目からウロコ

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トリさんのページ2

★★ トリさんのページ ★★


ニワトリさん(2)

忘れられないニワトリさんがもう一羽おります。
名前はココちゃんと言います。

ココちゃんは末っ子の弟がウチに連れてきました。
あの日の事は今でもはっきり覚えてます。
当時5才の幼稚園児だった弟たけしは
コマなし自転車に乗り始めたばかりの、
若葉マーク・チャリダーでした。
そんな弟タケシが
道の向こうから眉間にしわ寄せながら
慎重に自転車こいで近付いてくるのです。
ちょうど正面から弟を待ち構えるかたちでワタシは立ってました。
そして
「おねーちゃーん!!拾ったー」
と叫びながらワタシの目の前に止めた自転車の荷台に、
ココちゃんが
「チン」
とお利口さんにも座っていたのでした。(ビックリ)
「それどないしたん?」
と聞いたら、
「落ちてた」と....
弟よ、それは落ちてたのではなく、
そこに生息してたんじゃないのか?

とにかく荷台からそっと抱き降ろし、
母に報告しにいきました。(母もビックリ)
母はすぐにタケシを後ろに乗っけて、
ニワトリを前カゴに入れて、
飼い主捜索に出掛けて行きました。
そのパニックの最中にもココちゃんは
「チン」
と大人しくされるがままでした。

 しかし日もとっぷり暮れた夕刻になっても、
飼い主は見つかりませんでした。
結局狭い狭いウチの玄関で飼うことになったです。

ココちゃんはホントに美しいニワトリさんでした。
普通の白いニワトリさんではなく、
黒地にいろんな色のガラがあり、羽もツヤツヤです。
何より、大人しいのです。
前のニワトリさんみたいに、
朝早くに「コッケコッコー」と鳴きません。
キレイで大人しくって、近所の人にも評判のニワトリさんでした。
近所の子供たちが学校から帰ってきたら、
交替に膝の上に乗せられ背中をなでてもらって、
いつもウツラウツラしておりました。
ココちゃんと呼んだら近付いてくるし、
いつでもどこでも
「チン」
と座っていて、何とも可愛いヤツでした。

しかしそんなココちゃんも、
ほんの2週間ほどで天命を全ういたしました。
「天命」というのがピッタリくるほどうっとりとした顔で、
眠っているかのようでした。
どこからともなくやってきて、ウチで余生を過ごしたココちゃん。
とってもシアワセだったハズです。
なぜなら短いながらも一緒に過ごしたワタシ達に、
幸せな思い出をたくさん残してくれたからです。

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