GoGo-yotty ~日常と非日常の狭間で~

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自転車世界一周の写真


これまでの旅のハイライト

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across andes/PERU
インカ帝国の首都クスコから、地上絵のナスカまで、アンデスを横断した。
4000mまで上り、1800mまで一気に下り、再び4500mまで上るという峠越えが、
距離600kmの間に3回あった。富士山にも登ったことがないので、4000m越って
どんなんだろう?と不安もあったが、寒いだけで空気が薄いとかは、ほとんど
体感しなかった。

hp-3

MOONLIGHT SERENADE--atacama desert/ CHILE
旅をしていて最も美しい風景のひとつ、それは月夜の砂漠。
月の光は、まさに幻想曲。確かに何かが降り注いでいるのを感じる。
昼間はすべてが死に絶えてるような砂の大地に、なにか生命を感じる。
地球を感じているのだろうか。温くなった買い置きの缶ビールで乾杯。

hp-4
windy patagonia-on the ruta40/ARGENTINA
風のパタゴニア、荒野のパタゴニア~1000km以上に及ぶ未舗装路。
強烈な横風で進まない自転車。振動でキャリアやスポークがボキボキ折れる。
砂漠以上にまばらな集落。雨が降るとスタックして動けず、おまけにむちゃくちゃ
寒い!椎名誠さんのパタゴニアは海岸が主流だけど、バイク乗りやサイクリンガー
にとっては、壮大な氷河よりも、この40号線がずっと印象的だろう。
砂漠よりも、ずっとつらくてしんどかった。その分、集落についたときの
人々の温かさが心にしみた。

hp-5
puert moreno glacier/ARGENTINA
それでも、やっぱり氷河はすごかった。数時間に一度、恐竜時代あたりに
形成されたという氷河が、地響きをたてて崩れていく。テレビで見るのと
全然ちがう!地球はやっぱり生きている。

hp-6
fin del mundo~USUAIA/ARGENTINA
世界の果て、と歌われた南米最南端の町、ウシュアイア。すっかりヨーロッパ化
してるけど、とても落ち着ける何かを持っている町。ここには、五右衛門風呂?
完備の民宿、上野邸がある。今はもう亡くなられてしまった上野爺さんが、カニ
づくしの料理で僕を迎えてくれた。旅の中で最も気に入っている町のひとつ。

hp-7
2nd stage start! capo de sagreb/PORTUGAL
深夜特急のハイライト、ザグレブの岬。ユーラシア大陸最西端のロカ岬は、リスボン
からも近く、観光客がピストン輸送されてて、まるで宗谷岬みたいな雰囲気だった。
でも、こちらは誰もいなくて、まさに最涯の地。ここからインドまで、ユーラシア
横断の旅が始まる。

hp-8
all is crossing,Istanbul/TURKEY
一番好きな町は?と聞かれたら、ダントツでイスタンブールをあげる。まず、
名前からして旅情をそそる(僕は名前にそそられて金沢に一年くらい住んだ
経験がある)。今も昔も、旅人にとっての交差点。東と西だけではない。
アフリカやロシア、中央アジア、あらゆる方面から旅人がここに集結し、出会い、
または奇跡の再会を果たし、お互いの情報交換に花を咲かせる。若い女の子は、
ヨーロッパ的ファッションを楽しんでいるけど、それでもスカーフ着用の女性も
多い。モスクの数がハンパじゃないので、アザーンの音も一段と派手に鳴り響く。
ボスポラス海峡には、アジアとヨーロッパを行き来する渡し舟が、もうもうと煙
を吐き、サバサンド~サバサンド~と日本語で魚サンドイッチの売り子の声が
する。今でも、写真を見ただけで、音や羊肉の匂いまで感じることができる。
ただ、行くたびに値段が変わっている激しいインフレさえなければ・・・

hp-9
at the pension in Istanbul/TURKEY
イスタンブールの常宿、コンヤペンション。学生の短期旅行者も、3年くらい旅を
続けているツワモノも、この場所で酒を飲み、語り合い、今日もイスタンの夜は
更けていく。そして、夜明けのアザーンに起こされる。ここの情報ノートは
天下一品。ヨーロッパ人の書く内容は、自分の旅日記や、great,beautiful,
wonderful といった言葉ばっかでまるで中身がないが、日本人旅人の残すデータ
はすごい。たとえば国境情報、移転した大使館やバスターミナル、うまい両替
などの情報は、ガイドブックはもちろん、インターネットよりも勝る。
この宿の看板娘、エリフにメロメロになる奴も数知れず・・・

hp-10
persepolis /IRAN
あまりに広大な砂漠地帯の中にあるためか、実物を見た瞬間は、ちっちゃく感
じる。アクセスも悪いため、旅行者には不評。でも、レリーフの保存状態もよく、
夕日に照らされた白い柱はメチャクチャきれい。殺風景な荒野の中で、悠久の
歴史を感じるひととき。

hp-12
barotistan desert/PAKISTAN
9・11テロの最大の失敗は、世界中の人々にイスラムに対しての恐怖、偏見を
与えてしまったことではないだろうか。白いシャワールカミスに身を包んだ彼ら
は、とても礼儀正しく、寛大で、仏教など日本の宗教や日本そのものを称えて
くれた。ここの子供たちは、客である僕の前で、きちんと正座をしていたことが
印象深い。あとにも先にも、外国人のそんな自然な正座を見たのはここだけ。
イスラム原理主義者とイスラム教徒は違うのだ。ちなみに、日本にも原理主義は
氾濫している。僕たちは、足元をしっかりと見ないといけない。
この写真の後方で、お母さんが女の子を連れて写真から逃げているのが面白い。

hp-13
restaurant on the desert/PAKISTAN
パキスタンでは、まるで僕たち自転車旅行者のためのように、ドライブインが
数10kmおきに点在していて、助かった。砂漠を爆走するデコトラは、日野
トラックがベース。素焼きの水瓶の中に水が入っていて、少しずつ染み出し、
気化作用で冷やされるしくみ。ペットボトルの水は常にお湯状態で、コーヒー
を作るのに沸かす必要がなかった。昼の気温は50℃を超えた。ここからインド
にかけて、テーブルの変わりに、縄ベットが置いてあり、その上で食事を取る。
食後の昼寝、宿泊は無料。ハンモックとベットのあいの子みたいなもので、
日本にも欲しいと思った。

hp-14
this is INDIA
インドに入って気がついたこと。まず、人が増えた。色彩が派手になった。
日常からライフル銃が消えた。街中にいたラクダが、象や牛になった。
そして何より、ビールが飲めるようになった。イラン~パキと2ヵ月禁酒だった
ので、一本目のビールは腹にこたえた。

hp-15
I've arrived CULCATTA/INDIA
サダルストリートの安宿、マリア。10人以上入る大部屋の中で、常に誰かが
病気で寝こんでいたのが、いかにもインド。ベッドの上で瞑想している
ヨーロッパ人、毎朝マザーテレサの家にボランティアに行くおばさん、
モスクからアザーンが聞こえたかと思うと、教会の鐘が鳴り響く。
僕の自転車ユーラシア横断の旅は、とりあえずここで終わる。




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