星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2023.07.25
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テーマ: 読書(9630)
 昨日、作家「森村誠一(1933-2023)」氏の訃報があり真っ先に思い出した1冊は「分水嶺」です。1976年と1977年発行の「人間の証明」や「野生の証明」は映画化もされ作家の地位を不動にした作品ですが「分水嶺」は氏が1969年に「高層の死角」で「江戸川乱歩賞」を受賞する1年前に発行された本で、この本も含め書いても売れないという時期がかなりあったようです。森村誠一氏のサイトに当時の事を振り返るご自身の言葉がありました。

​​ 【小説は嗜好品に似ていて、読者の好みに合わなければそれまでである。同じ読者でも、読書時の年齢、生活環境、身体の状況、季節、時間帯、天候等によっても作品の印象は異なってくる。すべての読者から満点を取ることは不可能である。青樹社から出版した初期の作品が角川氏の共感を得たのは、氏の不遇時代と作者の環境が似ていたからかもしれない】 ​​



 「分水嶺」は日本でいつ読んだのか内容の詳細の記憶も曖昧ですが、ただ後半部分では涙が止まらず、読んだ後しばらく呆然としていたという私にとって稀な経験から忘れられない作品です。著者の言葉にあるようにその時の身体の状況や時間帯(就寝前に読んでいた事も思い出します)にピタリと合ってしまったのかもしれません。

 内容を改めて検索すると『 化学会社社員の大西と医師の秋田は学生時代に山で命の危機を分かち合った仲間だが、秋田が勤める診療所に大西の会社の技術者が奇妙な症状を呈して送り込まれて来た。不審を抱いた秋田は大西が会社で恐るべきガス兵器の開発に極秘裏に携わっている事を知る。企業のエゴに自らを懸けている親友を諫めようと秋田は大西を追うが・・」 ​とあり​ 最終的には大西は自らを人体実験の犠牲者にと決意しますが、それまでの心の葛藤が読む側に確実に響いて来てそれが涙が止まらなかった原因だと思います。

 ​森村誠一氏をウィキペデイアで見ると、
小説家として活躍した時期は2017年までとなっていますが、2021年に「老いる意味、うつ、勇気、夢」を発行しています。その中で「60代は年少、70年代は年中、80代は年長さん」と書いているそうです。年長さんとしての人生を全うして90歳で亡くなられたという事にも何かしみじみするものを感じ、心からご冥福をお祈りします。






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最終更新日  2023.07.25 12:10:58
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