NEGIMA 【 Infinity a magic land】

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Ayaka

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センセー。
あの昼食はまだでいらっしゃいましたよね?
でしたら、今日のランチはこの私とご一緒頂けませんか?
実はその・・・・先日ご心配をおかけしたことお詫びをしたいと思いまして。
いえ、気にしなさらないでとおっしゃっても、私にも立場という物がございますので。
よろしいですか?
よろしいなですね!ありがとうございます。
では、早速参りましょう。
ささ、ご遠慮なく私と腕をお組くださいませ。
こういう時はもてなす側の者が席までお連れするのがたしなみです。
恥ずかしがらなくても良いのですよ。


学園のカフェテラスは少々騒がしいですわね。
落ち着いて食事をするという雰囲気ではありませんわ。
申し訳ありません。
本来では拙宅へとお越し頂いてゆっくり召し上がって頂くところなんですが。

あら、このピザ。なかなかいいお味ですわね。
トマトの酸味が爽やかに口の中に広がって。
先生も一口いかがでしょうか?
さあどうぞ?
お口をお明けになってください。
いいえ、私が手ずから食べさせて差し上げます。
さ、どうぞ。

アーン。

ウフフ、お食事のしぐさ一つ一つが愛らしいですわ。
そんなに照れなくてもよろしいのに。
お味のほうはいかがですか?
ねー、おいしいですわよね。
でわもう一口。
アーン。
あら、ごめんなさい、ピザソースがお口に。
お待ちください先生。
私が取って差し上げますわ。

はい、取れました。
ハァッ、私たらなんとはしたないことを申し訳ございません。
いくら、不可抗力とは言え、先生の柔らかくて愛らしい、天使のような唇に、直接指で触れてしまうなんて。
いったい、どうやってお詫びをして良いのやら。
エッ、お許し頂けるのですか?
ハァッ、な~んて寛大な心の持ち主なんでしょう。
お礼と言ってはなんですが、今度はこちらのスモークサーモンはいかがですか?
ほら、お口を。

アーン。

あら~、先生。
またお口に。

はい、取れました。
ハァッ、も、申し訳ありません。
私、また、先生の唇に触れてしまいました。
わざとじゃありませんのよ。
先生の見目麗しいお顔を拝見すると・・・私・・・気もそぞろで身も振るえ。
あっ、はい。
気にしなくても宜しいのですよね。
では、先生のおっしゃる通り、気に致しませんわ。
ああっ、こんな所にカフェオレが。
さささ、先生。
では次はこちらのミルクがたっぷり入ったカフェオレを。
いいえ、もちろん私が飲ませて差し上げますわ。

まあ、大変。
先生のお口のまわりにクリームが。
これはとても指ではぬぐいきれませんわね。
こうなったら、仕方ありません。

失礼。
え、「どうして顔をちかずけるのか」ですって。
お口の汚れを私の唇で拭いて差し上げようかと。
あっ、先生。
そんなお逃げにならなくても。
ほんの軽い冗談ですのに。
お待ちになって。
お待ちになってくださ~い。




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