「現在最もホットなグループ」~メロディー・メイカー誌 A面 1.ニート・ニート・ニート- Neat Neat Neat ファン・クラブ- Fan Club 3.アイ・フォール- I Fall 4.ボーン・トゥ・キル- Born to Kill 5.スタッブ・ユア・バック- Stab Yor Back 6.フィール・ザ・ペイン- Feel the Pain B面 1.ニュー・ローズ 2.フィッシュ- Fish 3.シー・ハー・トゥナイト- See Her Tonite 4.ワン・オブ・ザ・ツー 5.ソー・メスト・アップ- So Messed Up 6.アイ・フィール・オールライト- I Feel Alright 先日セックス・ピストルズ(Sex Pistols)の「勝手にしやがれ!!(Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols)」を取り上げたからには、このアルバムも出さないわけにはいかないだろう。セックス・ピストルズと並ぶロンドン・パンクの雄といわれたダムド(The Damned)が77年にリリースしたデビューアルバム「地獄に堕ちた野郎ども(Damned Damned Damned)」だ。 こんなに素晴らしいアルバム邦題なのに何故今までスルーしていたのかというと、曲名が全てカタカナタイトルで一つも邦題が付いていないからで、日本で今一つ馴染みが薄い(と思っているのは私だけ?)のも、やはり親しみやすい邦題曲がなかったからかもしれない。
ダムドのオリジナルメンバーは、voのデイヴ・ヴァニアン(Dave Vanian)、gのブライアン・ジェイムス(Brian James)、bのキャプテン・センシブル(Captain Sensible)にdsのラット・スキャビーズ(Rat Scabies)の4人。 ブライアンを除く3人はMasters of the Backsideというバンドのメンバーだったが、このバンドを結成したのは後にセックス・ピストルズのマネージャーとなったマルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)で、当初のギタリストは後にプリテンダーズ( The Pretenders)を結成して成功を収めるクリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)であった。クリッシーはマルコムとヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)が経営するブティック「SEX」に勤めていたそうな。 London SSのドラマーオーディションに落ちたラットはメンバーだったブライアンと知り合い、新たなバンドを結成することに。その際に行われたヴォーカルオーディションには後にセックス・ピストルズに加入するシド・ヴィシャス(Sid Vicious)とデイヴ・ヴァニアンを招待したものの、シドが現れなかったためデイヴが加入したとのこと。
ダムドは76年のデビュー以来現在に至る息の長いバンドである。メンバーは流動的であるが唯一デイヴだけは結成以来ずっと在籍しており、オリジナルメンバーの残り3人は出たり入ったりしながらもブライアンを除く2人は現在も在籍中のようだ。カルチャー・クラブ(Culture Club)の元dsであるジョン・モス(Jon Moss)も一時メンバーであった。 15年にはウェス・オーショスキー(Wes Orshoski)監督よるバンドのドキュメンタリー映画「地獄に堕ちた野郎ども(The Damned: Don't You Wish That We Were Dead)」が公開された。
さて、アルバム邦題に話を戻すが「地獄に堕ちた野郎ども」という邦題はダムド繋がりということで、69年公開の伊・西独・瑞(スイス)合作映画「地獄に堕ちた勇者ども(The Damned (Götterdämmerung))」に由来しているのだとか。 いつぞやグランド・ファンク・レイルロード(Grand Funk Railroad)の「ハード・ロック野郎(世界の女は御用心)(All the Girls in the World Beware!!!)」やTattooの「刺青 ~神秘のロック野郎~(Tattoo)」を取り上げた時にも書いたが、“野郎” という言葉にはどことなく昭和の香りがして好きだ。 肝心の音楽にしても粗削りで攻撃的、圧倒的なスピード感が結構好みのアルバムである。全英チャートでは34位止まりだったけど、個人的にはこの頃のロンドン・パンク・バンドの中では一押しだ。このアルバムには収録されていないが、1stシングル “ニュー・ローズ” のB面はビートルズ(The Beatles)の “Help” のカヴァーで、これまたダムドっぽい荒々しさが好ましい。