ベン太郎君 其の弐


その日までは、1分でも惜しむかの様に出来るだけ毎日会っていた。

会っていたといっても、彼は高校に通っていたし、私も留学に向け、英会話やら行っていた。
おまけに当時、今じゃ信じ難いが、父上がまだ厳しく、門限も6時!会えても2時間足らずだった。




留学中は毎日夜寝る前に手紙を書き、1週間分まとめて出し、10日に1回電話で話すという体制だった。
寂しくて会いたくって、


私このまま死んじゃうんじゃないかな、



なんて思ってた。 



ある時、ベン太郎君から小包が届いた。
聞きたかったCDと、何を思ったか彼が良く着ていたセーターを贈ってくれを頼んでおいたのだ。
箱を空けた瞬間、大好きな懐かしいベン太郎君の匂いが、ファ~っとしたのは今でも覚えてる。
セーターからだったんだと思うんだけど、着るつもりで送ってもらったセーターは言うまでも無く、カエル君に着せた(ホームステイのママが初めて会った時にくれたぬいぐるみ)。


その郵便の箱の中に、1つのテープが入ってた。
何だろう??とさっそく聞いてみると、テープにはなんとベン太郎君の声が録音されていた。
絶対あり得ない事なのだ、なぜなら彼は物凄くシャイなのだ。

テープには私が渡豪した後のベン太郎君や友達の近況、日本で最近話題の事(当時は今みたくInternetで情報得る事出来なかったからね)、そして私に対して、頑張れ!のメッセージ。

今こんなことされたら、どんなに好きな人でも、間違い無く 「ひく」  と思う。でもその時はすっごく嬉しくて嬉しくて、聞いては巻き戻し聞いては巻き戻し、ニタニタしたり、どよ~んとなったり。



あ~ 懐かしか~ (- v -)。。。



帰国した後もずっと彼は私の彼氏のポストにいた。


赤裸々に綴るのが、自分なりのこのHP開設のモットーだから書いてしまうが、彼の子供も妊娠した。
勿論当時の二人には育てる自信も無く、産むのは断念しざるを得なかった。
この事に関しては色んな思いがあるのだが、今は書くのはやめておく。





結局トータル6年彼といたのかな?二人ともB型でよくいわれてる
「我道を行く」
タイプの筈だけど、怒鳴り合ったり事もなかったし、揉めた記憶も無い。 
二人の間の中では「喧嘩」がとにかく嫌いだったしね。

友人カップルと一緒にいて、そのカップルの間で喧嘩が始まると、二人して顔を見合わせたて

「ヤだね」

のアイサイン&苦笑い。

意見がすれ違うことがあっても、穏やかに話しして解決か、どっちらかが面倒臭くなって折れる、、っとこんな感じ。
とにかくあまり腹が立つ事自体無かったような気がする。



この関係があんなに長く続いたのは、何より彼が優しい人だったからだと思う。
私のまわりでも確かに優しい人は沢山いるけれど、ベン太郎君が持っていた優しさとはやっぱり少し違う。
きっとひいき目もあるとは思うけどネ。




彼と別れた原因は実はコレと言ってないんだな。

若い二人のクセにセックスレスだったが、なんらそれは関係はない。
ソレが無くても仲は良かったし、いささかベン太郎君もまだ性欲はMAXの年頃だから、良くて半年に1、2回そういう事もあったケド、逆にあった方がテレも手伝ってぎこちなくなってしまう程だった。

強いて言える理由は、彼に対する情が、

恋愛の方が強いのか、家族的な情の方が強くなってしまったのか、分からなくなってしまった、

という事じゃないかな?と思う。
別れる時、切り出したのは私の方だったけど、後から彼に聞いた所

「自分的には別れたいとは思わなかったけど、きっとMinneienからそんな事を言われるだろうな」 

と、薄々は感じてたらしい。 

長く付き合った割には、サラ~っと別れてしまったんだよね、彼とは。




別れた時は、コレだけ時間を共に過ごして、色々な事を知り合ってた訳だから(嫌いになったつもりもチャンチャラ無かったから)、彼氏彼女の関係ではもうなくなってしまったにせよ、これからは友達として居られる、と思った。

今もごくたまにだけど、電話で元気?なんて話すけど、いくら長く一緒にいたとはいえ、結局は他人、男女の友情はやっぱりあり得ないな、と思う。
お互い知り過ぎているからこそ、見透かされている気がしてしまったり、変なプライドみたいなのも邪魔しているんだよね、きっと。




今はベン太郎君には年上の彼女がいる。
彼女に対し、正直に嫉妬心も無いし、ベン太郎君がその人といることで幸せであるんであれば、綺麗事とかではなく私は嬉しい。

最終的に現時点では別れてしまったから、縁が無かったのだろうけど、もし、彼と、もう少し遅くに出会ってたら多分、彼と結婚していたかもしれない。




おそらく、これから先々あんなに優しい人に会う事はないと思う。
自分から手放しておいていうのもナンダケド…。  





それにしても、イイ時間を彼と過ごせたなあ~とこうやって思える私は、本当に幸せ者だな♪  
彼もきっとそう思ってるに違いないな♪(やっぱり出ちゃった、自分中心の世界☆)

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