのに、
これでは「時の過ぎゆくままに“過去のものになる”」⇒「忘れてしまう」という、まったく逆の意味になってしまいます。

そういえば、話は少し脱線しますが、外国の曲を日本で発売する時に、
レコード会社の関係者が会議をやって日本語の曲名を決めるというのですが、
あるスペインのクリスマス・ソングの曲名をどうするかといったときに、その曲を聴くと、
「なあんだこれは日本語で“とんできたサンタクロース”って歌っているじゃないか」ということで
「とんできたサンタクロース」という邦題になったという、
「タモリ倶楽部」の「空耳アワー」のようなことをやっていたという話を聞いて驚きました。

「とんできたサンタクロース」と聞こえるところは、本当は「ドンデスタ・サンタクロース」と歌っていて、
それはスペイン語で「サンタクロースはどこにいるの?」という意味だそうですよ。

でもまあ、曲名は売れるか売れないかという大事なものなので、
英題の「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」そのままではピンとこないので売りにくいということでしょう。
しかし、本当に正しい訳になると「時が経っても」ということになるのですが、
これではインパクトに欠けるということだったのでしょうか?
もちろん、直訳的なものでなくてもいいのですが、
それにしても、この曲や、ほかにも「You'd Be So Nice To Come Home To」を「帰ってくれたら嬉しいわ」とつけたり、
「Softly As In A Morning Sunrise」を「朝日のようにさわやかに」とつけたりとかいうような、
その曲のイメージをまったく変えてしまうような誤訳の邦題だけはやめてもらいたいと思いますね。

この曲は歌に演奏にと、数多くのものがあります。
ビリー・ホリデイは1944年に、コモドア・レーベルでレコーデイングしています。

*****

●アズ・タイム・ゴーズ・バイ
As Time Goes By

作詞:ハーマン・ハプフェルド
作曲:ハーマン・ハプフェルド
1931年


《コーラス》
これだけは忘れないでほしい
キスはキス、ため息はため息だということを
どんなに時が経っても、こういう当たり前のことは変わらない
そして、恋人たちが愛し合うときは「私はあなたを愛してる」と言う
だからいくら時が経っても、未来が何をもたらそうとも
これだけは変わらない真実だ

月の光も恋の歌も決して時代遅れにはならない
恋人たちの心はいつだって情熱と嫉妬と憎悪に満ちている
女には男が、男には伴侶が必要だ
このことは誰も否定できない

結局、話は昔から一つも変わっていない
愛と栄光への戦い、命をかけて向かっていくもの
どんなに時が経っても
世界はいつも恋人たちを歓迎してくれる





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  January 11, 2006 10:27:21 AM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: