欲張りママ

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京極夏彦の本

「哂う伊右衛門」
怖い。悲しい。有名な四谷怪談「お岩さん」を軸(それ以外にも色々)にした話。岩という女性、武家に生まれて凛とした女性。毒を盛られて醜い顔に。でもそれを「恥」としないのが、かっこいい。岩と伊右衛門、最後は幸せだったんだろうなぁ・・・


「続巷説百物語」
いわゆる「ウラの世界」の仕事をホンの少し手伝いだした百介。「続」ではウラの世界の住人「おぎんさん」の過去がメイン。ラストでもう「巷説百物語」は終わり、みたいな感じだったけれど、ウラの世界の住人でメインである又市の過去が思わせぶりなままだ・・・


「巷説百物語」
とっても「時代劇!」って感じのお話だと思うのは私だけだろうか。。。面白いお話だけど♪


「狂骨の夢」
誰が殺したか?っていうのは分からんかったけれど、「アケミ」という人が2人いるのはすぐわかる。だってしゃべり口調が違うもんね。自分の夢には一生懸命なのに、他の人の夢を馬鹿にする。そのシーンで、京極堂がやり込めるところはすっきりしたぁ。そして可哀相な1人の僧。最期あわれだったなぁ・・・


「魍魎のはこ」
バラバラ殺人・・・監察医によると生きたままきられた腕。それだけでも怖いのに、ラストで明かされる、「一応」生きている人の姿。あぉ、想像しただけで気持ち悪い。


「鉄鼠の檻」
禅っていうのは「理解」が難しい。「悟り」だの「魔境」だの・・・禅匠連続殺人の為の捜査ですら「修業の妨げ」?まぁ、この舞台がかなり特殊な禅寺のせいなんだろうけど。今でもこんなに真剣に修行に取り組んでるお寺があるんだろうか・・・「知り合いの副住職(先輩だった)はかなりおちゃらけてたなぁ。。。」と思い出してしまった。

「百鬼夜行 陰」
今まで読んできた話の違う人からの視点が短い話で書かれてる。知らない話もあったけど・・・読んだ順番としてはこれでよかった。先にこれを読んでたら、それはそれで楽しめたろうけど、「こういうことがあったのか~」と納得ができなかったろうな。


「姑獲鳥の夏」
舞台となる一家の女たちの可哀相なこと・・・ある1点に限り親からされる仕打ち。それが代々続いてきたなんて・・・この事件がおきるのも分かる気がする。
話としては。今まで読んだどれよりも、「先」が読めてしまった1冊。


「絡新婦(じょろうぐも)の理」
私ってば順番遡って読んでるから・・・それでも一応内容は分かる。1冊1冊は独立してるから。
あんまり「妖怪論」が繰り広げられてないので、飛ばし読みする場所が無く、ものすご~く長かった・・・この人のはホントに1冊が分厚くって、1ページに文章2段組だから、すご~く読み応えがあるのだ。
絡新婦の罠ってばすごすぎる。どんな因子が加わろうとも、結果はちゃんと望んだ通りになるようになってる。実際にそういうことってあるんだろうか。でもそういうことをするっていうことは、それだけ強い「思い」が無いと出来ないわけだし。自分にとって「強い思い」だと思っていても、これだけのことは出来ない(思いつかない)ということは、所詮それだけの思い、ということか・・・


「塗仏の宴 宴の始末」
「宴の仕度」を返しに行ったらちょうどこれがおいてあったラッキ~でした♪・・・で、内容。中禅寺さんかっちょえぇ・・・理屈コネまくりはちょっとヤだが。それにしても、ホントにこんなことが出来る人たちがいるんだろうか・・・いたら。もう何が真実なのか全然分からん。これ読んだ後は「自分自身」も真実なんだろうかと思えるくらい。
いつも思うんだが。確かに「妖怪」と絡めて本文はある。でも。ここまで「妖怪論」を繰り広げなくてもよいのでは・・・その辺は結構飛ばし読みしてしまうワタクシ。


「塗仏の宴 宴の仕度」 
これって続きもんだったんだ・・・「仕度」とあるからこれが1巻目だろうと思っていたら、どうやら前にもあったらしい!でもま、これから読んでもわかることはわかる。ただ、すご~くぶ厚い本だけど、まだ話が終わってないので、ものすご~く続きが気になります。


「百器徒然袋 雨」 
「鳴釜」「瓶長」「山嵐」の中篇3篇。一応「探偵小説」ではあるが、およそ探偵っぽくない「探偵」が登場する。文中ずっと1人称「僕」で語られ、「僕」の名前は一切出てこない。「探偵」自体が名前を覚えないので毎回違う名称で「僕」は呼ばれる。本のラストでや~っと「僕」の名前が出てくるのはちょっと嬉しかった♪おどろおどろしい表紙絵とは裏腹に、全然内容はおどろおどろしくないのもまたよろしい♪


「ルー=ガルー 忌避すべき狼」 
設定は未来。主人公たちは少女。すべてがネットで済まされる世界。教育も買い物も家から出ずに出来てしまう。そして人と接することがわからない子供たち。イヤだぁ!そんな世界。内容は面白かったけど、こういう世の中になっていったら嫌だなぁ・・・


「どすこい 仮」 
ちょっとまて!こんな小説(?)ありか?各章、有名どころの小説の題をパロってて、中身は似てるようで全然にてない。でも。各章の内容は殆ど一緒じゃないか~!!変わった面白さはあるから、許せるけど・・・


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