星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2022.05.20
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テーマ: ウクライナ(161)


 今回の侵攻がきっかけで第二次世界大戦やロシアの事をいろいろ検索すると、未だにロシアという国が第二次世界大戦の呪縛のようなものから解放されていないのかという気持ちになります。

 第二次世界大戦の戦死者は6千万~8千万人で、そのうちの2千6百万人がソ連の戦死者で世界中で一番多いというのにも理由があるのかもしれません。戦勝記念日の3ヵ月前にイギリス、アメリカ、ソ連の3カ国会合「ヤルタ会談」でドイツに勝利した後「日ソ不可侵条約」を破って日本への対日戦線を公言しています。その時北方領土、朝鮮半島、台湾の領土についても取り決めがあったようです。その時アメリカはソ連に一人勝ちさせない「手」をあれこれ考えていたのかと思います。5月9日から3ヵ月後の8月9日には既にアメリカによって2度目の原爆が長崎に投下されていました。結局はソ連が考えた領土獲得のいくつかは頓挫することになり、しかも北方領土問題は解決の糸口もないまま現在に至っています。

 改めて一昨年読んだ深緑野分著「戦場のコックたち」を「強い反戦のメッセージを持つ名著」として特に若い人達に読んで欲しいと思っています。5~6回日記に感想を書いたうちの「アンネ・フランク」の事を彷彿させる内容のところを再度アップします。確か今年「アンネ・フランク」家を密告したのは同じユダヤ人というニュースがあって、戦争中の悲劇を痛感させられました。



第二次世界大戦中のアメリカ合衆国陸軍、空挺師団パラシュート歩兵連隊隊員のティム(管理部付きコック)を主人公にした小説で第1章「ノルマンディー降下作戦」は
ドイツ軍に占領されていたフランス援軍のため、ドーバー海峡に面したコタンタン半島の小さな町イースヴィルに隊員たちがパラシュートで降り立つところから物語が始まっています。

第3章の「ミソサザイと鷲」ではフランスにパラシュートで降下し陸路でオランダに進駐した連合軍とドイツ軍隊の激しい攻防が描かれています。

 オランダでも民間人の助け(住居の提供も含めて)を借りて戦いを続ける中、ティムの部隊は50代のオランダ人夫婦と幼い姉弟の4人家族の家を使わせてもらうことになります。

  近所の家との温かい交流が感じられないその家の中の様子にティム達が違和感を覚えるうちにその夫婦は遺書を残しピストル自殺を図ります。その謎の言葉が入った遺書の謎解きにグリム童話の「みそさざいと熊」を引用しています。

  夫婦が自殺をした直後に正体不明の人物がその家の付近から大声を発しながら通りに躍り出て、ドイツ兵に銃撃されてしまいます。その正体不明の人物は夫婦が地下に匿っていた娘で幼い2人の子供の母親でした。両親の自殺を目撃して償いの気持ちからそのような行動に出たことが分かります。そして彼女はユダヤ人を密告する等、何らかのドイツ軍と係わりを持っていたと推測され、一方彼女の父親と叔父はドイツ軍と戦うレジスタンス運動の一員でした。このような戦争被害に遭った家族がどれだけあったのかと思うと辛い気持ちになります。

 ここまで読んでふと「アンネの日記」を思い出しました。アムステルダムに住むごくごく普通のユダヤ系ドイツ人のアンネ・フランクと一緒に隠れていた7人が密告によって強制収容所に連れて行かれ、8人のうちの唯一の生存者であるアンネの父親が周りの人達から勧められて出版した日記です。

 密告され死に至った人達の悲劇と密告した人達が戦後抱えた心の傷は戦争が引き起こした「狂気」によるものとして簡単に片づけられるものではないと思います。







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最終更新日  2022.07.29 09:40:53
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