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トットさんはのんびり惑星ヱンドアの森に横たわる倒木に寝そべって空を見上げていた。
なぜ彼はこんな星にやって来たかというと、バン・ソコを救出し、ミレニアムボロコムにのって地球に送ってもらう途中、宇宙国家から悪漢ベーダ―が宇宙国家を密かに操る影の支配者と共に、星を一撃で破壊できる秘密兵器に滞在しているという連絡を受けて引き返すことになったからだ。
その秘密兵器はまだ建設途中でこのヱンドアの引力圏で、星から送られるシールドに守られて最後の仕上げをしているのだ。
トットさんが見上げる空には月のようにその秘密兵器が不気味な姿で浮かんでいた。
「でっかいなあ、あれが宇宙船かあ?まるで本物の月じゃねえか?」
「あれはデススターデスって名の秘密兵器らしいよ。」
傍らでしっかり者の相棒ジョンピーが教えた。
そう、これは『デススターデス』という名の秘密兵器なのだ。
デススターだけで死の星という意味で十分なのに、更にデスとつくのは死を強調したいのか?
なまじっか日本語を知っている者が、ご丁寧に説明するために後ろにデスをつけたのか理由は分からない。
いずれにしてもセンスのかけらもない名前である。
そんな名前を付けた奴の顔を見たいものだ。
「それはお前じゃないか?」
トットさんはマスPをじろりと睨んで皮肉った。
ツン、ツン
その時トットさんをつつく何者かがいた。
トットさんが振り向くとそこには子熊のような槍を構えた生物が首を傾げながら突っ立っていた。
トットさんが慌てて起き上がると、その生物は慌てて後ろずさった。
きっと彼はトットさんをバンクしたボールか何かと思ったのだろう。
まあ大して変わりはないが。
「お前は誰だ?俺に何の用だ ?
その生物は叫んだ。
フギャー・ゲロ・ポーポ
「お前は何を言っているんだ?」
伝わるはずもないのにトットさんは尋ねた。
「トットさん、グーさんたちにもらった自動翻訳機を使うんだよ。」
ジョンピーに言われ、おおそうかとトットさんが自動翻訳機のスイッチを入れると、そこから翻訳した声が聞こえて来た。
「わあ、ベンコロイノシシのウンチがしゃべった!!」
「何?何イノシシ?ウンチ?俺がウンチだと?」
トットさんはその言葉に怒りまくって襲い掛かろうとした。
その生物は翻訳機によるとイオークというヱンドアに住む原住民だということだった。
そこへシールド発生器を調べに行って行方不明になったレイヤンを探しに行っていたバンとマルークが戻って来た。
「おや、お前のお友達か?」
バンがからかうように言った。
「友達だと?こいつ俺のことをイノシシのウンチだとぬかしやがったんだぞ!」
そう喚くトットさんにマルークはうなずきながら言った。
「ベンコロイノシシのウンチか?なかなかうまいことを言うな。」
「何を!!」
と叫びかけたトットさんは周りを見て青ざめた。
彼らの周りを無数のイオークが槍を構えて取り囲んでした。
こんなに多くてはいかに原始的な部族であっても勝ち目はない。
両手を上げて歯向かう気はないことを示すと、イオークたちは槍を降ろしたかと思ったら、あっという間に彼らを縛り上げてしまった。
今日の夕食にでもしようと言うのか?
「やめとけ、トットさんだけは!!」
マスPは思わず叫んだ。
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