マスP文庫

マスP文庫

PR

プロフィール

Master P

Master P

お気に入りブログ

西の関 東の松輪 New! himekyonさん

芦屋町での農業祭へ… New! 空夢zoneさん

反社 12月1日 New! ララキャットさん

師走 New! パパゴリラ!さん

幸達爺のノホホン菜園 幸達爺さん
ほっぺちゃんの マ… ほっぺ001号さん
ソフト部あきちゃん… ソフト部あきちゃんさん
Musashino SnapShot gekokuroさん
スコシフシギな世界… まつもとネオさん
simo simo2007さん
2023.01.22
XML

山中で山賊に襲われている喜利に出会った三猫とトットさんたちが昔ばなしに話を咲かせているころデブリンバトのノンキーは困り果てていた。

「うんしょ、うんしょ、うんしょ」

いつも呑気で楽天的なデブリンバトにしては真剣な顔でノンキーは叫んでいた。

デブリンバトのストレスの発散相手となっていたタンキ―がカナイド村を飛び出してはるばる甲府界隈までやってきたのだが、ストレスを受けることで自分のストレスを発散していたため、ストレスが体にため込むことになってしまい、どんどん膨れて今や小山のような大きさまで膨れ上がってしまったのだ。

ノンキーはそのタンキ―の腹の上でピョンピョン跳ねながら、トットさんたちがデブリンバトたちを播磨の国から連れてきてくれるのをひたすら待っていた、、、、、

が・・・・・・?

「ううーん、ううーん」

タンキ―は今や爆発寸前。

もしこんなにストレスをため込んだタンキ―が耐えきれず爆発したら体中のストレスが日本中にばらまかれて、国中に騒乱が巻き起こり恐ろしい世界になってしまうかも知れないのだ。

「ううーん、ううーん」

タンキ―はうめいた。

「タンキ―、タンキ―、ダメだダメ~。」

ノンキーの必死の叫びに、タンキ―も必死に応えていたがついに我慢しきれず遂に「ゲフー・・・」。

大きなげっぷをしてしまった。ストレスのたくさん詰まったタンキ―のげっぷだ。

そのげっぷは森を抜け、空にたなびき、山を飛び越え国を横切り、ある国にやって来た。

「また来とるで。ほんま困った奴じゃに~。やっぱり噂通りの大うつけだがや。」

百姓たちは眉をひそめてその少年を横目で睨みながら野良仕事に励んでいた。

「若―っ!若―っ!一大事でござるすぐに城へお戻りくださりませー!!」

若と呼ばれるその少年は振り向いた。

尻をからあげ、巾着から取り出した干し柿をかじりながら、頭のてっぺんに突っ立ったまげの先で綿毛のようにゆらゆら毛髪が揺れている。

少年はうつけと言われて割には朗らかな顔で、清々し目をしていた。

「おお、爺。どうした?なにかあったのか?」

爺と呼ばれたその侍は、彼の後見人なのだろう。

「殿、殿、殿がお倒れになりました。」

その言葉を聞き少年の表情は一変した。

「よし分かった。すぐに戻る。」

少年は城までの二里半を走り通すためス~ッと大きく深呼吸をした。

そのとき、何かおかしな匂いの空気が体に流れ込んで来た。

少年は「うん?」と顔をしかめた。

気持ちの悪いモヤモヤが体中に湧き起こり、心の臓が鷲づかみされたような息苦しさを感じて、うかつにも涙が目に滲みそうになった。

彼は喘ぎながらうつむいた。

しばらくして彼は顔を上げた。

その時の彼の目には今までの暖かいやさしい光はなく、どこか冷酷な激しい閃光が閃いていた。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.01.22 09:30:51
コメント(1) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:トットさんと三猫珍道中 ~大うつけ ~(01/22)  
大うつけと聞くと織田信長ですが、ここでは一体誰だろう。

タンキーって、短気なのかな? (2023.01.22 15:23:48)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: