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March 5, 2007
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テーマ: Jazz(2024)
カテゴリ: Jazz Memorandum
●モード・ジャズ(Mode Jazz)



1950年代末頃、ファンキー・ジャズが「黒人っぽい」という要素を強調してブームになっていましたが、
ジャズの根本的な要素である「自由さ」を追求して、より即興性を発展させた演奏を試みる動きがありました。
そして、ジャズ史上、ビバップ革命の次に起こった革新的スタイルが誕生します。
さらに、その影響はジャズのみならず、ポピュラー音楽全般にわたり、
その後から現在に至るまでのロックやポップスなどポピュラー音楽すべてに応用されています。

それは、古い教会音楽に使われていた旋法(チャーチ・モード)を用いることで、
従来のコード進行にしばられたメロディー(フレーズ)よりも自由に展開できる方法が確立されました。

1950年代半ばより、ジョージ・ラッセルや、

1959年にレコーディングし、リリースされたマイルス・デイヴィスのアルバム
『カオンド・オブ・ブルー(kind Of Blue)』で具体的な形として提示されました。

その自由さは世界中のあらゆる音楽をジャズに融合させること、または、その逆も可能にする道を拓いた、
革新的かつ画期的なものでした。

そして、この革新的なジャズのスタイルは『モード・ジャズ(Mode Jazz)』と呼ばれるようになります。

『カインド・オブ・ブルー』は、
マイルス・デイヴィスが『モード・ジャズ』を具体的に提示したアルバムということで、
1960年代以降のジャズの行方を決定するほどの大きな影響を及ぼすことになる、
ジャズ史上に起こった「モード革命」を記録した重要な歴史的アルバムとされています。

この新しいジャズの演奏スタイルである『モード・ジャズ』は、
「モード手法」を使った「モード奏法」という演奏スタイルを確立したもので、

「モード(mode)」とは普通「旋法(せんぽう)」と訳されます。
旋法とは、旋律の動き方に由来する諸音の機能・中心音・音程配列などの概念のことで、
ヨーロッパでは一般に教会旋法(チャーチ・モード)をさし、
その他、インドのラーガ、アラブのマカームなどが世界各地で異なるものがあり、
中国の「調」も厳密には旋法の一種とみなされます。


特にチャーチ・モード(教会旋法)のスケール(音階)を形成する音組織のことを言います。

チャーチ・モード(教会旋法)は中世から16世紀にかけてヨーロッパの教会音楽で使用されていましたが、
長音階(メジャー・スケール)として確立したアイオニアン(イオアン)・モードと、
短調階(マイナー・スケール)として確立したエオリアン・モード以外は淘汰(とうた)されてしまい、
19世紀末になって再び用いられるようになるまでは忘れ去られていた存在でした。
ここではそのチャーチ・モードにマイルス・デイヴィスが着目し、
モダン・ジャズのコード・スケールとして用いて、それを「モード手法」として確立することに成功しました。
以後、これはジャズのスタイルに積極的に取り入れられていき、
現在では、ロックやポップスなど、さまざまな音楽の分野で、当たり前のように使われています。

簡単に言うと、
それまでのジャズのバップ的なアドリブは、
頻繁なコード・チェンジごとにコードにそったフレーズをつなげていくことをしていたのですが、
モード奏法では、それをもっと大きな流れでとらえ、
コードは変わっても何小節かを、ひとつのスケールでまとめたフレーズのアドリブにするというもので、
その結果、アドリブの自由度を広げることができました。

それまでのジャズは、
「すべてルイ・アームストロングに始まって、レスター・ヤング、コールマン・ホーキンスを経て、
そしてチャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーにつながる一本の線の上から生まれたものだった。」
と、マイルスは自伝で語っています。
当然、マイルス自身のそれまでの名作と言われるアルバム、『クールの誕生』や『バグズ・グルーヴ』も、
それらと同じ線上のもので、もとにあったものをマイルス流に発展させたものでした。

マイルスは、そんな、それまでのスタイルからの脱出を考えていたところ、
それを実現するアイディアとしてモードという概念に着目したのでした。
それを最初にアルバムの中で試みたのが、
このアルバムのちょうど1年前の1958年の春にレコーディングされた『マイルストーンズ』でした。
そして、それをさらに発展させて、より高いレベルで作り上げたのが、
1959年春にレコーディングされたアルバム『カオンド・オブ・ブルー』で、
ここに『モード・ジャズ』のスタイルが完成したというわけです。

しかし、これはマイルス一人だけでは音楽として完成させることはできなかったでしょう。
そこには、このアイディアを理解して発展させることのできるメンバーが必要でした。
このアルバムでは、テナー・サックスのジョン・コルトレーン、
アルト・サックスのキャノンボール・アダレイ、
そして、ピアノにはビル・エヴァンスという有能な人材を得たために、
モード・ジャズの誕生に成功したと言えるでしょう。

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Last updated  March 5, 2007 05:38:05 PM
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