●○● Cohaku`s room ●○●

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 湖を挟んだ...




     【湖を挟んだ君との出会い】





君との出会いは、
そう今日みたいに綺麗な満月の見える夜の その空の下だった。

森の中の湖の辺。

俺はよくここに来る。
水面に映る月が好きだった。
波紋をたてれば脆くも崩れ形を変えて別のものになってしまう。
けれどそれを見ていると不思議と気持ちが落ち着く。

満月の日には必ずその場所に行った。


君は静かに水面に映っている満月を眺めていた。

身動きすることなく、ただひたすらに。

「ここに俺以外の人が来るのは珍しいね。」

俺はそこにいた君に声をかけた。
すると君は唐突に意味深長な事を言い出したね。

「お前に1つ忠告しておいてやる。全てのものには2つの面がある。」

「・・・・。」

「空に懸かる月はいつでも揺ぎ無く一定だ。けど水面に映る月はそうじゃねぇだろ。」

じっと水面を見つめていた君は話しながら俺の方を向いた。
君の赤く綺麗な眼が俺を睨んでいた。
忠告、そう聞いた時点で何について言われるのか大方予想がついていた。
動揺なんてしなかった。

「あの人の恐ろしさや欲深さは俺も重々知っているつもりだけどね。」

「いや分かってねぇ。」

「・・・・。」

「気を付けな。今のお前じゃいつ飲み込まれるか分かんねぇぜ。」

不思議な出会いだった。

それは俺にとってとてもいい出会いだった。

それから君と俺は繋がるようになったね。
完全に信頼しているわけではないけれど、

同じ人種として信用くらいはしているのかも。

















 * * * * * 

魔神フレイと呪われた悪魔ビビの出会い。
因みに口の悪い方が悪魔ビビです。((笑

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