波と戯れるように  風に揺れるように

波と戯れるように 風に揺れるように

2013年09月07日
XML
テーマ: 寂寞の中で(1008)


「いいかしら?」

寮母のシスター・マグリットが入って来た。
ここは修道女が運営する幼稚舎から高等学校までの一貫教育の高等寮。
私は高等科の2年生。

「紹介するわね、さあ 入ってらっしゃい」

そう促されて入って来たのは姉妹校から転入してきた初々しい感じの由梨だった。

「今日からこの部屋で一緒に過ごすことになりました。宜しくね。
細かい事はガイドブックに書いてあるからそれを読んでちょうだい。
ここの先輩にあたる美穂さんに色々と教えてもらってね。美穂さん後は宜しく」

そう言ってシスター・マグリットは由梨を置いて部屋から出て行った。
寮は二人部屋なのだが奇数人数だったので一人で使っていたので丁度良かったのかもしれない。
シスター・マグリットが出て行った後、不安げな顔で立っている由梨に

「ま これから宜しく。仲良くやろうね」

手を差し出して握手を求めたら、いきなり美穂の胸に由梨が飛び込んできた。

「ちょっ ちょっと待ってよ」

慌てる美穂にお構い無く由梨は

「私 美穂様と一緒のお部屋で嬉しい。私の事 嫌いにならないで下さいね」

背中に回した手にぐっと力を込めて身体をぴたっとくっつけてきた。

「い いや あの・・」

「私、美穂様のことずっと以前からお慕いしていました。まさか一緒の部屋になれるなんて、もう、天にも昇る気持ちで一杯です」

「ちょっと 離れて・・」

「私、美穂様の言いつけはなんでも聞きます。ですから何時でもお側に置いて下さい」

「え???? 何にか勘違いしているんじゃ・・」

「私、両親にどうしてもこの寮に入りたいと頼んだのです、同じ姉妹校だったので転入は簡単でしたけどまさか、同じ部屋になるなんて」

紅潮させた頬を上げ、上目使いで美穂を見る由梨はうるうるとした瞳をより一層輝かせて

「私、毎日美穂様のお世話をさせて頂きます。こんなに嬉しいことはありません」

とんでもない同室者の現れに美穂は気が動転してしまい、
言葉も失い立ちつくした。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013年09月07日 08時39分39秒
コメント(2) | コメントを書く
[ショート・light&serious] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

コメント新着

鈴9063 @ Re[1]:今 思う事(08/14) せいやんせいやんさんへ 何の欲からも解…
せいやんせいやん @ Re:今 思う事(08/14) こんにちは。 いつ死んでも悔いのないよう…
鈴9063 @ Re[1]:迎春(01/10) せいやんせいやんさんへ あけましておめ…

お気に入りブログ

痒い New! ふらっとぴっとさん

君と見た夢 ゆうり154さん
PLUTOからの便り pluto2103さん
ようこそ 小雪牡丹… 小雪牡丹さん
超短編小説・ひ蜂his… ひ蜂さん
さくらと夢の助 夢の助さんさん
がらくた小説館 信兵衛9107さん
ひっこりんの冒険 ひっこりんさん
よくここが・・・ ふじ朗さん
Get your gun road movieさん

バックナンバー

2026年09月
2026年08月
2026年07月

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: