☆~夢をあきらめないで~☆

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THAについて



他の関節温存手術が適応にならない、末期股関節症に対して行なわれます。変形した股関節の悪い部分を、金属やセラミック、ポリエチレンなどのインプラントに入れ換える手術です。痛みから解放され、日常生活の飛躍的な改善が期待出来ますが、耐久年数や弛みの問題があり、60歳以下への適応は慎重に検討する必要があります。これまでのデータでは、長くて15~20年しかもたなく、弛みが生じてしまい、再置換術が必要となります。若い年齢で行うほど活動性が高いため、早く弛む可能性が高く、高齢者でも術後の管理が悪ければ弛みを生じることがあります。

《インプラントの材質》

臼蓋(股関節の屋根)側は、金属ソケットとポリエチレンインナー、金属ソケットとセラミックインナー、オールポリエチレンカップなどで構成されます。大腿骨側コンポーネント(ステム)は、金属(コバルトクロムやチタン)製ステムと金属またはセラミック製骨頭ボールで構成されます。金属のポーラスコーティングやハイドロキシアパタイトコーティングを施したセメントレスタイプと、セメント固定タイプがあります。


1.【セメントレスタイプ】

ステム :  ハイドロキシアパタイトがコーティングされている
ヘッド :  セラミック(ジルコニア)製
インナー:  ポリエチレン製
ソケット:  マイクロストラクチャードタイプ(スクリューを使用しない)

2.【スクリュー固定タイプ】
3.【セメント固定タイプ】


<<セメント固定? or セメントレス?>>

インプラントの固定に際し、臼蓋側ソケットでは、bone in growht(金属のコーティング粒子の中に骨が入り込んで固定される)を期待するセメントレスタイプ、スクリュー固定タイプ、セメント固定タイプがあります。当院では、骨がしっかりしている方にはセメントレスタイプ、骨粗鬆症で骨の弱い方にはスクリュー固定やセメントタイプを選択しています。
大腿骨側ステムにも、セメントタイプとセメントレスタイプがあり、同様の選択基準で使い分けています。
セメントタイプの代表的なものに、チャンレータイプの人工股関節があり、良好な長期成績が報告されています。セメント固定をすると、骨の弱い方でも術直後より安定した固定性が得られ、早期の活動性アップが可能なため、高齢者には採用してもよいと考えます。
しかし、前述の様に弛みによる再置換術の問題を考慮する必要があります。つまり、セメントを使用した場合、再置換術の際にセメントを除去したり、残ったセメントの処理に苦労する場合があります。再置換術の可能性のある比較的若い患者さんには、なるべくセメントレスタイプを選択しています。


<<リハビリテーションプログラム>>

手術1週間前
(入院) 術前評価、筋力強化、松葉杖歩行練習、など
手術翌日 ベッド上での患肢等尺性運動、健肢筋力維持、など
ベッドアップは60°まで
3日後 ベッドアップフリー
4日後 車椅子移乗練習、リハビリ室での本格的なリハビリが始まります
1週間後 松葉杖での部分荷重1/3歩行練習開始
2週間後 部分荷重2/3歩行練習開始
慣れたら階段昇降練習開始
3週間後 全荷重歩行練習開始、退院となります

全荷重となっても、筋力がしっかり回復するまでは松葉杖の使用が必要です
退院後 定期的な通院が必要です。最初は1カ月後~数ヶ月毎。1年を過ぎれば、半年~1年毎の通院です。
全荷重となっても、筋力がしっかり回復するまでは杖の使用が必要で、両松葉杖→片松葉杖→T字杖へと変えていきます。筋力が回復し独歩で体が揺れなくなるまでは杖が必要です。体が揺れるうちに杖をはずすと、股関節に負担がかかり経過がよくありません。



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