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ミレニアムボロコムは巨大な宇宙戦艦のドックに係留されていた。
海賊と言えども宇宙一の海賊を豪語する悪漢ベイダーの手下は、軍隊のように統制の取れたきびきびとした足取りで盛んに行きかっていた。
その時ボロコムのビューポートの窓から外をうかがっていたジョンピーが叫んだ。
「グーさんとタラさんだ!」
グーとタラは兵士に連れられてどこかへ向かうようだった。
トットさんも窓に這いあがって来た。
「あの二人、この戦艦に乗せられていたのか?」
そう言って顎と一緒にぼってりしたお腹を揺らした。
「ほう、あの二人がお前たちを地球という星に送ってくれるビリノン星の野郎たちか?」
そう言ってバンは後ろで顎をしゃくった。
そのとき数人の兵士が銃を構えてこちらにやって来るのが見えた。
兵士は窓から覗いているバンに気づくと銃で出口に来るように指示した。
「俺を銃であしらうとはベーダ―の奴、手下にどんな教育をしているんだ?おいトット、お前にこのペンダントやろう。」
バンは何を思ったのかポケットから銀の鎖がついた小さなペンダントと取り出し、トットさんの首に無造作に掛けて言った。
「大事にしろ、お守りだ。」
バンはそう言い残しても出口に向かい、チューバッタが巨体を揺らしながら後に続いた。
チューバッタは過去、バンに命を救われたことがきっかけで命の借りを誓い、いつ何時でもバンを守ることに忠実だった。
「大丈夫かな?俺たちの事気づいているかな?」
トットさんは不安げにベンの後姿を見送った。
やがてバンはボロコムの出口に立つと、兵士と何やら話し出した。
ベンは目を少し細め、バンのやり取りをフォースの力で感じ取っているようだった。
マルークはベンに向かって訴えた。
「どうもあの男、信用ならない気がするんだけど。」
しかし、ベンはそれをたしなめた。
「マルーク、フォースに身を委ねるのだ。不安は疑惑を呼び、疑惑は恐怖を呼び、恐怖はダークサイドへと導く。」
「俺はバン・ソコってんだ。ベーダ―の野郎とは昔なじみの仲だ。これは何の真似だ、ベーダ―に向かいに来させろ。」
バンのいつもの横柄な言いように兵士は鼻を鳴らして一言返した。
「そのベーダ―様のご命令だ。」
「昔の馴染みがわざわざ訪ねて来たっていうのに結構なお迎えだな。」
バンは思い切りの皮肉を込めて言い返した。
兵士は平然と言い放った。
「積み荷は何だ?」
バンは口元を少しゆがませると、いたずらっぽく言った。
「ベーダ―の野郎にちょっとしたプレゼントをやろうと思ったのさ。」
そう言ってバンは親指でボロコムを指さすと兵士に耳打ちした。
兵士は態度を一変させ、すぐにボロコムの船内に走り込んで来てトットさんを見つけると怒鳴った。
「おい、お前!例のデブの鳥だな?」
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