Love Rainbow 09



さて、今回のテーマは、「手紙」です。
今回、ちょっと切ないラブストーリーにしてみました。
そこで重要な役目をしているのが、手紙です。
というわけで、Love Rainbow 09、スタートします。

Love Rainbow Vol.09
「Love Letter」


大学4年の冬が始まった。
この頃になると、論文を作ったり、大学が少しあわただしくなってくる季節でもある。
靖「おーい。麻美?資料持って来てるの?」
麻美「ごめん、靖。資料家に置いたままやわ。」
靖「またかいな。。。えっと、麻美の家、確か遠かったよなぁ。。。」
麻美「ちょっと待ってね。確か私の家の近くに住んでる人。。。あ、1人だけいた。
ちょっと待ってね。今から電話するから。」
というわけで、携帯を取り出して、メモリーを探し出した麻美。
靖「誰か近くに住んでる人、いてたっけ?」
麻美「いるのよ。1人だけ。幼馴染で親にも信用されてる親友が。ただし、男やけどね。」
靖「へ?男???大丈夫なんか?」
麻美「幼馴染やから、大丈夫やって。
あ、もしもし、太一?あのね。私の家に、明日使う資料忘れてきたんよ。。。
うん。そうそう。持ってきてほしいんよ。
ゼミにきてくれたら大丈夫やし。
というわけで、よろしくねー。」
靖「ホッ。これでレポートと論文の準備できるわ。
って、忘れ物するなよな。。。」
麻美「ゴメンゴメン。今回だけ。ネ?」

それからゼミでボーっと1時間。幼馴染で同級生の太一がゼミにやってきた。
太一「麻美?持って来たよ。」
麻美「太一、ゴメンねぇ。ありがと。
これで、論文かけるって、靖がうるさくてね。笑」
太一「靖?相変わらずやなぁ。笑
ってレポートも持って来たったで。靖。」
靖「おーーー!太一ちゃん、ありがとー。
毎度毎度吸いませんねぇ。」
(といいながら、あっさりレポートを持って、コピーし出す靖)
太一「おーい。靖。ちょっとは言葉変えとけよ。写したってバレるんやからな。」
靖「もちろんです。これで、太一と麻美のレポートを足しで2で割れば。。。」
太一・麻美「こら!そんな事言ってたら、レポート返してもらうよ!」
麻美「って、同時に同じ言葉?太一、面白いー。」
太一「どっちが真似たんだか。。。ホンマに、言葉までそっくりやねんから。」

というわけで、ゼミも終わり、晩御飯がどーたらこーたらの時間へ。
靖「とりあえず、ご飯食べにいかへーん?」
太一「今日は、靖のオゴリやって。ごちそうさまですー。」
麻美「そりゃそうやんね。レポート、勝手に写したりするんだから。
埋め合わせくらい必要やんねー。
太一?何食べに行く??」
太一「靖のオゴリやから。。。焼肉かお寿司やね。」
麻美「というわけで、靖、よろしくねー。」
靖「って、そこ、勝手に話決めないよーに。
真紀ちゃーん?どこがいい?」
真紀「靖のオゴリやから、さっきの話でまとまってるやん。今日は焼肉ー。」
靖「真紀ちゃんまでそんな事いうの?よしきー。何とかしてくれー。」
よしき「とりあえず、靖のオゴリで焼肉やろー?景ちゃんも行くやろ?」
景子「もっちろーん。じゃ、私はよしきの車に乗るからねー。」
太一「あれ???2人、そういう関係やったん?」
よしき「こらこら。4人の邪魔したら悪いって思っただけやんなぁ?景ちゃん?」
景子「そうそう。私たちは後ろからついてってあげるから。」
というわけで、焼肉屋へ行って、食べに食べると。あ、もちろん、靖のオゴリです。笑

そんなこんだで、論文作成の季節も過ぎ、世の中は卒業式の季節に。
仲良し6人組の就職も決まってて、どこに行く、残るとかの話で持ちきりに。
靖「よしきが東京やもんなぁ。お前が生活できるとは思わんわ。。。」
景子「そーでもないかもね。ちゃんとできると思うよ。」
太一「最近、やけによしきの肩持つやん。なんかあるやろ?
バレンタインの時も、2人で何かあったって聞いたし。」
よしき「って、誰からそんな話聞いたんよ?」
麻美「ふーん。あやしぃなぁ。。。
こないだ、景ちゃんの家行ったけど、何か隠してたけど。。。景ちゃん、あれ何かな?」
景子「って、勝手に尋問始めないで!」
よしき「おいおい、景ちゃん怒らせるなよ。。。怖いんやから。」
靖「そんな幸せな2人は置いといてさ。卒業式終わってから、どっかいかへん?」
よしき「おいといては余計。でも、その企画、乗ったわ。」
景子「それなら、私に1つの考えがあるンやけど。」
麻美「景ちゃん、どんなの?」
景子「ちょうど6人いるやんか。しかも、3-3で。
そこでさ、ホントは誰が好きだったかとか、ぶっちゃけない?」
太一「おいおい。。。友情にヒビ入るかもやで。。。。それ」
真紀「でも、面白そうね。その代わり、裏工作はなしよ。
こういうときのメインは、やっぱりよしきやね。」
よしき「じゃ、こうしますか。
卒業式が終わってから、一番好きな人の名前を書いた手紙を、よしきに送ってくださいな。」
景子「よしきだけ、みんなのこと先にわかっちゃうのはずるいー。」
靖「でも、よしきやから何か考えてるやろ?」
よしき「ふふーん。それは当日の場所までのお楽しみー。
というわけでさ、女の子3人でお店決めといてー。」
真紀「麻美、どこにしよっか?」
麻美「景ちゃん、いいトコない?」
景子「私、いいトコ知ってるよー。じゃ、場所は私が決めとくねー。」

というわけで、男女6人大学最後のラブバトル。
ナンダカンダで駆け引きありまくりの3週間って感じになりました。

で、卒業式前日。
みんなが約束どおり、よしきの家宛に手紙を送りました。
でも、あえてよしきは封を開けず。

というわけで、卒業式も終わり、集合場所へ6人が集合。
そこには、6人の手紙が入った、封筒がありました。
お酒を飲んで、いい感じの雰囲気になった時。
よしき「じゃ、あの企画、始めますか。
実は、よしきも手紙の中身は知らないんですねー。
ってな訳で、ご本人から読んでいただきますかね?
まずは。。。これ。」
麻美「あー。これ私ー。私が最初なの?よしき、わざと選んだでしょ?」
よしき「最初の方が、後がラクやねんから。。。文句言わないの。。。」
景子「じゃ、麻美、お願いしまーす。」

ってな感じで、みんなの手紙が読み終わり。ちょっときまずーい雰囲気に。笑
景子「ふーん。みんな意外だよねー。」
麻美「っていうかさ、景ちゃんとよしきだけは予想通りだったんだけどねー。」
よしき「なーんじゃそれ。。。何か言いたいことでも?」
靖「まーね。結局よしきとこだけ無事成立って感じやんかー。」
真紀「ねぇ?2人、最初から仕組んでたんじゃないのー?笑」
景子「まだ、1週間あるやんか。ここからの駆け引きが楽しみやねー。」
太一「景ちゃんはまたアオルし。」
靖「さて、お開きにしよっか?とりあえず、よしきと景子と麻美さぁ、来週の新幹線だっけ?」
麻美「そうそう。みんな同じ新幹線にしちゃった。」
太一「麻美の標準語、にあわへんって。」
麻美「うるさいの!」

さて、それから1週間。
東京へ行くメンバーが、新大阪駅に集合した。
そして、見送るメンバーも新大阪駅へ。
東京へ行くみんなへ土産を持たせたり。
逆に関西に残るメンバーに住所教えたり。
そんなことしてる中で、1人だけ足りない。。。
太一「麻美さぁ。GW帰ってくるんやろ?」
麻美「もちろんやん。太一、待っててや。真紀もね。」
真紀「うん。よしきも景ちゃんも帰ってくるやろ?靖、まだ来ないね。。。」
よしき「あいつ、どこ行ったんやろ。。。いつも、大事な時にいーへんようなるし。。。」
景子「何でかなぁ?靖、1週間前から様子おかしかったしねぇ。。。」
といってるところへ。
靖「ゴメンゴメン。はい、これ。」
麻美「あー。私が大好物のシュクリーム。
まさか、これ買いに行って遅れたの?」
靖「ゴメン、遅れて。みんな。そうそう。これ買いに行ってたんよ。。。」
景子「全く。。。無理せんでもいいのに。。。」
と言ってる時に、発車のベルが鳴る。。。
よしき「もう、そんな時間かぁ。じゃ、ついたら連絡するわ。」
靖・太一・真紀「待ってるでー。次はGWにね。」
麻美・景子「うん。わかった。じゃねー。」

新幹線が出発していく。見届けたあと。。。
靖「はぁ。行っちゃったか。。。」
太一「靖、どうしたんよ?GWにはまた逢えるやんか。」
靖「いや、何でもない。さ、帰ろっか。」
この時、靖のポケットの中には、手紙が入っていた。
2人きりになったら、麻美に渡そうと思っていた手紙。。。
靖「シュークリーム買いに行って、ギリギリについたら、渡せるわけないわな。。。」
靖は誰にも聞こえない声でつぶやいた。


というわけで、こんな感じです。
友達だから、渡せなかったのかもしれません。
でも、こんな感じの仲間って、いつまでも残りますよね。
さて、Love Rainbowも、次回が10作目。
注目の10作目は、3/22更新予定です。


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