586ページの本だが、きょう一気に読んでしまった。
出演作にまつわる出来事をつないでゆくと、岡田茉莉子伝となり戦後日本映画・舞台史になってしまう大女優の語り。
出演作のあらすじと出演者の絡みが、頭にすっと入るように書かれているから、各作品を見たことのないわたしのような不届き者も落伍せず読み通せた。
カバーにスチール写真が使われた 「秋津温泉」 (昭和37年作)
と 「エロス+虐殺」 (昭和44年作)
は、どうしても見たくなり、DVDをネット注文した。
どちらも、岡田茉莉子さん主演で、監督はご夫君の吉田喜重 (よししげ)
さん。
「秋津温泉」
「エロス+虐殺」
昭和60年6月の梅田コマ劇場公演 「花の生涯」 で、井伊直弼 (いい・なおすけ)
役の鶴田浩二さんが褒めた岡田さんの演技があった。
プロの伎倆 (ぎりょう)
の一端を教えてくれる、興味深いくだりだ。
≪この公演中、私の楽屋に鶴田さんがお見えになり、そばにいた母に
「お嬢さんは、ほんとうに芝居がうまくなりましたね」
と、声をかけられた。
私が演じる たか女が京から戻り、鶴田さんの直弼に久しぶりに対面が許される場面だったが、その別れぎわの私の演技について、
「背を向けていたお嬢さんが、俺のほうを振りむく姿が、いいね」
と、照れ屋の鶴田さんらしく私の顔を見ずに、あえて母にそのように話された。
それは私がひそかに試みた芝居であっただけに、私は内心、嬉しかった。
鶴田さんに、
「たかッ…… そなたの顔を見せてくれッ……」
といわれて、私は顔で振りむかずに、まずは腰、それから肩で、振りむくようにして演じた。
そのほうが顔で振りむくよりも、はるかに振りむいたという印象が強いことを、私は長い舞踊の経験からよく知っていた。
鶴田さんはそれを見逃さずにいてくださったのである。≫
(本書、468ページ)
プロの伎倆の話には、ぞくぞくさせられる。大部の本のうち、まずここをどうしても引用したくなった。
*
映画スターだった岡田茉莉子さんは、昭和40年代から舞台へ軸足を移す。
昭和42年は谷崎潤一郎の 「細雪」、43年は永井荷風の 「腕くらべ」、44年は有吉佐和子の 「不信のとき」 と、3年連続の正月公演は日比谷の芸術座だった。
わたしが劇場通いをはじめたのは平成18年の夏。芸術座は平成17年3月の 「放浪記」 公演で閉館したので、わたしは行ったことがない。
750名収容の伝説の劇場、一度でも行っておきたかった!
跡地の地下にできたシアター・クリエは手狭だが、「RENT」 「この森で、天使はバスを降りた」 「ガス人間第1号」 など、忘れられない公演が多い。
ことし5月~6月は、森光子さんの体調のつごうで中止になった 「放浪記」 公演の代わりに、ジャニーズイベントやミュージカルコンサートを入れて、じつは集客は成功しているようだ。
しかし。
即効性のある集客イベントに甘えずに、芸術座以来の劇場本来の姿に戻ってくれることを祈らずにはいられない。
==5月のブログ冒頭==
帝国劇場の斜 (はす)
向かいにあるシアタークリエ。
敷地の都合で横幅が狭いのが難点ですが、いいお芝居を見せてもらっています。
新しいキャラの 「クリエちゃん」 です。かわいいでしょ!
ミュージカル 「ガイズ&ドールズ」 の主役、救世軍のサラ・ブラウン軍曹を演じた笹本玲奈さんそのまま。
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