“迷惑的マネージャー勧誘”

「いばらぁ、マネージャーやってくれよ。」
華武高野球部マネージャー久芳 萩が言う。
一応女である。
「嫌です。もう話し掛けないでください。」
そして、こちらが4月末に編入してきたばかりの水古 茨(すいこ いばら)である。
1年で、なかなかの美人だ。
そして、編入してきた次の日から、こういう感じに萩からマネージャー勧誘がされている。
本人はかなり迷惑しているのである。
それにいつも萩を見るとひきつって笑う。
たいていの女は、ぶりっ子っぽいのが多くスッゲェニコニコ笑うのだが。
それはそうと、今、野球部にマネは5人いる。
1人は、もちろんの事、レギュラー久芳 白春の妹、久芳 萩。
そして、南 千蔭。
残りの3人はまだ、出てきていなかったな。
屑桐 無涯のご近所様、松田 知空(まつだ ちあき)。
朱牡丹 録と中学も同じだった、幸谷 日向(こうや ひなた)。
そして、そのクラスメート、蒼野 港(あおの みなと)。
マネージャーは全員1年である。
ちなみに水古は、松田のクラスメートである。
「よぉ、また断られたな、萩。」
「あ、芭唐。」
こうやって、水古にフラレた頃に御柳はやってくる。
「何でお前ェアイツにこだわんだよ。確かにお前のすきそうなタイプだけどよぉ。」
「さぁ、なんとなく。あ、たぶんあれだぜ。逃げられたら追いかけたくなるやつ。」
「お前は犬かよ。」
「俺は犬はあんまり好かん。」
この返事を聞いて少し満足している御柳氏であった。
「ま、とにかくさぁ、いい加減あきらめたらどーよ?嫌われるぞ。」
「あー、それも困る。」
「ってか、部活行くぞ。南とか松田とか幸谷とか蒼野はもう行ったぞ。」
「何で俺を呼びに来るのはいつもお前なんだろう?墨蓮とか千蔭とか知空とか日向とか港とか他にもいるではないか。」
「知らねぇよ。」
「大体墨蓮も同じクラスだろ。」
「ま、とにかく行くぞ。」
「へいへい。」


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