2005年:中世のフランス人童話作家シャルル・ペローの作品を元に書かれた映画『シンデレラ・ストーリー』に出演。作品はそこそこヒットし、いくつかの評論では共演のチャド・マイケル・マーレイとの相性が良かった、などと書かれたが基本的には批判的な批評が大勢を占めた。その後、映画『Raise Your Voice』の撮影をスタート。この作品でヒラリーは「前よりはまだマシ」などと書かれ、映画自体はまたも酷評された。ラスヴィガス・ウィークリー誌は「ヒラリーのダメな演技と、ダメな歌と、ダメな脚本と、ダメな監督が見事に調和している。この作品は鑑賞者に何も言わせないほど最悪」とこき下ろしている。多くの雑誌がヒラリーの歌唱力を酷評、中にはデジタル処理して少しでも良く見せようとしている、などの記事も見られ、彼女の演技も平凡と言われた。その結果、彼女はラジー賞の最悪女優賞にノミネートされた。しかし映画はそこそこヒットしているため彼女の映画に商業性があることは確認された。『パーフェクト・マン』では離婚歴があり、ニューヨークで必死になって男を捜す女の長女ホリー役を演じた。しかしまたも評価は最悪で、商業的にも成功しなかった。ヒラリーはこの作品と『12人のパパ2』で、またもラジー賞にノミネートされた。
パフォーマンス中の様子2002年:『リジー&Lizzie』の主題歌としてブルック・マクレイモントのカバー曲「I Can't Wait」をレコーディングし、「The Tiki Tiki Tiki Room」と言う曲はディズニー音楽アルバム「DisneyMania」に収録されている。『リジー&Lizzie』のサウンドトラックは100万枚以上のセールスを記録。彼女自身の初めてのアルバム「Santa Claus Lane」はクリスマスソングを集めたもので、リル・ロメオ、クリスティーナ・ミリアン、そして姉ヘイリーなどとのデュエット曲も収録されている。ディズニーチャンネルがリリースした彼女の曲「Tell Me a Story」はビルボートチャートTOP200で100位だったが、その後ゴールドディスクを受賞した。「Santa~」シリーズは第2盤も発売され、映画『12人のパパ』の主題歌も収録されている。彼女は『リジ~』でいくつかの曲を歌っており「Why Not」ではオーストラリアで20位に食い込む売り上げを残した。
2003年:2枚目のアルバム「Metamorphosis」は音楽プロデューサー、ザ・マトリックス(The Matrix)が手がけ、アメリカ・カナダヒットチャートで1位を獲得した。同アルバムは2003年のヒットアルバムとなり370万枚(日本20万枚)のセールスを記録した。それに付随してリリースされたシングル「So Yesterday」はアメリカで1位を獲得、諸外国でもトップ10入りを果たし、日本でもラジオオンエアー1位を獲得。MTVでは連日ミュージックビデオが流された。しかし3枚目のシングル「リトル・ヴォイス」は米国では発売されず、カナダ・オーストラリアなどでそこそこヒットした程度だった。2003年末には初めてのコンサートツアー「Metamorphosis Club Tour」を開始。
2004年:ヒラリーが参加する「DisneyMania 2」で彼女は姉ヘイリーとのデュエット曲「The Siamese Cat Song」の他「Circle of Life」と言う曲では他のディズニーチャンネル・スター達とデュエットを行った。ダフ姉妹は映画『シンデレラ・ストーリー』用にゴーゴーズのカバー曲「Our Lips Are Sealed」を発売、このアルバムにはヒラリーの曲が他2曲収録されている。「Our Lips Are Sealed」のプロモはMTVのトータル・リクエスト・ライブ(TRL)で人気が出るものの、チャートでは振るわなかった。17歳の誕生日に発売された3枚目のアルバム「Hilary Duff」では「Metamorphosis」よりもロック調の音楽を取り入れエッジのきいた作品となった。同アルバムはアメリカ2位、カナダ1位を獲得し150万枚のセールスを記録。しかし付随して出されたシングル「Fly」はプロモは好調だったにもかかわらずチャートでは振るわなかった。「Fly」と「Someone's Watching over Me」というシングルはオーストラリアでは40位以内に入るなどそこそこ売れたが「Metamorphosis」ほどの成功は収めず、商業用シングルは発売されなくなった。ダフはコンサートツアー「Most Wanted Tour」を9ヶ月行った。Teen Choice Award2004では「People's choice favorite international」「Artist Best International video」にノミネート。 MTV Video Music Awards「Best Pop Video」にノミネート。この時ポスト・ブリトニー・スピアーズと呼ばれた。
2005年:4枚目のアルバム「Most Wanted」では今までの彼女の曲をリミックス、ポピュラーロックなどを取り入れるためキラーズ、ミューズなどのミュージシャンも参加した。アルバムはチャート1位を獲得、130万枚を売り上げた。彼女はこのアルバムについて「このアルバムはグレーテスト・ヒッツじゃないわ。でもレーベルは私に今が新しいアルバムを発売する時だって言ったの」の述べている。彼女はバンド、グッド・シャーロットのメンバーで彼女のボーイフレンドだったジョエル・マッデンと彼の弟ベンジーとともに、これまでに無いほどアルバムの製作に積極的に参加した。付随されて発売されたシングル「Wake Up」はビルボードチャートで自身の記録を更新してキャリアの中で最も売れたシングルとなり、同曲のプロモはMTVで頻繁に流された。しかし別のシングル「Beat of My Heart」はプロモの人気はあったものの、またもチャートでは振るわなかった。
2006年:映画『マテリアルガール』の主題歌は音楽プロデューサー、ティンバーランドによって手がけられ、姉ヘイリーと共にマドンナの曲「Material Girl」をカバーした。トータル・リクエスト・ライブ(TRL)によるとヒラリーの5枚目のアルバムは2007年1月にアメリカでリリース予定だと言う。シングル「Play with Fire」がラジオで先行発表された。彼女はこのアルバムの製作にあたりカナダ・トロントでカーラ・ディオガーディやプロデューサー、シンガーソングライターのレット・ローレンスなどと仕事をしている。彼女はこのアルバムについて以前よりダンシング(ダンシー)で、より生の楽器の音を取り入れており「なんて表現したらいいか分からないけど、このアルバムはとてもおもしろくて、ファンキーで、今までと何か違うわ。私にとって何か新しいのよ。ほんとにクールな作品ね」と語っている。また「ポピュラーロックサウンドは減り、エレクトロニックなサウンドが入った」とも。彼女がプロデュースする香水「With Love…Hilary Daff」の広告はMTVで流され、彼女の新しいアルバムからリリース予定のシングル「With Love」をフィーチャーしている。彼女はこのビデオクリップをサンフランシスコで撮影、彼女のブログによるとHilarynet.orgで視聴が可能。ポップでテクノな曲だと言う。このビデオは2007年までは発売されない。