自転車一直線?・山田企画事務所・

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■日本人の時代■

■日本人の時代■

■ 息せききって、ジュンはケンの広い肩に追いついていた。
「ねえ、ケン、変なうわさがあるの」

「ヘー、うわさだって。ジュン、君独特の『まやかし理論』じゃな いだろうね。残念ながら僕は今、リアクションテストの端子はつ けてはいないぜ」ケンはにこやかに答えていたが、ジュンの真剣な顔にどきりとす る。

「どんなうわささ。君の顔色からすると、大変な事のようだな」

「日本人狩りが始まるっていうのよ」

「おいおい、ジュン、それこそ悪いジョークだよ。今は第2次大戦前じゃないんだぜ。今は22世紀が初まったばかりだ……」

ケンの笑声もジュンの顔を見ると、ぴたりと止まる。「悪いけどねえ、ケン、真剣に聞いてほしいの。私のパパの専門分 野を知っているでしょう」

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