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悪徳の限りを尽くし、非道を尽くしてきたジャバザハットは、セールバージから振り落とされ、彼のペットであるサルラックの胃袋の中に飲み込まれて行った。
単にそこで死ぬのであれば幸せなのだが、これから千年の間、正気を保ったまま激痛を味わいながら徐々に溶かされ、今までの罪を贖ってゆくのだ。
「ルーク、ありがとよ。お前に借りが出来たな。」
バン・ソコは彼には不似合いな感謝のことばをマルークに投げかけた。
マルークは戦闘機のコクピットのスピーカーから聞こえて来るバン・ソコの言葉に微笑みながら返した。
「バン、僕は寄って行くところがある。ベーダーとの対決が始まるまでには駆けつける。レイヤンをアレ・デ=ランに送って行ってくれ。」
「了解。」
バンの言葉を合図を待っていたかのように、ミレニアム・ボロコムは船体を揺すったかと思うと、一瞬のうちに光の線となり宇宙のかなたに消えた。
相変わらず惑星ゴタゴタは湿気が高く蒸し暑かった。
生臭い沼のほとりにある小さなあずまやの窓から細々と頼りなさげに光が漏れていた。
マルークの師ヨーダは病の床についていた。
「900年も生きていれば老いぼれて来るわ。」
ヨーダはめっきり弱った体を床に横たえ、苦し気に咳をした。
「ヨーダ様。しっかりしてください。あなたの教えを乞うために戻って来ました。」
マルークは悲痛な面持ちで師に訴えた。
ヨーダは震える手をマルークに伸ばして喘ぎながら言った。
「もう修業は終わっている。もう何も教えることはない。これからはお前自ら学んで行くのだ。」
マルークは心に引っ掛かっていることを口にした。
「ヨーダ様、ひとつ教えてください。ベーダーは、ベーダーは僕の父なのですか?」
ヨーダはしばらく顔をしかめていたが、ようやく僅かに首を縦に振った。
「マルーク、お前はこれから父との対決をせねばならん。お前がフォースにバランスをもたらすのだ。」
そのとき、霊体となったベン・ケイノービの声が闇の名から聞こえてきた。
「ベン。僕の父さんはベーダーに殺されたって言ったじゃないか。」
マルークは怒りを込めてベンの声に向かって抗議した。
「最強のジェダイだったお前の父は暗黒のフォースに飲み込まれた。その時点でお前の父親はベーダーに殺されたのだ。」
マルークは詭弁ともいえるベンの言葉に身を震わせた。
「マルーク、お前はお前の力で運命を乗り越えなければならない。」
ヨーダは目をつむったままマルークに告げた。
「僕ひとりの力で・・・」
マルークの言葉を遮りヨーダは言った。
「マルーク、お前はよくやった。ここに来た頃にはあきらめかけたが、今はフォースはお前とともにある。フォースを信じるのじゃ。しかもお前は一人ではない。もう一人おる。」
マルークはヨーダの言葉にふと気づいて言った。
「レイヤン?それはレイヤンですね?」
「良い洞察力じゃ。」
ヨーダは満足そうに頷いたが、その途端最後の痙攣を起こすと大きな息を吐いて静かに永遠の眠りについた。
それから彼の体は次第に消え、霊の世界に旅立ち、体を覆っていた粗末な毛布はベッドの上に落ちた。
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