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Sep 24, 2010
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テーマ: 中国&台湾(3329)
カテゴリ: 中 国 界

「ウソも百回言えばホントになる」
が口癖のひとがいた。
 昨今の中国共産党政府を見ていて、このひとを思い出した。

 中国漁船 (=スパイ船) の犯罪現場のビデオを、日本政府は早く公開するべきだ。
 ビデオの公開は、中国人向けではない。国際世論を日本側に引き付けるために必要なのである。

■ 米国メディアを落とす ■

 おそらく外務省が、どうすればキレイにおさまるか、外交ルートで中国側と協議しているのだろうが、ボヤボヤしている間に火がどんどん燃え盛っている。

 中国共産党は、「ウソも百回言えばホントになる」 の信念をもって、米国メディアにもアプローチしている。米国の記者・評論家を陥落させれば、中国側の主張を米国通信社が世界中の新聞・テレビに広めてくれるから、力の入れどころだ。

 中国側の公式の主張は
「尖閣諸島はそもそも中国領なのだから、日本の海上保安庁の巡視船がそこにいること自体が不法である。悪いのは日本側であり、中国人船長は当然、無罪である」
というもの。
 だから、中国のスパイ船の犯罪現場のビデオを公開しても、日中交渉には大した決め手にならない。

 中国側は百ぺんでも言うだろう。
「中国漁船には正義がある。不法な海上保安庁の船舶に衝突することがあっても、その責 (せ) めは日本側が負わねばならない」。

■ 遠交近攻 ■

 おそらくこの空しさを理由にビデオ公開をためらう向きが日本政府のなかにいるのだろう。
「どうせ交渉の決め手にはならないのだから、いたずらに中国側を刺激することはない」
などと。

 たしかに、ビデオを公開したところで、中国側は平然と動じぬフリをするはずだ。
 しかし、米国メディアはさすがに常識が我々に近いから、犯罪現場のビデオを公開すれば、日本側についてくれる人が多いだろう。菅首相が、問題のビデオ公開を自ら行えば、インパクトは最大限だ。
 外交は、そういう劇的効果も考えながらやらなければならない。軽武装をタテマエとする国家だからこそ、こういうところでネチネチと勝負する必要がある。

■ 朝日新聞が尖閣諸島を売る日 ■

 今回のような紛争は、これからも手を変え品を変え、中国側から仕掛けてくる。
 あるところで、朝日新聞あたりがこう書きはじめるのが、時間の問題のように思える。
「我々は歴史の知恵に学ばなければならない。
サハリンは、1867年から1875年まで日本・ロシアの両国の共有の地となった。江戸幕府の直轄地とされていた樺太 (からふと) だったが、戦争回避のために 『領土共有』 という鋭い知恵が働いた。
現代の日本人は、幕末の知恵に学ばなければならないほど、国際感覚が鈍ってしまったようだ」

 あの…、
まさかと思いますが、この想像上の朝日新聞記事にうなずいてしまう読者は、いませんよね? 領土共有で、樺太の島内では両国の住民間のもめごとが頻発し、結局は樺太・千島交換条約で日本は樺太をいったん失ったのでした。

■ さわやかな外交など、ない ■

 尖閣諸島で日本が少しでも譲った途端、今度は先島諸島 (=与那国島、西表島、石垣島、宮古島など) の領有権を中国共産党が主張しはじめるのは、目に見えているわけです。

 沖縄県の領有権について清国 (しんこく) は、
「琉球は清国のものである」
と主張し続けていた。日清戦争で日本に負けるまで。

 尖閣諸島で日本が少しでも譲った途端、あれよあれよと言う間に中国共産党は
「日清戦争は日本による悪辣な侵略戦争であった。
琉球は中国固有の領土であり、琉球族は中国の少数民族であるにもかかわらず、日本は不法な侵略で琉球を奪った」
と大キャンペーンを始めることでしょう。

 ウソも百回言えばホントになる。

 だから、尖閣諸島問題をスカッとさわやかに解決したい、などと思っちゃいかんのです。
 尖閣諸島があるから、まずそこで問題が起きてくれる。相手の本性が見える警告音が出る。スカッとさわやか、を夢見ないこと。

■ 現実直視 ■

 経済界への影響について。

 輸出入取引に、さしたる影響はない。中国政府が日本からの輸入の制限にまで踏み込むと、WTOがらみの問題となり多国間の場で取り上げられるから。
 領土の件は二国間の問題ということで押しまくるのが、中国の基本戦略です。

 日本企業は、中国への長期投資をしみじみ考え直す機会を得たことに、むしろ感謝すべきでしょう。なりふり構わぬ理不尽がときにまかり通る国であることを、横並び志向の経営者はすぐに忘れてしまうから。

 中国人団体旅行のキャンセルが相次いでいることをマスコミが取り上げています。
 これまた、キャンセルしてくれて救われたのかもしれない。

 こういう時世、中国人集団に 付 和 雷 同 の火がつくと、「千名の中国人客が一斉に寝小便をし、生理現象だから仕方ないと言い放って弁償を拒否して帰国した」 みたいな事件が起こりかねないのですねぇ。

■ お人よしこそ日中不友好のもと ■

 こういう突拍子もない出来事を想定するのは失礼にあたるというお人よしが、ひろく日本人の特徴だ。

 商社で投資の仕事をしていると、考えるべき最大限のリスクが どのあたりか見極めるよう常に叩き込まれる。
「千名がわざと寝小便をするリスク」 を真剣に想定するのは、わたしくらいのものだろうが、本業が影響しているのはたしかだ。
 こういう想定を積み重ねて対処策を練っておかないと、結局はとんだ 大 幻 滅 の日中不友好ということになる。

 そもそも尖閣諸島を未解決の領土問題であるかのごとく、トウ小平の口車にのった田中角栄のお人よしが、今日に至る日中不友好の禍根を残したのである。





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最終更新日  Sep 24, 2010 07:47:32 AM
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外交でのスピード解決を望んでいるのですが。。。  
日本 さん
私もビデオ公開に賛成です。
実は昨日、官邸へ意見を書き込めるところを見つけたので、公開してほしいとメッセージを送りました。無駄とは思いますが、一国民の意見をちゃんと伝えておこうと思ってしました。
お人好し友好から相互理解の友好へ変わってほしいと思います。
ですが、中国と友好になれると思いますか?私は中国に変化がなければ正直無理だと思います。。。 (Sep 24, 2010 10:37:30 AM)

Re:尖閣諸島の犯罪現場ビデオを早く公開せよ  日中交渉には直接役立たないが、米国メディアを日本側につけるのに有効だ(09/24)  
杞憂 さん
あっけない幕切れでしたね、しかも最低の状態で。ちなみに今朝の朝日の社説どう書かれているのかを見るため近くの駅で買ってきました、曰く「日中関係の今後を見据えた大局的な判断であり、苦渋のの選択であった言うほかない、...圧力を掛ければ日本は折れるという印象を中国に与えた印象もある。それは今後はっきりと払拭していかねばならない、...日本はこれからも発展する中国と必然的に相互関係を深めてゆく、それは日本自身の利益でもある..云々」。しかし今後どのような手段で圧力に簡単に屈するという印象を払拭するのでしょうか?要は日本経済は今後とも中国頼みなのだから少々理不尽なことを言われても飯を食うためには我慢して発展する中国と関係を深めてゆくことが日本の利益だと言いたいのでしょう。早速中国外務省は日本に謝罪と賠償を要求しています。報復のために言いがかりをつけられて拘束された気の毒なフジタの4人の社員の問題に対し我が国の政府はどのような手を打っているのでしょうか?正に力なき正義は無力という事実を如実に見せつけられています。尖閣を中国に実効支配されればその次の狙いは沖縄です。外国人参政権付与-在日中国人沖縄に大挙移住-沖縄は長い間清朝に朝貢を続けてきた少数民族と主張-香港辺りに沖縄自治政府樹立-同時にお得意の民主統一戦線成るものを結成-人民解放軍による沖縄平和解放....あり得ないことでしょうか? 今回の件で日本人は覚醒するのでしょうか?
(Sep 25, 2010 12:43:04 PM)

中国の国慶節休み明けに向けて外交包囲網を敷くべきだった  
Izumi Yukio  さん
テレビで 「中国人が…」 という代わりに 「中国の方々が…」 などという連中が、中国人を心の底でいちばんバカにしている。
このように、中国に対する日本人の行動には、逆説があてはまることが多い。

今回、十分に交換条件を交渉せずに船長を送り返したのも、中国側もこれで幕引きするだろうと、中国共産党をなめてかかったことのあらわれだ。
要は、中国人をバカにしているから、軽々に船長を釈放したのである。

9月25日の日経夕刊に、「記録映像を公開して国際世論を味方につけろ」 という、研究者の論評が出ている。わたしが言っているのと同じ。

≪記録映像公開し
 国際世論味方に

加藤嘉一・北京大学朝鮮半島研究センター研究員の話:

中国では事件の基本的な事実が報じられていない。
一般の中国人は
「日本側が中国領に侵入、不法に船長を拘束した」
と認識している。
誤解を解くためにも事件の記録映像を一刻も早く公開し、国際世論も味方につけるべきだ。
中国に怒りを覚えるだけでは何も生まれない。

ただ、一部中国メディアは
「日本側は電光石火で政策を変えたが、中国側はそんなに早く終わらせるつもりはない」
と報じている。
問題長期化の可能性もあるだろう。≫

10月1日から1週間、中国は国慶節休みで開店休業だ。船長の釈放は、ゆっくり作戦を練って、国慶節休み明けにすればよかった。

日本はASEAN諸国との連携にもっと力を入れなければいけない。
台湾は、馬英九大統領も静かにしているので、この問題ではアプローチしないのが先方のためにもなるだろう。 (Sep 25, 2010 08:27:50 PM)

中国人は何も変わっていない  
鉄っちゃん さん
管理人様は何か勘違いをしておられる。中国人は何も誤解などしていない。「中国何千年の伝統」というのは本当のことで、中国人の体質はまるで変わっていないのだ。そのことを認識する必要がある。

黄文雄氏は台湾民主運動家の出身で、中国関係の本をたくさん書いておられる方です。氏の本の中にこういう話が出てきます。イギリスの外交官マカートニーは、清朝の乾隆帝に謁見して通商貿易を求めます。しかし乾隆帝は、「わが国には何でもある。外国から求める物など何もない。」と拒絶します。それでマカートニーは北京から広東まで陸路戻り、そこから船で帰国の途につくのですが、陸路の旅で見聞したことを本に書き残します。

その本に書かれていることは、中国の都市は城壁で囲まれているが、そこを一歩出ると魑魅魍魎がうごめく世界だったと。治安などかけらもなく、人が人を食い物にするおぞましい世界として描いています。これは三国志の時代ではありません。清朝の全盛期の話です。同時代の日本が、宿場町が整備され、庶民の旅が容易だったことと比べると、雲泥の差だったと黄氏は述べています。 (Sep 28, 2010 05:41:40 PM)

中国人は何も変わっていない(2)  
鉄っちゃん さん
わたしが、日本の読書人の常識を覆すという意味で貴重な本だと思うのが、ラルフタウンゼント著「暗黒大陸中国の真実」です。著者はアメリカ人外交官・ジャーナリストで、1930年代に中国に駐在して活躍した人です。著者は欧米人宣教師とたくさん会ったのですが、例外なく中国人からひどい目に遭わされていたそうです。

しかし彼らはそのことを言わない、書かない、本国への報告書では決して触れなかったのだと。なぜそうなったのか、当時の状況と宣教師独特の事情を詳しく述べているのですが、そのことがアメリカで、親中国・反日世論を作り出す原因になったという話が興味深いのです。

本書は30年代に出版された本ですが、つい最近アメリカで復刊されています。それはこの本の描く中国人像が現代にもそのまま当てはまり、著者の提言から学ぶべきことが多いからです。著者はパールバックをも批判しています。彼女は宣教師の娘であり、知っていることの半分しか書いていないと。 (Sep 28, 2010 05:46:50 PM)

Re:中国人は何も変わっていない(09/24)  
Izumi Yukio  さん
鉄っちゃん

>管理人様は何か勘違いをしておられる。中国人は何も誤解などしていない。

↑ これ、意味不明だよ。何が言いたいのかな。 (Sep 29, 2010 08:26:53 AM)

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